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2008.06.28

ステレオタイプ

今日のタイトルにしたブラーの曲は大好きでしたが、今回は音楽ネタではなく大河ドラマの話です(^^;)。

大学で習った事って情けない事にほとんど忘れている私ですが(>_<)、珍しく印象に残っているのは一般教養の社会学の授業。特に「ステレオタイプ」とか、「役割分担」なんて話を興味深く聴きました。そしてNHKの『篤姫』を見ると、そんな話をふと思い出してしまうのです。

NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)『篤姫』は面白いと思います。
が、どうも見ていて居心地の悪さを感じます。日増しに違和感が増すのです。
「女の争い」みたいなのが嫌いなので、必然的に大奥物が苦手という事もあるのですが、これは大奥物にしてはマイルドですよね。違和感の理由は他にある気がして、考えてみました。
そして、それは自分のステレオタイプというか固定観念というか偏見というか……そんな物のせいのような気がしてきました

『篤姫』が、たとえば民放のドラマだったら、「大奥物なのに、それ程ドロドロしてなくて、面白い!!」と感じると思います。
NHKだとしても、正月時代劇とか2時間特番だったら、やっぱり何の文句も無かったと思います。いや、連ドラになったとしても、木曜時代劇(あ、今は土曜時代劇ですね)だったら喜んで見ていたと思います。しかし、NHKの日曜夜8時にやっているとなると話が違って来るのです。
私、『鞍馬天狗』が大好きでしたし、続編を切望していますが、日曜8時にはやって欲しくありません。これって、我ながらすごくおかしな事だと思うのです。しかし、私にとってそれだけ「日曜8時の大河ドラマ」というのが特別な存在なのですね。

我が家では日曜8時のチャンネル権は父親が握っており、常にNHKでした。
プロ野球中継をよく見る父でしたが、大河ドラマの方が優先されていたような気がします。
世の中の誰もが日曜8時には大河ドラマを見ていると思っていた事もあったなぁ(^^;)。
老若男女が楽しめてこそ大河ドラマ。そして、その年の大河が面白いかどうかというのは、私にとっては重要な事でした。子供の頃は源平合戦の時代と戦国時代が好きだったので、それ以外の時代の話と決まるとひどくガッカリしたっけ。幕末で大喜びするようになるとは当時は夢にも思いませんでした。

という感じなので、ずーっと見ていたように錯覚しがちなのですが、調べてみるとちゃんと見ていた時期というのは極めて限られていました。
あまりに小さい頃は覚えてないし、自分の部屋を貰うようになってからは、父と一緒にテレビを見なくなっていたので、大河を見ていた時期というのは意外と短い間だったのです。

そんな程度の私が、大河に特別な思い入れがあるというのはホントおかしな気もするのですが、子供の頃の1年って、すごーく長く感じられるのです。『黄金の日日』なんて5年位見ていたような気さえします(爆)。なんだか重みがあるのです。

大河ドラマのオープニングテーマにも、思い入れがあります。
子供の頃は、毎年親の実家に遊びに行っていたのですが、イトコが大河ドラマのオープニングテーマ集のレコードを持っていて、それを聴かせて貰うのが大の楽しみでした。
ドラマ自体は見た事がないのに『赤穂浪士』のテーマや『風と雲と虹と』のテーマは特に好きで、「もう一回聴かせて」と呆れられる程何度もリクエストしました。
(イトコが草刈正雄さんに憧れていたらしく、大河の草刈さんのモノマネをしてくれたのも忘れられない思い出です)
大人になってからは、自分でCD買いました。

家を出てからは『特命リサーチ』や『ジャンクSPORTS』を見るようになり、大河からはますます離れてしまいましたが、そんな私を大河に引き戻したのが『新選組!』でした。
脚本の三谷幸喜さんもやはり、毎週日曜8時は大河ドラマを見る家で育ち、大河ドラマが大好きだったそうです。特に『黄金の日日』がお好きだったと知り、親近感を覚えました。しかも、『新選組!』のオープニングテーマを服部隆之さんに頼む際に、「『風と雲と虹と』っぽく」という注文を出したというではありませんか。
一部では『新選組!』は「大河っぽくない」と言われたようですが、私の中では上述のような経緯もあり、「大河らしい大河」だったのです。
キャストなど一部冒険はありましたし、斬新な所もありました。しかし、大河好きの三谷さんが、自分らしさを出しつつも、大河に愛と敬意を表しつつ、最後の一線は越えない作品にしてくれたと思っています。
でも、『篤姫』の制作者は、過去の大河に敬意を持っているようにはあまり見えません。っていうか、「あんな作り方じゃ、今はもう視聴率取れないよ」と思っていそう……。

もっとも、「大河らしさ」にこだわる事がナンセンスな気もします。
「ステレオタイプ」というのは良い言葉ではありません。
「日曜8時」って、ただの放送開始時間に過ぎませんよね。
「日曜8時から始まる番組」に、何か特別な意味を持たせるのも変。
いや、でも、たかが「日曜8時、されど日曜8時?」と、葛藤している今日この頃の私でした。

うーん、ほんとに、我ながらおかしな事考えてると思います〜(>_<)。
「魅力を感じない大河ドラマ」というのは過去にいくつもありました。そういう時はあっさり見るのをやめています。しかし『篤姫』は、苦手な部分もあるのですが、面白い部分もたくさんあるので、やめるにやめられません。残りの半年、この違和感と折り合いを付けつつ、見続ける事になるのかな?

