モロゾフは美のカリスマ?
また紛らわしいタイトルを付けてしまったでしょうか?
最初におことわりしておきます。今回は別にカリスマ美容師とか、メイクアップアーティストなどの美容ネタではありません。季節外れのフィギュア・スケート話です。
「モロゾフ」とはニコライ・モロゾフ氏の事。
荒川静香さんに金メダルをもたらしたコーチであり振付師です。
ウィキッドの記事にいただいたコメントから派生してモロゾフ・コーチの話になったんですが、コメント欄ではとても足りない程、彼については書きたい事があったので、別記事にしてみました。以前から書きたいと思っていたんですが、ようやくこの日を迎えた〜(大袈裟)。
私が最初にモロゾフの事を知ったのはソルトレーク五輪の時でした。
男子シングルで金メダルを取ったアレクセイ・ヤグディンの『仮面の男』の振付師として、です。
この『仮面の男』は実に素晴らしかった。私は幸いこれを現地で観る事が出来たのですが場内熱狂、大興奮でした。ただ私には小さな違和感があったのです。それは、
「ヤグディンって、こんなキャラだっけ?」
なんか、カッコ良すぎたのです(笑)。
ヤグディンといえば、「実力はあるけれど無骨」というイメージでした(^_^;)。玄人ウケするタイプというか。女の子にキャーキャー言われるタイプにはどうしても思えなかったのです(失礼)。それが、ソルトレークでは妙に垢抜けている。なんか、女の子達が色めきたっている。かつての彼からは感じた事のないような、女の子ウケするキラキラ光線が放たれている!!
「おかしい。ヤグディンはあんなんじゃない筈だ。皆騙されている」と、「カッコ良いヤグディン」に戸惑ってしまった私です
その驚異的な変身の理由として第一に考えられたのは、「コーチが変わったから?」という事。
彼は、長野五輪後にタチアナ・タラソワコーチの元に移りました。そしてそこにはアシスタントとして、現役を引退したばかりのモロゾフがいました。
その数年後、今度は荒川選手の大変身を目にする事となります。
長野五輪に出場した荒川選手ですが、その後は「村主時代」が訪れ、荒川選手はソルトレーク五輪には出場出来ませんでした。当時の日本のフィギュア人気は今ほど高くはなく、国内2番手以降の選手を地上波のテレビで目にする事はあまりありませんでした。
そして久々にテレビで観た荒川選手はビックリする程キレイになっていたのです。垢抜けたというか、「お姫様オーラ」が出て来たというか。ヤグディンに感じた「キラキラ光線」的なものです。そして、バックにはタラソワとモロゾフが付いたというではありませんか。「あのヤグディンを変えたタラソワ&モロゾフが荒川選手も光らせたか」と唸った次第です。
荒川選手は、2005年にタラソワの元を離れてしまった(というか、タラソワがロシアに戻ってしまった?)のでどうなるかと思ったのですが、モロゾフには師事する事になり、トリノ五輪はモロゾフと共に戦う事になったのはご存じの通りです。
モロゾフはかつてアイスダンスの選手でした。そして、タチアナ・ナフカという人とコンビを組んでいました。
最初にナフカを知った時、彼女はギャザリアン(「ゲゾリアン」という表記もあったなぁ)という別の選手とコンビを組んでいました。1994年のNHK杯で2位になっています。
この頃のナフカはキレイでしたが、黒髪でエキゾチックな感じでした。しかしパートナーがモロゾフに変わった長野五輪では髪の色も金髪に変わり、まるで別人になっていたのです。しばらくは同一人物とは思えませんでした。これもモロゾフ効果?
