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2008.03.05

新選組残日録

伊東成郎さんの『新選組残日録』を読んでみました。

新選組残日録感想を一言でいえば……うーん……
マニアック。
伊東成郎さんの本を読むのはこれが三冊目なのですが、そういえば『土方歳三の日記』(ここに感想文あります)で、そのマニアックぶりに付いていけなかった私でした。しかし『新選組二千二百四十五日』が面白かったので、また手を出しちゃったんですよね〜。うーん、伊東さんの本は、「もはや普通の本では満足出来ない」という上級者向けの物が多いんでしょうか。私も試衛館メンバーの事だったら、些細な事でも突っこんで知りたいマニアですが、全ての隊士に対してそこまでの愛情を持っているわけではないので、一部退屈してしまう部分もありました。

とはいえ、興味深い話もたくさんありましたね〜。
たとえば、試衛館の助っ人の話。
試衛館に道場破りが来て相手を出来る適当な人がいない時は、練兵館に助っ人を求めたという話があります。大河ドラマにも出てきましたね♪ これは、史実的な裏づけがあるエピソードではないようなのですが、近藤は一見で相手の技量を見極め、それ相応の助っ人の要請をしたというのです。さすが〜。
毎回違う人を助っ人に頼んでいたという事なのか。

あと、市村辰之助の話。
弟の鉄之助は有名ですが、この兄の辰之助の話というのはあまり目にする事がありません。私は『PEACE MAKER鐵』のあのお兄さんを連想するのみなのですが(^^;)、なんと60メートルの一枚岩を飛び降りたという話があるそうですよ。鞍馬天狗かいっ(爆)。

それから、新政府軍に捕まった近藤勇の助命の為に、勝海舟を訪れた土方歳三に渡された書面。私はアレ、てっきり依頼を受けて勝が新たに書いた物だと思っていたのですが、もともとあった書類だったのですかっ。「大久保大和を助けてあげてね」という具体的な物ではなかったのですね〜(ばか)。『新選組!』展で展示されていたそうですが、知りませんでした……。
っていうか、今久々に『新選組!』の最終回を見返してみたら、勝と土方が語っているシーンはあったけど、「近藤を助けになんか行くんじゃないぞ」なんて、たしなめられてる? 書面渡してない〜(驚)。
最近勝邸跡地を訪れたので、この辺は興味津々でした。

以前あさぎさんにコメント欄で教えて頂いた土方の子供の話も、載っていました。
「狎妾(愛妾)との間に女児をもうけたものの、夭折」との事です。
で、その愛妾というのが、誰だかはわからないのですが、上七軒町の芸妓君寉(きみつる)なのではないかという考察が載っていました。「君鶴」という名前は見た事あったけど、この漢字は初めて見たかも。でも多分同一人物ですよね……? で、土方の甥がこの君寉に会いに行った事があるけれど、その時は既に亡くなっていたのだそうです。
ちなみに土方は君寉の事を妻とは定めなかったそうです。「明日をも知れぬ我が身を思い、愛するひとのその後を慮ったゆえからかもしれない」とあり、思わず『銀魂』の土方十四郎を連想した私です(笑)。

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コメント

土方さんの妻子について。

そうそう!
君鶴かも?っていう説が有力なんですよね〜
「オレってば、モテ過ぎちゃってさ〜 困ってんだよね〜 ○○の◇◇太夫だろ〜?それに、△△の□□太夫だろ〜、、、」って手紙にも君鶴の名前、有りましたよね〜 確かそうだったと、思うんですが。

で、そうなんですよ、、、探しに行った時には、もう既に二人とも亡くなっていたとの事、なんですよね。

でも、「妻とは定め無かった」っていうの、初耳(初目?)です!
ホント!土方十四郎みたい〜〜〜♪

けど、、愛する妻子を残して箱館に一人か、、、
土方さんの胸中を想うと、泣けて来ますね。
「東の君」は、もしかしたら、「吾妻の君」(妻の君鶴)かも????

投稿: あさぎ | 2008.03.06 09:52

あさぎさん

>「東の君」は、もしかしたら、「吾妻の君」(妻の君鶴)かも????

おおーっ!! なるほど。すごい。
そうかも、そうかも!?
天国で誰かに尋ねられたら「慶喜公の事です」とか言って、君鶴や花君の前では「貴女の事です」なんて言っちゃってたりして〜(笑)。

>妻とは定め無かった

まぁ、「妻って何?」って感じもしますけど。
式を挙げてないっていうだけかも知れませんしね。

投稿: YAGI節 | 2008.03.06 22:54

伊東先生大好きですが、まだこの本読んでいません(笑)。
でも先生は花街について詳しく調べているようですので、
今年中には詳細を発表されるのではないかと期待していますvv

トシが「慕い候こと、筆紙尽くし難し」の筆頭に上げている
島原花君太夫は、中岡慎太郎とモロにカブっているし(苦笑)、
トシも局長に負けないくらいオナゴ好きだったんでしょうねぇ…って
夢を壊してます?(笑)

投稿: Aki_1031 | 2008.03.07 13:21

Akiさん
はい、伊東さんはAkiさんのような上級者にはぴったりですよね〜。
あ、あと、以前コメントで書かれていた伊東さんと比較されていた木○氏、わかっちゃったかもです。
「え、もしや、あの方のこと!?」と気付いた時はとても意外でしたけど、本の内容は確かに……(以下自粛)。

>夢を壊してます?(笑)

いえいえ、私の中の土方さんのイメージも、おっしゃる通りまんま「オナゴ好き」なんで、大丈夫ですよ〜。
中岡慎太郎とカブった話は、以前Akiさんのブログで拝見して知りましたが、妙に納得してしまったっけ。
小説で土方さんが河上彦斎と一人の女性をめぐって……なんて話もありましたね。
別に争うわけでもなく、お互い話し合って曜日をキッチリ決めて会ってるという設定でした(笑)。

投稿: YAGI節 | 2008.03.07 18:52

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