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2006.09.01

去年の捕手は後に逸らさなかった

今や高校野球ファンの皆さんの関心事は日米野球でしょうか?

という訳で、タイミングを外した感は否めないのですが、ようやくNHKスペシャル『熱闘612球〜早実vs駒大苫小牧』を見ました。とても良かったので、感想文のような物を書いてみたいと思います。

高校野球ネタ続きで「しつこいかな〜」とは思うんですけどね、野球の試合でこんなに感動したのは、1988年の10月19日(近鉄vsロッテ戦)以来かもしれないので……って、それ、斎藤投手が生まれた年だよ(がーん)。

私が一番高校野球にハマっていたのは小・中学生の頃。
今でも野球は好きですが、あの頃のような感動はもう味わえないと思っていました。
それが、こんなに感動する試合と出会えるとは……。

NHKスペシャルの中で一番印象的だったのは早実バッテリーの話です。以前ここでもキャッチャー白川選手の働きについて書きましたが(白川選手が斎藤投手の1学年下と勘違いした事を書いてしまったので、そこは直しておきました、すみません)、そんな白川選手の活躍の影にはやはりドラマがあったのですね(涙)。
なんと斎藤投手、白川選手にこう言ったそうです。

「去年のキャッチャーはもっと努力して、一球も後ろに逸らさなかったよ」

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「自分もホント辛かったんですけど」と斎藤投手。
ううむ、言う方も言われる方も辛いでしょう……。

白川選手は2年になってから投手から捕手へ転向したそうです。
「ピッチャーから野手に転向」というのはよく聞く話ですが、キャッチャーへのコンバートって、あまり多くはなさそう。しかも、2年になってからって遅くないですか??? 「そりゃ、後逸もするさ」って思います。2年の秋の大会で駒大苫小牧と対戦した時の映像が出ていましたが、大事な所で後逸してました。
駒苫側には「キャッチャーが穴」と思われていたかも知れません。今回の決勝の大事な所で本間篤選手が三盗して驚かされました(走るケースだとは思わず、私的には意表を衝かれた思いでした)が、あれは「秋の今一だった白川選手」の残像が駒苫側にあったが故の動きだったと考えれば納得が行きます。

しかし今夏の白川選手は、秋の白川選手とは別人になっていたのです。前に落とす事はあっても後逸はナシ。体に当てても決して後ろには逸らしませんでした。
私、「春と比べると、斎藤投手の成長ぶりって著しいなぁ」と思ったのですが、白川選手の成長ぶりも凄かったんですね。皆が刺激しあって成長しているのかも。

圧巻は決勝戦初日の11回表・1アウト満塁でスクイズを仕掛けられた場面!!
「自分が足を上げた時に(三塁)ランナーが走って来るのが見えた」と急遽ワンバウンドのボールを投げた斎藤投手ですが、

「白川なら何としても止めてくれるっていう気持がありました」

って言ったのです。言わしめたのです。
こういう信頼関係って、すごい好きです。
そして、白川選手も

「自分が今迄やってきた事に自信を持っているので、後ろに逸らす不安は全く無かったです」

とキッパリ。

【重版予約】 2006甲子園 Heroes「あれだけ練習したんだから、失敗する筈がない」と思える程の練習って相当な物だと思います。実際、かなりの特訓をやったそうです。そして特訓のモチベーションの一つは、今日のタイトルにもした斎藤投手の言葉だったのかな、なんて思うのです。
そんな事言われたら、腐ってダメになっちゃう人もいるかも知れない。でも、白川選手はホント前向きに頑張ったみたいです。
「いいピッチャーには、いいキャッチャーが付かないとバッテリー間として成り立たないので自分がまず頑張らないといけないと思った」との事。投手経験者だから投手の気持ちはよくわかっていそう。

やっぱり野球って一人が頑張ってもダメなんですよね、皆が心を合わせて頑張って初めて優勝出来るんですよね〜。

白川選手の早実での野球生活って辛い事だらけだったんじゃないだろうか? でも、最後に優勝して、報われて本当に良かったと思います。

と、早実サイドに偏ってしまいましたが、実はあの駒苫のスクイズ失敗した選手も……NHKスペシャルでは取り上げられていなかったけれど、私の中では印象に残ってます。
決勝の一日目は打撃不振でスタメンから外されてしまったそうなんですが、ようやく出番が回って来たと思ったらスクイズ失敗。「うわっ、これはショックだろうな」と思っていたら、直後にヒットを放ちました。「ここで打っても」と球場は微妙な空気でしたが、あそこはあっさり引き下がれなかったのでしょうね。で、次の打席でもヒット打って、盗塁まで決めるという活躍ぶり。翌日はスタメン復帰を果たし、ヒットも打ってます。2日間で6打数3安打。立派な成績です。
試合が終わった今、彼はどんな気持ちでいるのでしょう?
「斎藤投手からヒット3本打った」という勝利感より、「スクイズ出来なかった」という敗北感が勝るのか? まぁ、あの球をスクイズするのは無理だと思いますが。「スクイズじゃなく、打てのサインだったら…」なんて思うのかなぁ?

それにしても名場面だらけの試合でした。
良かった場面を書きだしたら、きりがなくなっちゃう感じで。
こんな試合をリアルタイムで見られて幸せに思います。

ところで、
かつて高校野球にハマっていた頃の私はスコアブックを付けながら試合を見てました。
Scoネットで観られたasahi.comやヤフーの一球毎の詳細なデータは素晴らしい物で感動しましたが、打者毎にウィンドウを開いたりしなければならないのが面倒です。それに比べて昔ながらのスコアブックだと、試合の大まかな流れが一目でわかるのが便利。
という訳で、今回の素晴らしい試合をスコアブックに残しておく事にしました。といっても、2試合だけの為にわざわざノートを買うのもイヤなので、スコアブックのテンプレートがネットにないか探してみました。
すると、テンプレートだけではなく、スコアをパソコンで付けられるフリーソフト(野球伝説)が公開されていました。いやぁ、インターネットって便利だなぁ。

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