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2005.11.26

俳遊の人・土方歳三

当たり前ですが、小説家の方って文章がお上手ですよね。
唸ったり、「面白い文だなぁ」と思う事も多い。
一方、「研究家」と呼ばれる方には必ずしも文才があるとは限りません。
「事実は小説より奇なり」って感じで、面白い史実本もありますが、退屈しちゃうような史実本がある事も否めません。

俳遊の人・土方歳三 句と詩歌が語る新選組 PHP新書が、これは面白かった♪

この本の著者は国文学者。
タイトルからも想像は出来ましたが、今迄読んだ史実本とは感じが全く違ってました。
一言で表現すれば、「土方の発句(と近藤勇の漢詩)を解説している本」という事になるんでしょうけれど、個人的には脱線部分が楽しかった。三大道場+試衛館の特徴を実にわかりやすく書いていて、「千葉道場はダブルスクールにピッタリだった」なんていう話には「なるほど〜」と思わされました。でもそういう本題とは関係ない脱線話では噛んで含めるようにわかりやすく書いてくれているのに、肝心の句の解説部分が妙にあっさりしてました。先生(著者は大学の教授です)にとっては「こんな簡単な句の説明はくどくどしなくても……」って感じなんでしょうけれど、詩心のない私は「わかりません〜、補講お願いします〜」って感じでした。なんか、落ちこぼれ生徒の気分(とほほ)。

「近藤=バンカラ」
「土方=ハイカラ」
という表現には納得。両者の残した作品から、そんな事までうかがえるみたいです。

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