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2005.08.13

紅の肖像―土方歳三

今迄読んだ新選組関連本の中でもっとも気に入っているのは、『新選組 幕末の青嵐』なのですが、アマゾンでこれを調べてみると、「あわせて買いたい」という欄に『紅の肖像―土方歳三』という作品が紹介されていました。「『幕末の青嵐』が好きな人はこれも気に入るって事?」と興味を魅かれて『紅の肖像』の紹介ページ(書評)をチェックしてみると、賛否両論のすごい事になってました。ますます気になります。
読んでみました。

紅の肖像―土方歳三なるほど、賛否両論になるわけだ。

長所と短所、それぞれ目立つ作品です。
一番の長所は読みやすい事かな。平易な文章です。時代小説が苦手な人でもサクサク読めそうです。
で、この長所が短所にもなっています。つまり、時代小説っぽくないのです。のけぞったのは、

「戦いにおいては何ら臆することのない土方であったが、これには少々ビビった」

という一文。こちらこそビビりました。
「あの土方がビビるわけないじゃん」という意味ではなくて。時代小説に「ビビる」という言葉が出て来た事に衝撃を受けました。『幕末恋華新選組』の金髪の近藤位の衝撃でした(笑)。

他にも、時代小説の常識を覆す表現が多数。わかりやすくはあるのですが、江戸時代の雰囲気があまり感じられませんでした。主役の土方も、どうも昔の人という感じがしないのです。そこが親しみやすくて良いような気もするけれど、「あの時代の人はこんな風ではないんじゃないだろうか」という軽い違和感のような物も感じたりします。

違和感といえば、「奸賊ばら」って平助(藤堂)が言ってます。御陵衛士の人なら誰もが言いそうですが、平助だけには言って欲しくなかった……。伊東甲子太郎が言うというお約束を、作者はあえて覆したかったのでしょうか?
御陵衛士といえば、服部を斬ったのが斎藤になっていたのもビックリ。まぁ、こちらは強い事の象徴みたいな感じなので斎藤ファンとして悪い気はしませんが、油小路に彼を行かせちゃいますか、そうですか……。

見せ場の作り方は見事です。
土方と沖田の初対面のシーンや、土方が若い沖田に一本(木刀)取られてムキになるシーン、土方と近藤の初対面のシーン、芹沢と斎藤の対戦など、「ああ、それ映像で見たいよ!!」と思わせるようなシーンが多数ありました。そういう面ではとても面白いです。
ただ、せっかくの名シーンなのに、あっさりし過ぎている所もあって、もったいない気もしました。
     ★      ★      ★
2008.4.5追記
今さらですが、「ビビる」という言葉を調べてみました。
なんと平安時代から使われていた言葉だそうです。申し訳ありません
しかし、江戸時代には楽屋言葉として芸人の間で使われていたそうですよ。もっとも「関西エリアでは一般にも普及」とあり、京都にいた土方さんはこんな言葉を使っていたのかもしれません(?)。
でも、なーんか違和感はあるなぁ……。
以上、日本語俗語辞書を参考にしました。

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コメント

YAGI節さん、こんばんは。
確かに、時代小説で現代言葉を使われると引いてしまう事あります。
それだけで、感情移入できなくなることも・・汗
幕末恋華・・私も近藤勇(外見と性格)には衝撃を受けましたよ!
嫌いというわけではないのですが、どうも違和感を感じて感情移入できません。
あれ、でも、沖田さんと原田さんは銀髪っぽいけど何とも思わなかったな・・滝汗

投稿: yoo | 2005.08.13 22:44

yooさん、こんばんは。

近藤勇に関しては、新選組にそれ程興味のなかった一昨年の私でさえ、
「えーっ、香取慎吾が近藤? イメージ違うよ〜」と思っちゃいました。
どうも渋い中年のイメージが強かったです。実際は若くて亡くなったのに。イメージって恐いですね。
香取さんの近藤には全く違和感なくなりましたが(っていうか、好き)、幕末恋華の近藤には今一感情移入できませんでした。

でも恋華の原田さんはかなり好き〜(笑)。屯所で迷った件には爆笑してしまいました♪

投稿: YAGI節 | 2005.08.16 21:38

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