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2005.07.07

新選組藤堂平助

6月22日に「隊士がバトンを回されたら」なんていうふざけた記事をアップしてしまいましたが、その時どうしてもイメージが沸かなかったのが藤堂平助でした。隊士の描かれ方って本によってかなり違いますが、特に平助は差が大きいのでどうも想像出来ないのです。そんな藤堂平助の本質に迫るべく手に取ったのが、秋山香乃さんの『新選組藤堂平助』という本。ちなみに、アマゾンで「藤堂平助」と入れて検索すると2冊しかヒットしませんでした。うーむ、斎藤一以上にマイナーな存在なのね。

新選組藤堂平助しかし、これで平助の実像に迫ろうとしたのは間違いでした。フィクション度がかなり高い印象です。
でも面白かった。「ああ、こういう場面読みたかった!!」というシーンが満載なのです。あきらかに創作なのですが(^^;)。
たとえば、
稽古とはいえ、沖田と斎藤が戦うシーンがあります。これは新選組ファンだったら、是非見てみたい対戦ですよね〜。タイムマシーンがあったら、私は血みどろの池田屋事件よりも、むしろ沖田vs斎藤の稽古の方が見てみたい。
斎藤を一目見た沖田に「あの人、すごいよ。負けるかもしれないなあ」と言わせた所にも斎藤ファンとしてはニンマリ。「剣を構えてもいないのに、そんな事がわかる?」と訝りながらも、「いや、沖田なら普段の斎藤を見ただけで、その強さがわかるのかも♪」なんて思っちゃいました。劇画っぽい?

斎藤といえば、御陵衛士になった平助を救おうと奮闘する場面があります。それも「フィクションだよね」と思いつつも、「こんな斎藤も見てみたい」と思わせるようなシーンでした。
斎藤の新選組加入の経緯も、他の小説とは少し違っています。「有り得なくはないけれど、可能性が低そう。でも、もしこうだったら後の行動も納得が行く」といった感じに、史実と創作をうまい具合に絡めています。

あ、斎藤の事ばかり書いちゃった。失礼しました。

えっと、山南と土方の間がぎくしゃくした原因は独特の説が展開されているし、平助と土方との出会いも「そんな出会い方ってあり〜?」と突っ込みたくなるような突飛な感じ。平助が某大物をわざと逃がしたというエピソードも、「こんな展開にしちゃっていいの?」という感じではありますが、創作ならではの面白さ全開って感じですね。作者は想像力が豊かな方なんだろうなぁ。

この作品はエンターテイメント作品って感じかな。読者を喜ばせようという工夫が随所に見られるので読みやすい。そして、本人も楽しんで書いてる感じがします。好きなように、都合の良いように書いているという感じも。そして、それを一緒に楽しめるのは女性かもしれないなぁ。ここで描かれている平助は、時代小説の主人公にしては中性的でナイーブ過ぎる気もするし。

主人公が短命なので、描かれている年数は短いです。その分密度は濃い。他の新選組本と比べると、長州や薩摩の状況がじっくり書かれているのが、その辺の知識が足りない私にはありがたかったです。

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