発表会
発表会前の最後の自主練習はカラオケボックスでやる事にしました。近所に新しくカラオケ屋さんが出来たので、ためしにそこで「楽器の練習してもいいですか?」と尋ねてみると、なんと断られてしまいました。がーん。結局いつもの(というか、まだ2回しか利用していないのですが)店へ。久しぶりだったので、念の為「楽器の練習してもいいですか?」と確認を取ってみます。「楽器は何ですか」「サックスです」「どうぞ」とのやりとりがありました。楽器名を聞くって事はダメなものもあるのだろうかと思い、尋ねてみると金管楽器は音が大きいのでアウトなのだとか。じゃあ、トランペットはダメなのかしらん。ちょっと憧れてたのになぁ。どうやらサックスがぎりぎりのラインらしいです。
練習をはじめてしばらくすると電話が鳴りました。「あれ、もうドリンクも注文したし、それも届いているし、何だろう?」と訝しく思いつつも出ると……。「楽器練習のキャンペーン(だったか?)で、お客様にカレーピザが当選しました」と言うではありませんか。びっくりした~。そんな事あるんですね。ピザ食べてから吹くと楽器が汚れてしまうような気がしてイヤだったので、練習後に頂きました。おかげで夕飯代が浮きました。ごちそうさま♪
そして、いよいよ発表会当日!!
本番の3時間前から最終リハーサルが始まりました。他の出演者がやっているのを順番待ちの出演者達が客席に座って見ました。某高校生君が絶不調の様子でした。それを見ながら「うわ、私もあんな風になっちゃったらどうしよう」という不安に駆られたのですが、彼の全くこたえていない様子を見ていたら「そうだよね、失敗したからって別にどうって事ないじゃん」という気持ちが芽生えてきて、いくらか落ち着いて来ました。
そして、私の順番が来ました。前奏に聴き惚れます。「うーん、この前奏ってホントカッコイイ!!」とうっとりしつつ、妙に気持ち良く吹けてしまいました。今迄で一番うまく吹けた感じ。気持ち良かったです。思わずピアノ伴奏付けて下さった方に、「マル・ウォルドロンのピアノそのものって感じで(それって誉め言葉になるのか疑問ですが)、ほんっと素敵で聴き惚れちゃいました。こんな素敵な伴奏で吹けて嬉しいです」と言ってしまった程です。そうしたら社交辞令だとは思うんですが、ピアノの方も「上手に吹いて下さるから」なんて言って下さるではありませんか。「ええっ!?(こんなヘタな私をつかまえて)」とすごく驚いてしまったんですが、無茶苦茶嬉しかったです。ひょっとしたら、サックスの音を聞き慣れてない人の耳にはある程度それっぽく聞こえるのかしらん? と、浮かれる私。もう本番が楽しみになってきちゃいました。←調子に乗りすぎ
前回のリハーサルと違って、本番前のリハーサルは楽しく吹けたし、「この分だと意外と緊張しないかも」と思い始めたんですが、やはり甘くはありませんでした。
本番では恐ろしい事が起こってしまったのです。
ピヒョッ!! 最初の音がいきなり裏返ったような、とんでもない音になってしまったのです。次の音もキーキーかすれてきちんと出ません。もう顔面蒼白。「何が起こってしまったんだろう?」と思いました。「こんな事はありえない。途中で知らない間にリードをどこかにぶつけて傷めてしまったんだろうか? ちゃんとはまっていないのだろうか?」とまじまじとリードを見つめてしまいました。まともな状態だったらこんな音が出る筈ない!! しかし一見したところ、リードには特に問題はなさそうでした。もう絶望的な気持ちです。半ば薄れそうな意識の中でそれでも続きを吹き出したら……なぜか、ちゃんと音が出たのです。「あぁ、リードが悪かったんじゃなかったんだ。私が悪かったんだ。やっぱり緊張してたのかなぁ?」と不思議な気分になりましたが心底ホッとして、気を取り直して吹き続けました。少しずつ緊張感が薄れて行くのがわかりました。正気を取り戻してきたような感じ。徐々に音というよりも音楽に集中出来るようになってきて、そうすると不思議なもので音も良くなってきて、段々と乗ってきて最後はちょっと酔っちゃう程でした。「もっと吹きたかった~」という位(笑)。
ライトも良かったのかもしれません。舞台全体にライトが当たっているわけではなく、奏者にしか当たっていないのです。楽譜にさえライトが当たっていない。リハーサルの最初は「うわ、楽譜が見えない、どうしよう」と思ったのですが、実は暗譜していて、でもどこを見てよいかわからないのでとりあえず楽譜を見るフリをする事にした位なのです。だから、楽譜が見えないのはさほど問題ではないし、暗いライトで客席の顔が見えないのが好都合でした。顔見たら絶対上がっちゃう。
という訳で、まぁ、初めてのソロ演奏としてはまずまずの出来だったと思います。後半もちょっと間違った所があるんですが、それは「軽く省略しちゃった」という程度なので、初めて聴いた人にはおそらくわからないミスだと思います。最初の数秒についてはもう仕方ない。「練習不足で失敗」とかだったら悔いが残るけれど、あの失敗は心理的なミスなので、練習してどうこう出来る物ではなかったと思います。……うーん……でも、やっぱり悔しいかな。来年リベンジだっ!!
先生には「最初やっぱり緊張しちゃいました?」と聞かれました。「あんな音、ホント久しぶりですよね~」とも言われてしまった。「もう無茶苦茶緊張しました!!」と答えましたが、緊張してる事も自覚出来ない変なテンションでした(^^;)。
友達が聴きに来てくれたのですが、なんと遅刻して私のミスした部分は聴いていないらしいです(笑)。しかも曲の途中だったので中に入れてもらえず、ロビーでモニターを見ていたとの事。ほっとしたような残念なような。
弟も来てくれました。彼は「最初どうなる事かと思ったけれど、あとはすごく良かった」と言ってくれて、嬉しかった。私には最初の数秒が物凄く長い時間に思えたのですが、他の人からみるとそれ程長い時間ではなかったらしいです。母親も、場所などは教えていなかったのに弟に聞いたらしく来ていました。しかし母親はダメ出しの嵐。「なんで、もっとお洒落して出なかったの?」から始まって、シャツからジーンズ、髪型まで全て文句を言われてしまいました。音楽の事はそっちのけ。マイッタ。
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