« 第10回:2000年9月第3週 | トップページ | 新しい先生 »

2003.12.26

初披露:2000年12月24日

さて前回の更新から早いもので3ヶ月の月日が経ち、なんとこの日は初めて人前で演奏を披露する事になった。通っている教室のビルのロビーで、生徒が演奏するという段取りが出来てしまったのである。

友人や弟にその話をすると、「いいねー!」とか「クリスマスにサックス演奏するなんておしゃれ」なんて事を口々に言うし、私も上手ければ喜んで吹きたいところなのだが、とにかくまだ全然下手なので、躊躇しまくってしまった。勿論強制参加ではないのだが、特に嫌がる生徒さんもいないようなので、1人で尻込みしてるのも変。それに「滅多に体験出来る事でもなさそうだし、良い思い出になるかもしれないし」等と考えを巡らし、結局参加する事にしてしまったのだが、いざ参加を決めた後も何度も逃げ出したい衝動に駆られてしまった。そんな気持ちを見透かされたのか、先生には「ドタキャンしないよね?」などと尋ねられる有様。思わず言葉に窮する私であった(^^;;;;)。「見に行こうかな」とか言ってくれる人にも「だめだめっ、絶対来ないで!!」などと言ってしまった、とほほ。

そんな情けない状態で迎えた当日。まずは練習室に向かったのだが、入室した途端に「来るんじゃなかった!」と大後悔(爆)。演奏曲数の多い上手な人達が先に来て練習していて、吹ける曲がまだ少ない私は後から合流という形だったのだが、そこで練習している皆さんの演奏がとても素晴らしいのだ。「うわ~、ここで私が入ったらぶち壊し」という感じ。帰る口実を真剣に考え始めてしまった。が、さすがに、ここで帰るのも大人げないので、なんとか逃げ出したい気持ちをしまいこみ、練習に参加。よく聴いてみると、ミスしてる人も案外いる事に気付く。「なんだ、私だけじゃないじゃん」って、そんな事で安心しちゃいけないんだけど。

休憩になり、おしゃべりなどをしているうちに落ち着いてきたが、やはり下手な事に変わりはないので、ちょっと練習してみる。……と、なんと、高い「ソ」の音が出なくなってしまった。懐かしい「ピヒョッ!」とかいう変な音が出てしまうのだ。「うそ~、もうこんな音出さなくなったと思ったのに」
「ソ」ばかり吹いてみる……半分の確率で変な音になってしまう。低い音が出ないという事はしょっちゅうあったけれど、高音がこんなに出ないなんて(涙)。とりあえず「ソ」の音は本番では吹かない事を決意した。

そんなこんなで、「なんだかなぁ」というテンションで参加した本番は、人数がいるのをいい事にかなり適当にお茶を濁してしまった。まぁ、逃げ出さなかっただけで良しとしておこう(って、自分に甘過ぎ)。

という訳で、自分の演奏は良い所なしだったのだが、自分の参加しない曲を客席から聴いていたら「これを聴けただけでも来て良かったなぁ」なんて思ってしまった。これだけの数(10人位)のサックスの音を同時に耳にしたのは始めてだったので、ちょっと感動してしまったのだ。特に『素直になれなくて』(HARD TO SAY I'M SORRY)は別頁の「私の百曲」にも入れた程好きな曲なので、うっとり。私も早くあんな曲を吹けるようになりたいとしみじみ思ってしまった。しかし、なんで皆さん、あんないい音出せるのかなぁ。みんなセルマー?(って楽器のせいにするか?>自分)

さて、この日を最後に先生は教室を辞めてしまう事になっていた。なにかのヒナが最初に見た物を親だと思ってなつくように(?)、私も最初の先生をすっかり慕っていたので、これでお別れだと思うと寂しくて仕方がないのだが、先生の方は生徒との別れなんて数え切れない程経験しているだろうし、何とも感じてないんだろうなぁ。何はともあれ、サックスの楽しさを教えて下さった先生には感謝の気持ちで一杯である。

|

« 第10回:2000年9月第3週 | トップページ | 新しい先生 »