あ、当時はモロゾフの事は眼中になく 「ナフカはキレイだけど、相手の人、なんかパッとしないな〜」という印象しかなく、名前も覚えられませんでした。「ナフカといえばゲゾリアンだよね〜」って感じで ちなみに、モロゾフと組んだナフカはあまり良い成績を残せませんでしたが(長野五輪は16位)、その後組んだコストマロフ選手とトリノ五輪で金メダルを取りました。
で、これは今調べて知ったのですが、なんと、モロゾフとナフカって結婚していた事があったそうです(驚)。
モロゾフがシェイリーン・ボーン(やはりアイスダンスの選手です)と結婚していた事は知っていたけれど、ナフカと夫婦だった事があったなんて。
ちなみに、ナフカがモロゾフの後に結婚した相手はアレクセイ・ズーリンで、彼はナフカ&モロゾフのコーチでした。
今、長野五輪の映像を見てみたのですが、確かにズーリンとナフカ、この頃から仲良さそう(^^;)。
えーと、ちょっとややこしくなってきました? 最後に相関図を載せておきますので、もう少々お付き合い頂ければ幸いです。
……話が逸れました。
つまり、モロゾフは、優勝請負人的な凄腕コーチではありますが、「人を美しく変身させる名人でもあるかもしれない」と思ったという事を書きたかったわけです。
でも、モロゾフとタラソワが組む事が多かったので、どこまでがモロゾフの力で、どこまでがタラソワの力なのか、その辺よくわからないんですよね〜。
そのタラソワ、今年から浅田真央選手のコーチをやるようです。
モロゾフが今年も安藤美姫選手のコーチを続けるとしたら、この対決、選手の対決のみならずコーチ対決という点で見ても面白くなりそうです。
あ、そうそう、ここまで安藤選手の話に触れずに来てしまいましたが、安藤選手も高橋大輔選手もモロゾフコーチがついた直後に世界選手権のメダリストになってしまったので、改めて「凄いコーチだ〜」と思わされました。
ただ、安藤選手のルックスに関しては十代のかわいらしい頃の方が好きなんですけどね。今の妖艶さを狙ったような感じ(?)はあまり好きではないなぁ……。
ちなみにモロゾフコーチは今年から織田信成選手のコーチとなり、高橋選手とのコンビは解消されました。
で、織田+モロゾフの第一弾プログラムが『トスカ』。
これ、先日テレビで見ました。オフ・シーズンでの披露なので、これからどんどん完成度を上げて行くのでしょう。これまたドラマチックで良いです〜(曲が好き)。今年は織田選手が躍進するかも? 男子の争いも目が離せません。
◆相関図(みたいな物)
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コメント
YAGI節さん
まぁ〜!!ありがとうございます!!
凄いです☆相関図まで、すんばらしいーー!!
モロゾフさんは本当に動物的勘?やセンスが抜群なのでしょうね!?
瞬時に、その選手のまだ開発されていない磨けば輝くであろう個性、良さを察知し、磨きにかかるというか・・・。
そういった嗅覚のようなものを持っている気がします。
ダイヤの原石を見つけ磨きあげる感じです。
本当にフィギュアスケートは競技的要素でなく芸術であるとワタシはとても思っていて、詳しくないからなんですが、ジャンプなんか何回飛ぼうが興味ないんです。
美しくあればいい。シェリンボーンさんなんかも最高ですよね!
荒川静香さんや高橋大輔くんはとにかく芸術性がずば抜けてて、観客の心にどっかーーんとくるじゃないですか?
(あくまでもワタシの個人的好みですが(笑))
あと『踊れる』っていうのがとてもワタシにとって重要で基本踊りができる人が好きなようです。
肩のラインとか振り付けのカッコよさとか。
キムヨナ選手なんかもとても好きです、ラインや流れるような美しい感じが。
大ちゃんはまだまだ若いですし、可能性は未知数ですよね。自分で振り付けちゃってもセンスあったりして^^;
そんな感じもします。自分の魅せ方を良くわかってる人という気がしてますので。
投稿: Erelim | 2008.07.26 20:32
Erelimさん
私は個性のある人が好きです♪
無茶苦茶キレイとか、無茶苦茶ジャンプが凄いとか、変わった事やるとか、面白いとか(笑)。
私もジャンプの事はよくわかりませんが、伊藤みどりさんの影響で、女子のトリプル・アクセルにだけはすごくこだわりがあります(アクセル以外の4回転よりトリプル・アクセルが好き)。
あ、女子じゃないですが、高橋大輔選手のトリプル・アクセルは好きですよ!!
ボーン&クラーツ組の振付も良かったですね〜。モロゾフ・コーチだと知ったのは、かなり後なんですけど(^_^;)
キム・ヨナ選手の動きはホント、キレイですね〜。
投稿: YAGI節 | 2008.07.27 22:35