第10回:2000年9月第3週
サックスを習い初めて3ヶ月(正確には12週)、ついに最終回がやって来た。
3ヶ月って結構あるのかと思ったけれど、終わってみるとあっという間に感じられる。初回は半袖の服を着て行ったが、この日は長袖。いつの間にか季節が1つ終わったというわけだ。
この日は私の前の時間帯にレッスンを受けている人達が欠席という事を前もって知っていた。「じゃ早く来れば、長くレッスン受けれるのかな」という図々しい考えが頭をよぎり、「その時間、先生何してるんですか?」と尋ねてみた。「夕飯食べに出たりするんだったら、その間1人で練習出来るかも」なんていう目論見もあった。その意図を知ってか知らずか「あ、早く来る?」と先生。「来ます、来ます!!」と二つ返事の私。「じゃ、早く帰ってもいい?」と先生。「あらっ、そう来たか」とがっくりしたが、文句を言える立場にはない(^^;)。早めに教室に行く事になった。
この日はいつもと違う楽器を貸して頂いた。「なんか汚い」というのが第一印象。いつも貸して頂いている楽器はピカピカと輝いているが、こちらはくすんだような鈍い光を放っているだけだった。見るからに古くて、使い込まれている感じがする。おそるおそる手に取り、いつもと違うマウスピース(こちらはきれい)で吹いてみると、どういうわけかとても吹きやすかった。一口にサックスといっても、物によって随分吹き心地が違うようだ。音もいつもより優しく聞こえる。また、吹いていて疲れをあまり感じさせない。4小節で息切れする事もこれなら回避出来そうだ。おまけに、なかなか出せない筈の低い「ド」の音が何の苦もなく出てしまうではないか! なんで!?(感動)
その、一見冴えなかった物がセルマーだった。「セルマーって高いんですか?」と間の抜けたな質問をしてみると「いつも貸してる物の3倍位」という返事が返って来た。30万を優に越えるという。そういわれると、汚く見えた物が急に渋くカッコ良く見えてきたりして(笑)。
この日は受講希望の方が見学にいらしていた。セルマーのおかげで、いつもよりマシに吹けてはいるのだが、それでも下手な事実は隠しようがない。拙い演奏を聞かれるのはとても恥ずかしく、「ひどい音を聞かせちゃってごめんなさい」と思わず謝ってしまった。騒音みたいなもんだもん(泣)。BON JOVIファンやボウイ・ファンの知り合いには「いつかセッション出来ると良いですね」なんて言っているのだが、そんな日はとてつもなく遠そうだ。
一通り吹いた後、今度はマウスピースを取り替えて頂いた。マウスピースによっても感じが変わって、吹く人との相性もあるらしい。
「吹きやすい」と思ったマウスピースが吹いてるうちに変な音になったりするので、今一よくわからなかったのだが、わからせようと先生は何度も付けたり外したり、取っ替え引っ替えやって下さった。本当は自分で付け外しをやりたいのだが、不器用&不慣れな私がやるとスムーズに出来ない。見かねた先生が「やってもいいですか?」と尋ねてきたのだ。使ったマウスピースやリードを触らせるのは、かなり心苦しいのだが、自分がやると無茶苦茶時間がかかってしまうので「イヤ」とも言えない。本当に「すみません」という感じだ。
この日やった新しい事といえば『カエルの歌』。←※エアロスミスの"DRAW THE LINE"に、これと似たようなフレーズが出て来る所がありますよね。ライブを見に行った時も思わず「カエルの歌が」と歌いたくなって困りました(笑)
「ゲゲゲゲゲゲゲゲ」の部分をタンギングで吹かなければならないのだが、4分音符迄しかやった事がなかったので、8分音符のタンギングというのが非常に難しい。『カエルの歌』が『オーラ・リー』より難しいとは大発見だった。
その他にはタイトルを忘れてしまったのだが、スコットランドの民謡にトライした。こちらも今迄やった物と比べるとやや難しく、おたおたしてしまい今一だったのだが、びっくりしたのが高音。いつも借りていた楽器ではオクターブキーを使った時に出る音がなんか濁っているような割れたような感じで気に入らなかったのだが、セルマーではうっとりするような綺麗な音が(たまにだけど)出てしまったのである。やはり高い楽器は良い楽器なのか。気持ち良かったぁ。
しかし、全体的には私の吹き方はまだ問題だらけという感じ。たとえば、この日のようにセルマーなんかでやると、力一杯吹かなくても音が出るのでつい軽く吹いてしまったのだが、ある程度しっかり吹かなければいけないらしいのだ。とはいっても変な力を入れるのはいけないらしく、「力を抜いて」なんて言われる。その辺りの違いがつかめない。また「今と同じような感じでこれをやって」みたいな事を言われて、そうやっているつもりなのに「違う」と言われてしまったり、感覚的な部分では先生のおっしゃる事がよくわからない。言われた事が出来ず、先生が頭を抱えてしまうような一幕もあった(泣)。また、自分の楽器を買って沢山練習すれば上達するかと思っていたのだけれど、「変な吹き方で練習すると変な吹き方が身に付いてしまう」というような事も言われて、ちょっと考えさせられた。一概に「習うより馴れろ」とは言い切れない部分もあるのかも知れない。
という具合で、この日のレッスンは楽しい事・恥ずかしい事・考えさせられる事など色々あったが、大満足。最終回に相応しく、中身のある内容だったような気がする。帰りたがっていた先生も結局はかなり付き合って下さって通常よりは長くレッスンをして頂けたので、早く行った甲斐もあった(笑)。
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