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2007.12.22

新選組二千二百四十五日

また「新選組の本が読みたいなぁ」と思い、某図書館のホームページで「新選組」で検索し、出版年を「2007年以降」と絞り込んでみたら6冊ヒットしました。
うち二冊は既読、一冊はシリーズ物で途中から読むのもどうかと思ったので除外、そして残った三冊のうち二冊が伊東成郎さんの本でした。
そのうちの一冊『新選組二千二百四十五日』を借りてみました。
これ、いい〜♪新選組二千二百四十五日 (新潮文庫 い 87-1)新選組通史本です。
なんて書くと、「ありがち」と言われそうですが、中身充実してます。
古い本には載ってないような新しめの発見も載ってるし、読みやすいのに、密度は濃い。図書館に返したくないなぁ(笑)。
新選組本結構読んできたつもりですが、これには知らない事結構載ってました。
もっとも私の場合、「以前別の本で読んだけど忘れてしまった」って事も多そうですが(恥)。

面白かったのは「豊玉(土方歳三)発句集」の人気投票(笑)。
好きな句ベスト10が載ってました。結果は、納得いくようないかないような。

あと、池田屋事件の時に出動出来る隊士の数が少なかった事について。
私は「体調不良の隊士が多かった」と思ってました。そういう記述の本、多いですよね。しかし、この本では当時の総員そのものが少なかったと記されてます。約四十名だって。ただ、故郷には「隊士百名」って手紙書いちゃってるし、対外的には四十名という数字は隠したかったというのです。見栄張っちゃってた模様。
確かに、「ちょっとおかしいかも」と思った事はあるんですよね〜。でも、阿比類が病原菌ばらまいたのかとか、考えちゃいました(違)。お腹壊してる人が多かったという話もどっかで見たような(自信なし)。松本良順が健康診断に来た時も、重症ではないけれど軽くアウトな人は相当いたみたいだし、なかなかフル稼働出来ない状態だったのかなと納得してたんですけどね〜。びっくりでした。

印象的だったのは、徳川慶喜が、狙撃された近藤勇に見舞いとして愛用の寝具を贈ったという話。これ、知らなかったです〜。将軍が愛用の寝具を贈るって、なんか凄くないですか? そんな事って、そうそうある事じゃないような気もするのですが。慶喜、いいとこあるじゃん!!
巻末には伊東成郎さんと菊地明さんの対談が載っていたのですが、「(慶喜が)新選組を好きだったことは様々な資料からうかがえます」とおっしゃってました。
え〜、慶喜、新選組の事、好きだったの〜!?
(私にとっては)衝撃の事実でしたが、でも嬉しい。そういえば『風光る』の慶喜も新選組の事好きそうだったよ(笑)。

と、一部では人気の新選組ですが、やはり押し借り商家には嫌われていたらしく平野屋武兵衛は日記に「壬生の泥棒浪士」なんて書いているそうです。むきーっ。
う〜っ、以前ここに嬉々として平野屋の跡地の写真を載せちゃったのに〜。

そして、もう一つ「へぇ」と思ったのは斎藤一諾斎の話。
『燃えよ剣』で斎藤一が史実に反して蝦夷に行っているのは、この似た名前の隊士・斎藤一諾斎のせいです(^^;)。だからてっきり斎藤一諾斎は蝦夷に行ったのかと思っていたら、仙台で別れていたそうです。なんだ〜、完璧な創作か〜。
あ、左右田一平さん演じる斎藤一が、佐藤彦五郎家を訪れるシーンに違和感を覚えた私ですが、斎藤一諾斎は佐藤家には行ってるそうです、っていうか深い交流があったのだとか。

あ、あと、近藤の「公開斬首→晒し首」って、本当に可哀想な最期だと思うのですが、土佐の谷干城は「洛中引き回して処刑」という更にヒドイ事を考えていたそうです〜。
この人、『獅子の棲む国』で結構良い風に描かれていたので、ショックでした……。まぁ、坂本龍馬を斬ったのが新選組だと思い込んでいたせいなのですけど。 大石鍬次郎も龍馬殺害の疑いで厳しい取り調べを受け、牢獄に入れられたんですよね〜。龍馬の死は、色々な所に思わぬ波紋を広げていたようです。(ただし大石の処刑理由は伊東甲子太郎殺害)
そういえば、先日行った小島資料館に大石が牢獄で記した書が展示されていました。大石が筆を持つイメージってあまり無かったので、興味深く見ました……。

と、トリビアは他にも色々あったのですが、きりがないので、あとはぜひ本をお読み下さい。

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コメント

伊東先生の講演会を何度か拝見しているうちに、
すっかり伊東センセファンになり、
読まなきゃー!と思っていたところでした。
ただ…本のノルマが多すぎて、どう考えても
伊東本は来年になりそうですが(苦笑)。

伊東先生は木○氏と違って、想像を一切書かずに裏が取れたものだけを
きちんと書いて下さるので、個人的に超信頼しています♪
来年も本のノルマが山積みです〜!(泣笑)

投稿: Aki_1031 | 2007.12.25 13:31

Akiさん
伊東さん、お話もお上手なのですか。
この本も面白かったし、寒い今になってみると、あの暑い日のトークショーに行かなかった事が悔やまれないでもないのですが、またきっとやると信じて楽しみに待つ事にします。

木○氏……、誰だろう……?
あ、いえ、お答え下さらなくて良いです(笑)。

>来年も本のノルマが山積みです〜!(泣笑)

Akiさんの読書量はホントすごいですよね〜。
私はその数分の一位のペースになりそうですが(^^;)、来年も読書を楽しみたいと思います♪

投稿: YAGI節 | 2007.12.26 01:01

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