そういえば、『獅子の時代』のテーマ曲はギターがフィーチャーされていて、全く大河っぽくなかったのですが、このテーマ曲は「好きな大河テーマ・ベスト5」に確実に入ります。矛盾してるかなぁ(^^;;;;;;;;)。

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コメント

吾輩は007シリーズが大好きでした。
『ダイ・アナザー・デイ』までのDVDは全て持ってます。
しかし、今のところの最新作『カジノ・ロワイヤル』は観てません。
まだ00のナンバーを取る前のジェームズ・ボンドがワイルドに描かれているそうで、評判も良いようでした。
でもねぇ…吾輩はワイルドなボンドなんて見たくないんですよねぇ。

好きならこだわって当然。
むしろ、「らしさ」にこだわらない方がおかしい。
大河ドラマは長い間同じ時間に放送されてきたので、そこに特別な意味を見出すのも必然。
全ては愛あるが故にですよね。
なんにつけても愛があれば葛藤するものですよね(笑)。

答えは出てるように思います。
魅力がなければ、見るのやめてるんでしょう?
もし、最後まで見て残念な結果に終わったら……それも、話のタネってことで。
荒唐無稽な悪夢ほど目覚めれば笑い話ですよ。

投稿: D伯爵 | 2008.07.03 03:49

D伯爵さん
モヤモヤしていたのですが、ブログのネタにしたらなんだかスッキリしました(笑)。

>魅力がなければ、見るのやめてるんでしょう?

はい、前回も面白かったです。後半ホームドラマでしたけど(^^;)。
女性が主役だと歴史ドラマというより、ホームドラマや恋愛ドラマっぽくなるのは仕方ないのですね。
そういえば、今迄女性が主役の大河で夢中になった物って、殆どないなぁ。
強いて挙げれば『春の波涛』がそこそこ好きだったか……と、今調べて気付いたのですが、これと、この前後『山河燃ゆ』と『いのち』って、どれも大河っぽく無かったです〜。
特に『山河燃ゆ』は『篤姫』の十倍位、大河っぽくなくて、ショックを受けたのを思い出しました(笑)。

D伯爵さんは、007シリーズがお好きなのですか。
これは主役が同じですから、作品によってイメージが違ったら違和感ありそうですね〜。
私が劇場で見たのは『トゥモロー・ネバー・ダイ』と『ワールド・イズ・ノット・イナフ』だけなのですが、ピアース・ブロスナン素敵だと思いました。

投稿: YAGI節 | 2008.07.04 00:41

>モヤモヤしていたのですが、ブログのネタにしたらなんだかスッキリしました(笑)。

それはなによりです。
言いたいことがうまく書けなくて、我ながらもどかしかったんですけど。

『山河燃ゆ』って……かなり前ですよね……。
たしか吾輩が中学生の頃だなぁ。
我が母が題名を覚えられずに、『大河燃ゆ』とか『大地燃ゆ』とか言っていたのを思い出しました(笑)。

ピアース・ブロスナンのジェームズ・ボンド、良かったと思います。
ファンの間ではショーン・コネリーが一番人気らしいんですが。
吾輩は、見直してみると、1回しか演ってないジョージ・レイゼンビーなんて人も含めて、それぞれ悪くないと思ってます。
ただ、ティモシー・ダルトンは場面によって、かっこ良かったり、残念な顔になったりするんですよねぇ(笑)。

投稿: D伯爵 | 2008.07.04 01:35

D伯爵さん

>『大河燃ゆ』とか『大地燃ゆ』とか言っていたのを思い出しました(笑)。

わかる、わかるっ!!(笑)
「○○燃ゆ」って他にも色々あって紛らわしいし、言いながら「あれ、ホントにこのタイトルで合ってたっけ?」なんて思う事度々。
『二つの祖国』という原作名の方が忘れにくく、インパクトもあったので、そっちをつい言ってしまったりもしてました。

ボンド俳優で好きなのはブロスナンではあるんですが、私の中でもボンドというと、ショーン・コネリーのイメージが強いです。若い頃のショーン・コネリーはカッコ良いとは思いますが、濃過ぎるような気も(^^;)。
ティモシー・ダルトンは、なんだか遠い世界の人のような気がします(^^;)。

投稿: YAGI節 | 2008.07.05 00:43

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