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2005.09.24

地虫鳴く

今迄読んだ新選組関連本の中で最も好きなのは『新選組 幕末の青嵐』という小説なのですが、その作者である木内昇さんの新作・『地虫鳴く』を読みました。
そしてこれも「新選組お気に入り本・ベスト3」に入れたい一冊となりました。

地虫鳴く『幕末の青嵐』が新選組の表を描いているのに対し、こちらは裏を描いた作品といえそうです。
前作程ではありませんが、こちらも一人称が度々変わります。前回は試衛館メンバーの視点で描かれている事が多かったのですが、今回は阿部十郎・篠原泰之進・尾形俊太郎といったやや地味目な人達の視点で語られています。……大河ドラマで誰が演じていたのか、全く思い出せない3人です(ゴメンナサイ!!)。

『幕末の青嵐』で一人称として登場した人々は新選組に愛着を持っている人ばかりでしたが、この作品は少し違います。
たとえば阿部は新選組の事を冷ややかに見ています。もっとも新選組だけではなくて、全ての物に対してそういう見方をしているというキャラでした―己に対しても。
篠原は完全な伊東派ですから、新選組をあまり好意的に見てはいません。
そして尾形は新選組に非常に忠実ではあるのですが、試衛館組ではないので幹部達との間には距離を感じている模様。近藤や土方の事は仲間というよりも主君(好意的ではある)と思っているんだろうなぁ。
という感じで前作の手法を踏襲しつつもかぶらない、色合いは全く違う、という良い塩梅で書かれています。登場人物が多いのですが、どの人もおざなりにはされていないので信頼して読めます。

新選組の有名なエピソードは前作で登場済みなので、こちらで取り上げられているエピソードはマイナーな物が多いです。それでも面白くしてしまうんだから、この作者すごいなぁ。
薩摩と接点を持ちたくて仕方ない伊東甲子太郎が吉井幸輔と対談するシーンなんて、息呑んじゃいました。
いや、引き込まれる部分だらけで挙げ出したらキリがないんですけどね。

試衛館組の話も全くないという訳ではありません、特に土方の名前は頻繁に出て来ます。土方本人が活躍するシーンはそれ程多くないのですが、皆が土方の影を常に強く意識しているという感じで。やっぱり「新選組といえば土方」なんですねぇ。
気になる斎藤さんも結構出てきます。「谷を斬ったのが斎藤さんではない」という設定は嬉しかったし、斬ったと思われる人を追い詰める様も爽快でした。カマかけちゃったりする辺り、古畑任三郎みたいだったよ(違)。

いや〜、「ホントお見事」と言いたい作品でした。これから好きな小説家を尋ねられたら、「木内昇さん」って答えちゃおうかな。2冊しか読んでないけど(^^;)。

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