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2003.12.26

パリ・ギャルド

パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏を聴いて来ました。

クラシックのサックスに興味を持ち始めてからは、吹奏楽も俄然気になりだしてしまった私。最近は、NEC府中吹奏楽団の追っかけ状態です。←というのはウソで、実は先日地元の駅前で演奏をしているのを途中から聴き、「ああ、最初から聴きたかったなぁ」と思いつつ、諦めて近くの別の場所で買い物していたら、偶然彼等がその場所に現れて再び演奏をしたので、結果的に追っかけたような状態になったのです。

さて、そのパリ・ギャルド、なんでも「世界で最もうまいブラスバンド」なんだそうです。しかも、ゲストが須川展也さんだというではありませんか!! 「これは行くしかない」とワクワクしながらオーチャード・ホールに足を運びました。オーチャード・ホールは3度目(本当は4度目になるはずだったんですが、サラ・ブライトマンの時にチケットを持っていたのに行けなかったという苦い経験有り)。そういえば、初めてオーチャード・ホールに行ったのもフランスの楽団(ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団)の来日公演でした。この時は1階の真ん中の席で、音が素晴らしくきれいに聞こえて感動しました。が、2度目は2階席か3階席で「あ~、やっぱり、迫力が全然違う」と思った事を覚えています。という訳で、今回もどの席にするか非常に悩んだのですが、「お金もないし、音の大きい楽器ばかりだから、遠い席でもいいか」と、一番安い3階席をゲット。音は聞こえましたが、奏者が見えませんでした(^_^;)。という訳でサックス奏者が何人いたかわかりませんでした。「あれ、この音聞き慣れないけど、なんの音だろう?」と思って目を凝らしても、どの楽器が奏でているのか見えないのです。うーん、失敗した。

とはいえ、やはり須川さんには今回も感動させられました。もう、なんて素敵なんでしょう!! そして、今回はスリルも感じてしまいました。大勢の人が、皆で一つの物を創り上げようとしている訳ですよね。「1人でもミスしたら、大変な事だよなぁ」なんて思ったら、なんだかこっちまで緊張しちゃったのです(爆)。それと、にわか須川ファンのくせに、「須川さん、ギャルドに負けるなっ、凄さを思い知らせてやれっ!!」なんて、知らぬ間に応援モードに入ってさらにドキドキしたりして。音の小さい繊細な部分は須川さんの演奏は本当に素晴らしくて鳥肌物。「どうよどうよ」って感じなんですが、盛り上がる部分で、須川さんが吹いた後同じフレーズをギャルドの人達が追いかけるようにかぶせてくる場面では、「わー、負けないで。頑張れ頑張れっ!!」なんて声援したい気分になってしまうのでした。フランス対日本のサッカー見てるわけじゃないのに。これだからスポーツ・ファンときたら(^^;;)。

須川さんが参加したのは『英雄の時代』で、アンコールではピアソラ(『忘却』というタイトルだったかな、忘却しちゃった)を披露してくれました。前者はなんか、対決(?)を連想しちゃったんですが、後者は落ち着いて(笑)聴けました。前回聴きに行った時(サボりたい日の回参照)もピアソラを演奏していたし、お気に入りなのかもしれません。詳しくはないんですが、私もピアソラは好きです。が、「ピアソラといえば、バンドネオンでしょ」と思っていたので、初めてサックス・バージョンを聴いた時は驚きました。そして、今回は吹奏楽バージョン。更に驚きました。吹奏楽といえば、なんだか勇ましいイメージがあるんですが、この日のピアソラは明るく軽やかでお洒落な感じに仕上げられていたのです。パリ風というべきか。聴いてる時はピアソラだなんて夢にも思いませんでした。ロビーに貼ってあったアンコール・リストを見て、のけぞっちゃった程です。

須川さんの参加されていない物では、『くまばちの飛行』が嬉しかったなぁ。これはバレエですごく印象に残っているんですが、その時は踊りに気を取られていたので、音楽を集中して聴いたのは今回が初めてだったんです。すごく、面白い曲です。楽器の音がホントに蜂の羽音に聞こえるんです。羽音をそのまま、楽譜におこしたのかと思ってしまうほど。
ニーノ・ロータの『8 1/2』も良かった!! なんかアンコールは、私のようなクラシックにあまり詳しくない一般大衆も喜ぶサービス精神に溢れた選曲になっていたように思います。
ラストも『カルメン』だったし。波多江史朗さんの『カルメン』も良かったんですが、派手な『カルメン』も素晴らしかった!! やっぱりこれ好きだなぁ。

という具合に、とても楽しめた2時間でした。映画『ブラス!』を観返したくなりました。前にビデオに録ったんですが、見た後消しちゃったっけかな……。

さて、いい演奏を聴くとやりたくなる恒例の自主練習。当然(笑)やりました(以前書いた仕事の2ヶ月の研修は無事終了)。メンテナンス後の初演奏です。最初はなんだか吹きづらくて「?」と思ったんですが、吹いてるうちに調子良くなってきました。サックスって、ダメな時やいい時の原因が、ほんっとわかりにくいです。吹き始めはやはり、いい音は出にくい。そういえば先生も、吹きはじめてからしばらく経つと「楽器があたたまってきたみたいですね」なんて事をおっしゃっていましたが、「あたたまって」(?)こないと、調子も出ないみたいです。しかし、響の時に書いた感覚は既にわからなくなってしまいました。自分が書いた事なのに、「どうゆうこと?」って感じ。あの時は「何かがつかめた」と思ったんですが、錯覚だったのか。ストラップの長さで音が変わる事は相変わらず同じなんですが、「顎にマウスピースを付ける」っていう状態が我ながらよくわからないのです(爆)。まぁ、今回はそこそこまともな音が出たたので、結果オーライでいいか。ただ、ベスト・ポジションとか姿勢や微妙な角度とかがわからないので、相変わらず「吹いてみないとどうなるかわからない」という状態からは所詮抜け出せていないという事です。サックスってやっぱり奥が深い~。

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