敗者から見た明治維新
こ、これは凄い本です。
まず、山口や鹿児島出身の方には読ませられないです(汗)。今から百年位前だったら発禁物ではないでしょうか? 今だから発売出来る、っていうか、今でもこれを読んで怒る人がいそうな気がするのですが。ここまで薩長を悪く書いてある本は初めて読みました。
今の私は戊辰戦争については、どっちもどっちだと思っています。
どちら側にもそれぞれ信じる所があって、どちらが悪いとは言い切れないんじゃないかなと(殆どの戦争がそうなのかも知れませんが)。
私は新選組が好きですが、私が好きな「三谷さんが描く新選組像」が必ずしも真実だとはさすがに思ってなくて、「美化してるだろうな」とは感じています。
そんな私も昔は新選組が好きではありませんでした。
「なんだかんだ言ったって、やってた事は殺人でしょ」
と冷ややかに見ていたような気がします。
でも、「恐怖の殺人集団」って、勝者側(勝てば官軍です)に作られたイメージだったのかも知れません。
新選組を好きになってから知った事といえば、
「思った程は人を斬ってない」
という事です。(粛清・切腹などで死ぬ人が多いのは思ってた以上ですが)
新選組が警察みたいな存在だったと知ったのも、新選組好きになってからです(それは無知過ぎか、すみません)。
で、そういった偏見は恐らく、官軍側が残した記録による物のせいだと思う今日この頃です。「○○を読んでそういうイメージを持った」というのがある訳ではないけれど、子供の頃は「新選組って恐い」って思ってたんですよね〜、わけもわからず。
NHKの大河ドラマでも、三谷さんが描くまで新選組は主役になってません。
ドラマや映画にはメインで取り上げられてはいたけれど、大河ではなかったんですよ。
正義のヒーローだったら、大河の主役になって良かった筈なのに。
そういえば、『新選組!』の総集編では、みつさんの近所の子供達が新選組を悪役にしたチャンバラをやっていたしなぁ(泣)。昔は近藤勇は「悪の権化」(←みつさんの表現)というイメージだったのでしょうね。時代と共にそういうイメージは薄れたとはいえ、私にも知らぬ間にちょこっと伝わっていたのかもしれません。
が、
もし、戊辰戦争で幕府軍が勝っていたら、こんな事にはならなかったでしょう。
当然、新選組はヒーローですよ。
巷にはきっとこの本みたいな物ばかりが出た事でしょう。そして単純な私は、
「幕府軍=正義、薩長=悪」
という感想を持った事でしょう。
立場が違えば書くことも違う。真実を見極める事というのは本当に難しい事です。こうなると、「全てを疑え」って事になっちゃいますね。
っていうか、所詮、真実を知ってる人なんてほんの一握りの人なんだろうけど。
今、「史実」と思っている事は、誤解や勘違いや嘘の積み重ねかも知れない。
という事で、この本に書いてある事も疑いつつ読み進めてみたのですが、それでも「薩長ひどいな」と思ってしまう。
薩長ひどいのか?
でも、別の本には「西郷隆盛には私欲は無かった」って書いてあったよね。『るろうに剣心』の大久保利通も、「私欲に走ったら斬る」と言っていた斎藤さんが斬らない位だから悪い事してないよね?……って、漫画の話かよ(爆)。
いや、ホント衝撃作でした。
で、ますます会津が好きになりました。……結局、警戒しつつも単純な私(爆)。
いえ、会津好きは今に始まった事じゃないんですってば!!……美化しているとは思いますけどね(笑)。
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コメント
初めまして。
rockerさんとこからなんとなくきました。
新撰組、あたしも大好きなんですよ。
大河からですけども。。
それで、「敗者から見た〜」てタイトルに惹かれて初コメントです。
どっちにしても、「勝てば官軍」なんですよね〜;
こんな歴史の積み重ねで、けっこうおかしくなってる部分ってのはけっこうあると思います。
紹介されてる本、また店で探してみます。
投稿: しおり | 2006.03.17 13:25
しおりさん、はじめまして。
コメント、ありがとうございます。
しおりさんも新選組、お好きですかっ!! きゃーきゃー(喜)。
ぜひ、これからも新選組話にお付き合い下さい。よろしくお願いします。
私も好きになったのは大河からで、「なんで今頃」と我ながら呆れてますが、ホントあれ、面白かったんですよね〜。
「勝てば官軍」って、つくづく上手い言葉だと思います。
「やっぱ、勝たなきゃダメなのね」と思いつつも、判官びいきかもしれない私でした。
投稿: YAGI節 | 2006.03.18 01:37