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2005.06.14

新選組 幕末の青嵐

ブログによると、『新選組血風録』を読んだのが5月14日だったようです(ブログって、まさに覚え書きにピッタリですね)。
今日が6月14日。あれから丁度一ヶ月経ったわけです。この一月、新選組関連本を読みまくりました。そして7冊目(漫画とムック本は除く)の本、『新選組 幕末の青嵐』を読み終えました。

新選組幕末の青嵐これは私にしては凄い事かも。小学生の頃はそこそこ読書好きでしたが、年を取るにつれ読まなくなり、今じゃ一年に七冊読むかも疑わしい。そんな私が一月で七冊です。しかも新選組の本ばかり。いかに非常事態だったかが、わかるというものです。
で、この『幕末の青嵐』という本、
すっごい面白かった〜〜〜っ!!
別に私はマニアになる気もないので、適当な所で新選組本漁りからは足を洗おうと思っていたのですが、洗わなくて本当に良かった(^^;)。

読み終えたくありませんでした。でも、すっごい読みやすいので、ガンガン進んでしまった。読み出したら止まらないのです。ずっと家に引きこもって読んでいたかった(持ち運ぶには大き過ぎる)。出かけても続きが気になるから、早く帰宅したくて仕方なかった。全く魔力のある本でした。残りのページ数が少なくなるのがちょっぴり辛かった。「うわぁ、あとこれしか残ってない。もっと読んでたいのにぃ」と寂しくなるのです。こんな気持にさせられた本は久しぶり。あぁ、読み終わっちゃって残念だぁ。

どこが良かったんだろう?

しつこいようですが、まず読みやすい。
なんか時代小説っぽくありませんでした。作者が若いんでしょうか? 近くで語ってくれているように感じました。重みは足りないのかも知れませんが、わかりやすいし、共感しやすかったです。

主役がいない所も良かった。
1人が主役だと、その人に感情移入出来ないとアウトですが、これは次々変わってゆくので飽きません。それに新選組には個性豊かな人がたくさんいるんだから、使えるだけ使わなきゃ損です(笑)。

そして、内面に踏み込んでいるのが良かった。
これは好みが分かれる所かも知れません。独白形式で、登場人物それぞれの気持が語られるのです。語っちゃってるから、これまたわかりやすいし、私は面白かったのですが、想像する楽しみが失せると感じる人もいるかも。
そして難を言えば、この独白に悪口や愚痴がちょっと多い。
確かに芹沢には皆辟易していただろうし、武田が嫌われていたのも有名な話だし、リアルなんですけど、読んでて気持ちの良い物ではないので「そこまでページを割かなくても」とは感じました。
悪口は気持ち良くないけれど、逆(ん? 「悪口」の反対語って何?)は読んでてすごーく気持ちが良くて、「土方はやっぱり凄い」とか「永倉を見るのが面白い」とか「あの時の近藤の姿は実に見事だった」「山南は濁りのない湧き水のようだ」なーんていうのを読むと、顔がほころんでしまいました。

あと、なぜか笑えた。
別に面白いセリフじゃないのですが、「ここでそれを言うか」みたいな何とも言えないおかしさに吹き出してしまう事が2〜3回ありました。まざまざと光景が目に浮かんで、会話の「間」みたいな物までくっきりと想像出来てしまった事にびっくり。役者の演技を見て、そういうおかしさを感じる事はありますが、小説であんな風に笑えた事は珍しくて、これも心地良かったです。

それと、土方・沖田がすごく良かった。『燃えよ剣』の土方よりも、この小説の土方の方が私は好きです。もう、ラストは涙・涙でした。
そして、沖田の翳りの無さといったら!! あー、私もあの沖田のように生きたいなぁ、労咳にはならずに。
斎藤も結構良かったんですが、私の好きな「義理堅い斎藤像」とは異なっていました。どちらかといえば、『壬生義士伝』の佐藤浩市さんに近かったかな。

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コメント

「山南は○○のようだ」‥‥?なんだろう
らっきょうとか?
(それは堺・山南だけですよね‥‥^_^;)

あと「労咳にならない沖田なんて沖田じゃないじゃん!」
と突っ込ませていただきます(^^)

おもしろそうだ〜!

投稿: ヒロ | 2005.06.15 21:40

>らっきょうとか?

きゃはは。違う違う。
誉め言葉です。
今、本文ちょっと直してみました。○○となっていた所を色変えて答えを入れてあります。マウスでなぞって反転させると読めると思います。伏せ字にする程の物でもないのですが、とてもいい表現ですよ♪

あ、この小説の沖田も史実通り、ちゃんと労咳になります。
誤解与えちゃったかな。

投稿: YAGI節 | 2005.06.16 00:25

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