スキップ
北村薫さんの『スキップ』を読みました。
『ハウルの動く城』は、18歳の女の子が90歳の老婆に変えられてしまう話ですが、こちらは17歳の女の子が42歳に変わってしまう話。別に『ハウル…』を観たからこれを読もうと思った訳ではなくて、あくまで偶然なんですけど。
ヒロインがどうして42歳になってしまったかは結局最後までわからないのですが、17歳の少女があっという間に42歳になるという感覚はわからないでもない。だって、私もついこの前まで17歳だったような気がするもん(おい!!)。そして、ぼやぼやしていたら、あっという間に42歳になっちゃいそうだ……。
最近年を取るのが恐くて仕方ないのですが、そんな気持ちを見透かした神様がこの本に巡り合わせてくれたのかと思ってしまう内容でした(^^;)。
印象に残ったのは、
「ぼくはね、つい最近まで、気持ちはいつまでも若いのに、体の方はどうしてこんなにいうことを聞かなくなるんだろう、と思っていた。(略)
ところがね、最近、そんなことはなかった、それは錯覚だった、と思い知ったんだ。(略)気持ちは同じつもりでいても、時の波の間を泳いで行く間に、実は、その気持ちの――向きが少しずつずれて行くんだな。自分では、それと気がつかない内にね。(略)そのずれが、あんまりいいものじゃあないと思ったから、少しずつ、元にもどそうとしている」
というくだり。
『ハウル…』のヒロインや、『スキップ』のヒロインが魅力的なのは、見た目は老けても、心が若いからですか? 私も「年を取るのが恐い」なんて怯えるよりは、心のずれを直す事に心を砕くべきなのかもしれないけれど……。
うーん、まだちょっと、「よおし、もう年を取る事なんて恐くない。ガッチリ受け止めてやるぜ!!」と思える迄には至りません。修業が足りませんね(^^;)。
* * *
この文章、テレビを付けたまま書いているのですが、『千と千尋の神隠し』をやっています。
「映画館でも観たし、前にテレビで放映された時も観たから、もうあまり真剣に観なくていいや」という感じなのですが、凛々しいハクを見ると、どうもハウルを連想しちゃっていけません。「もう一度ハウルに会いたい」と思ってしまう。
おおっ、ハウルの劇場用予告編を放映してくれるらしい。やった!!
……って、この予告編を映画館で観た時は、全然期待してなかったのになぁ。
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