汚れつちまつた悲しみに……
相変わらず毎日楽しく『にほんごであそぼ』を見ているのですが、今日は初めて悲しかった〜。
なんと、今日取り上げられていたのは中原中也の詩ですよ。『汚れつちまつた悲しみに……』ですよ。
これ、本当に子供向けの番組かな?
この詩、さすがにタイトル位は知ってましたが、恥ずかしながら、じっくり読んだ事はありませんでした。とても印象的な詩ですね。
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘(かはごろも)
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気(おぢけ)づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる……
青空文庫より
途中で風船がアップになるのですが、その風船の中に誰かが入っているのか、激しくもがくように動きます。しかし、「倦怠のうちに死を夢む」のくだりで、ぱたっと動かなくなってしまう。その時の野村萬斎さんの言い方も、とても空しい感じで、どうしようもなく悲しくなってしまうのです。いつまでも余韻が残ってしまう。
なんて切ない詩なんだろう。はう〜……。
自分の解釈は間違っているかもしれないし、勘違いかも知れないけれど、この悲しみが痛いほどわかるような気がする。
私の悲しみも汚れているかも知れないなぁ。
狐の革裘なんて見た事ないのですが、なんだか目に浮かぶよう。
それにしても、「どうどう、けろけろ、どうぢやいな」(『法螺侍』)の翌日がこれとは(笑)。
日本語は面白いでござる。
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コメント
あ、YAGI節さんも武士語、使ってるでござるな?(笑)
中原中也、好きなんです〜
、、って言っても、この詩くらいしか知りませんし詳しいことは何も知らないんですが(苦笑)
昔、教科書に載ってたんですね、この人の顔が。
「汚れちまった悲しみ」か、、、詩人ですね(←詩人なんです!)
投稿: あさぎ | 2008.02.21 09:55
あさぎさん
もんじろう、面白いでござるな(笑)。
これ、教科書に載ってましたか。
この詩って、子供にわかるんでしょうか?
子供が倦怠のうちに死を夢みちゃったらヤバいですよね〜(^^;)。
高校の教科書位だったら良いのかな。
あさぎさんは、元気溌剌素直な雰囲気で、こういう詩とは対極のイメージがありましたが、お好きでしたか。意外でした〜。
ホント、心に残る詩ですよね。
投稿: YAGI節 | 2008.02.21 23:50
訂正、訂正(苦笑)
中学だったか高校だったか忘れましたが、教科書に載ってたのは、別の詩(詩の内容はよく覚えてないんですが、、、先生が「この人はこの時少し精神を病んでいたんですね〜」って言ってたのだけ覚えてます)でした。
で、中原中也さんの顔写真が、白黒で載ってました。
YAGI節さんの記事に載ってる写真を白黒にしたって感じのヤツでした。
私、詩の内容どうこうじゃなく(苦笑)単に”汚れちまった悲しみ”っていうフレーズが好きだったって感じです。フフフ、、、
で、”元気溌剌素直な雰囲気”ですか?有難うございます!
嬉しい♪
投稿: あさぎ | 2008.02.22 12:57
元気溌剌素直なあさぎさん
なんか、名文を書く人には精神を病んでいたり、苦しんでる人多いですよね〜。
考え過ぎたり、敏感過ぎるという事なのかな?
良い文章を書くことに憧れていた時期もあったけれど、代償が大きい気がして、「そこそこでいいか」なんて思い直した事があります(^^;)。
>”汚れちまった悲しみ”っていうフレーズが好きだったって感じです
ロックの歌詞にも合いそう♪
投稿: YAGI節 | 2008.02.22 19:32