六月大歌舞伎
片岡愛之助さん目当てです。
3階でもさすがに最前列だと、いいですね〜♪
花道は見えないものの、舞台はバッチリ見えました。歌舞伎座で人の頭に煩わされなかった事ってあまり無いからホント嬉しい。
それでは、演目毎の感想を書いてみたいと思います。
◆元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
実は、幕見にしようと思っていた理由は「コレは観なくてもいいかな」と思ったから。
私、この1年で『元禄忠臣蔵』(1回)と『仮名手本忠臣蔵』(昼2回・夜1回)と忠臣蔵だけの為に4回も劇場に足を運んでいるんです。忠臣蔵好きな私ではありますが、「トゥーマッチ」状態。
しかも、「御浜御殿綱豊卿」の場面は過去2回観ているのですが、どちらも眠気と格闘しました。人気の部分らしいのですが、あまり動きが無いので私は退屈しちゃうみたいです。
しかし!!
観て良かったです。遅まきながら、人気の秘密がようやくわかって来た気がします。面白かった!!
そういえば、愛之助さんが、以前イヤホンガイドで「歌舞伎は同じ演目を3回観ると良い」みたいな事をおっしゃっていたっけ。その時私は、「いや無理だから。そんなお金持ちじゃないし。同じ演目を観る金銭的余裕があれば、他の演目のチケットを買います……」なんて思ったのですが、確かに3回観たら発見がありましたね〜。
新井勘解由と綱豊卿の語らいのシーンは相変わらず、退屈してしまいました。
なぜか気づくとセリフをいくつも聞き逃しているのです。寝ていたわけじゃないですよ!! 今回は過去2回と違って睡魔には襲われなかったのですが、なんか集中出来ないんです。「聞き逃す」というよりは聞き流してしまうという感じかな? 難しい話をしてるので、「わかんなくて当たり前」みたいに諦めているフシがありつつ、その反面、「ああ、知ってる、知ってる」と流そうとしているフシもあるかも。矛盾している私……。
富森助右衛門が出て来ると一気に面白くなってきます。
初めて見た時は勘太郎さんが演じてました。あの時も勘太郎さんのコミカルな演技(とシリアスな演技も)にはとても楽しませてもらったのですが、まだ状況がイマイチ把握しきれていませんでした。しかし今回は状況がわかったのでより面白いし、何より綱豊までもが面白かった!! 「綱豊が面白い」というのが今回の発見です。
今回の綱豊は片岡仁左衛門さん。
いや〜、やっぱり、仁左衛門さん、好きですね。カッコいいし、面白い。仁左衛門さん扮する綱豊が助右衛門(今回は市川染五郎さん)をからかう様は頬緩みっぱなしで観ちゃいました。途中でキリッとした顔に変わるのですが、そのギャップがまたいいんですよね〜。2人のやりとりにはホント引き込まれました。仁左衛門さんは能の扮装も似合いまくりだし、槍をひらりひらりとかわす姿もステキ過ぎ。
◆盲長屋梅加賀鳶(めくらながやうめがかがとび)
いよいよ愛之助さん登場!!
……と思ったら、出番少なかった。
しかも、本筋には関係ない感じ。「ちょっと顔見せときまーす」ってなノリでしかないです(涙)。役名は「昼ッ子尾之吉」なんていう、いかにもなんかやらかしてくれそうな弾けた名前なのに〜。他の幕では活躍する人なのかしらん? 火消しなんですが、他の火消しと違って一人で白塗りだったし。
ちなみに上(左)の写真、チラシを撮った物なのですが、丁度愛之助さんの部分に折り目を付けてしまいました。しまった。
愛之助さんを観る分には物足りない物でしたが、お芝居自体は面白かったです。松本幸四郎さんの小悪党ぶりに大笑い。
隣の席の人が「あんまり歌舞伎らしくない」と言っていました。確かにそうかも。逆に歌舞伎に興味無い人も楽しめそうです。捕物シーンはパントマイムで笑わせてるような感じでした。
どうでも良い事かも知れませんが、この長屋のあった場所が本郷という設定で、「樋口一葉が住んでいた辺り」なんて事をイヤホンガイドの方がおっしゃっていました。思わず「つまり、斎藤一さんの住んでた辺りじゃーん!!」と妙に嬉しくなってしまった私です(^^;)。
◆船弁慶(ふなべんけい)
染五郎さんの女役初めて見ました。静御前と平知盛の二役をやっていました。
元は能楽作品との事で、静御前の衣装の感じは今迄観た静(『義経千本桜』)のイメージとは随分違っていました。能っぽい衣装です。双眼鏡使わないと静も能面付けてるように見えました。……って、能の事はよく知りませんが。あくまでイメージです。
しかし、今回は「高麗屋まつり」といった趣(^^;)。
幸四郎さんと染五郎さんがいいとこ取っちゃってる感じでした。
吉右衛門さんもいい役ですね〜。吉右衛門さんは播磨屋ですが。
| 固定リンク
コメント