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2003.12.26

そんな名前のウィスキーがありましたっけ。……って、残念ながらアルコールは苦手なんですが。

2週間前はすっかりやる気が失せてしまっていた私。家から徒歩5分の場所に偶然ギター教室を発見し、「しばらくサックスは休んで、気分転換にギターでも習おうかな」なんて一瞬思ったりもしました。が、めでたく(?)やる気もよみがえり、先週の河原での練習に引き続き、今週は音楽練習室で練習をしました。驚いたのが、その前日。「明日、サックスの練習が出来るんだ」と思ったら、わくわくして仕方なかったんです。まるで遠足前の子供状態。前回書いた通り、河原で吹いたのがとても楽しかったという事もあるんですが、その時「あぁ、楽譜が使いたい!!」と切に思ったので、楽譜を使える事にとんでもなく喜びを感じていたのです。我ながら不思議な感覚でした。

という訳で、ヤル気満々で臨んだ自主練習なんですが、やはりそういう状態だと何かが違うんでしょうか。また、ちょっとだけですけど「わかっちゃった」んです。この感覚、久しぶりです。思い起こせば3ヶ月前、前の先生のコンサートに感動し、「素晴らしい演奏を聴くと練習にも熱が入る」とばかりに夢中になって練習して、ちょっとだけ「わかっちゃった」あの日のあの感覚に、また襲われたんです(詳しくは「タンギングは大事」の頁参照)。あの日は『慕情』を練習していた時に「それ」はやってきましたが、なんと今回も同じでした。『慕情』ってすごい曲かもしれない。

『慕情』は、ゆったりとしていて、吹いていてとても気持ちの良い曲です。そして割合簡単なので、指遣いに気を取られる事もなく、他の事を考える余裕が出来るんです。今回は音について考えました。以前、「どういう時に良い音が出て、どういう時にダメなのかが自分では全くわからない」と書きましたが、この日の音もなんかイマイチだったんです。まぁ、原因は色々あるんでしょうけど、ある日、ストラップ(これで首にサックスをぶらさげているわけです)の長さもかなり音に影響を与えている事に気付きました。リードや吹き方のせいで音が変わるのは当然ですが、ストラップの長さで変わるなんて、はじめは信じられませんでした。この長さによって吹きやすさに差が出るとは思いましたが、音に変化が出るとは思っていなかったんです。しかし、(他の人は知りませんが)私の場合はこれの影響力が絶大なのです。

この日もストラップを短くしてみたら、若干改善されました。「なぜだろう?」と考え、ストラップの長さによって顔の角度が変わっている事に気が付きました。短くすると、マウスピースと顎の角度がかなり小さくなり顎を引いた状態になりました。「あ、そういえば、顎引けって言われた事あったっけ!!」と思い出す私でした。←言われても次のレッスンの時には忘れている(汗)

おまけにストラップを短くすると、脇が閉まるのです。私はついつい難しい指遣いになったりすると緊張して、脇があいて肘がどんどん上がってしまい、「力抜いて」と言われていたのですが、こうすると肘が上がりにくいようです。ストラップを短くするだけの事で、これだけの欠点が改善されていたんですね。そりゃ、音も良くなる筈だ。とはいえ、ストラップを短くすると窮屈で吹きづらいような感じがします。で、次にこれはやっていいのかわからないんですが、顎にマウスピースを付けてみました(つまり角度ゼロ)。すると、すごく楽になりました。こうしていれば、ストラップを短くするのと似たような効果が得られる事がわかりました。しかも長い音が無茶苦茶出しやすく、疲れにくくなりました。おまけに、音がなんか響いて聞こえるんです。やったー。今迄「力抜いて」と言われてもどうすれば力が抜けるかわからなかったし、「顎を引いて」と言われても何の為にそうするのかわからず、「ただ言われた時だけ引いて、すぐ忘れる」といった具合だったんですが、一つ一つの事の意味がようやく体でわかったような気がしたのです。「あぁ、先生がおっしゃっていたのはこういう事だったんだ」と、感覚としてつかめました(勿論まだ問題だらけではあるんですけど)。

前の先生のレッスンで次にやるはずだった"YESTERDAY ONCE MORE"を吹いてみました。
この曲はとても好きなので、教えていただくのを楽しみに以前予習をしたのですが、その時はなんだか納得の行く音が出ず、「せっかくいい曲なのに」とがっかりしました。中音域はそこそこましな音が出るようにはなってきたのですが、高音はあひるのしゃがれた鳴き声(?)のような音になってしまうのです。歌でいえば、中音はおなかから声を出していてそこそこ響いてるような感じだけれど、高音は喉先から出して、しかもつぶしているような感じとでもいえばいいのかな。この楽譜は高音メインで書かれていたので、私が吹くとまさに騒音状態となってしまったのです。が、顎にマウスピースを付けながら吹いてみたら、つぶれずに少しは広がって響いてくれるような感じになりました。
もしかして別の日に吹いたら、マウスピースに顎を付けてもつぶれた音にしかならないかもしれませんし、ひょっとしたらこの吹き方はいけないのかも知れませんが、とりあえず、首(喉?)・顎あたりに気を配る必要性が骨身にしみてわかった事は大収穫でした。やっぱりサックスって面白い!!

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