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2008.09.25

狂言ござる乃座 40th

伝統芸能月間第四弾は国立能楽堂です♪
野村萬斎さんの狂言を見るのは今回で8回目となりましたが、8回目にしてついに念願の能楽堂です。きゃーっ
昔は狂言は能楽堂などの特殊な場所で見る物だと想像してましたが、実はホールでの公演がとっても多いのですよね(萬斎さんだから?)。

高校生の時に学校で能・狂言を見に連れて行かれた事がありました。
あれはおそらく能楽堂だったと思うのですが……どこの能楽堂だかさっぱり覚えていません。
という訳で、能楽堂自体初めてみたいなもんです(ワクワク)。
今迄の公演とは異なる、何か特別な昂揚感を覚えます(ドキドキ)。

Koku1 Koku2

で、国立能楽堂ですが……
夜なので、建物の外観はよくわかりませんでした。
ただ、やはり「和」という感じ。とても落ち着く雰囲気です。お上品な感じがします。ロビーから庭が見られるようになっているのも素敵でした。開場25周年という事ですが、客席はキレイです。椅子の座り心地もなかなか。前の人の頭が邪魔になるという事もありません。
背もたれにモニターが付いてましたが、これは今回は使われていませんでした。能公演用なのかな?

展示室では能面や能装束が飾ってありました。江戸時代の物が多かったけれど、室町時代や桃山時代の物もありました。
展示替えがあるようなので、何度来ても楽しめそう♪

Koku3さて、記念すべき能楽堂デビュー公演(って見るだけだけど)は「ござる乃座」。
萬斎さん主宰の催しで、なんと今回で40回目だそうです。春と秋の年2回やっているようで、もう20年なのですね〜。ライフワークですね〜。
萬斎ファンにとってはお馴染みの物ですが、私は記念すべき40回目にして初参戦。若い人ならいざ知らず、萬斎さんが芸大に入学した事をリアルタイムで知ってる(といっても、その人と萬斎さんが同一人物だと知ったのはずっと後)世代で今頃初参戦という人も珍しいのではないでしょうか。しかも東京在住で。

それでは演目ごとの感想行ってみます。

◆咲嘩(さっか)/野村萬斎・石田幸雄・野村万之介
無茶苦茶単純なお話。「くだらない」で済ませてしまえそうなのですが、萬斎さんの解説を読んで唸りました。

「思考が欠如することの怖さを感じます。道理の判断なく任務を遂行しようとする、近代的なロボットへの皮肉すら感じます。型によって成り立つ、古典芸能に身を置く狂言サイボーグにとっても、思わず自分を顧みさせられる曲です」だって。

はぁ、あの曲から、そんな事を考えるなんて〜。恐れ入りました。
「ござる乃座」は萬斎さんの文が載ったパンフレットが人気と聞いた事がありますが、なるほど納得です。
っていうか、それを本にまとめた『狂言サイボーグ』で私の萬斎さん好きは決定的になったんですけどね。
そんなごたくは抜きにしても、萬斎さんの動きはやっぱりとても楽しく、魅力的で目が離せないのでした。

◆歌仙(かせん)/野村万作・野村萬斎他
百人一首おたく(?)な私はこれを楽しみにしてました♪

これ、ちょっと変わった作品でした。
今迄観た狂言は登場人物は大体2〜3人。「こんなに出演者少ないのに、なんで歌舞伎よりチケット高いの?」なんて不思議に思った事もあります(たとえば来月の国立劇場の歌舞伎は一番安い席1500円)。
しかし、この作品は7人も出て来ました。DVDで見た『唐人相撲』はとっても登場人物多かったけれど、生でこんなに沢山の人が出て来る狂言を見たのは初めてです。

最初に歌仙が登場してくるシーンは狂言とは思えない華やかさがありました。気分は「坊主めくり」(笑)。
ちなみに我が家のルールでは姫が出たら10枚、弓を持った人が出たら3枚貰えるようになってました。坊主が出ると一文無し。
つまり、小野小町(高野和憲さん)なら10枚、在原業平(深田博治さん)なら3枚、僧正遍昭(萬斎さん)だと一文無しという具合。
でも、これからは坊主でも遍昭が出たら喜んじゃいそう(ばか)。

で、6人の歌仙が、橋掛かりに並んで謡を聞かせてくれました。
私の席は脇正面の最後列ではありましたが、左から3列目。つまり橋掛かりがとっても近かったので、このシーンでは大喜びしてました(私の前は遍昭ではなく、清原元輔でしたけどね)。

しかし、謡が終わってからは、萬斎さんは私に背を向けて座ってしまい、表情は全く見えなくなってしまいました(号泣)。
さっきまで大喜びしていたのに、「何、この席」と一気にブルー。「なんでこんな所に席作るの?」なんて考え始める有様。やっぱり、正面席が良いですね。でも正面席高いし〜(>_<)。

内容は、小町を巡る争いという、これまた単純でわかりやすいお話。
小町に盃を渡されて鼻の下を伸ばして喜んでいた(と思われる)萬斎さんの表情を見れなかったのがホント残念です〜。しかし、むくれる万作さんは面白かった(ぷぷぷ)。 最後には棒きれでの立ち回りがありましたが、こういう立ち回りも狂言では初めて見たかも。
鞍馬天狗のようなスピーディな立ち回りではありませんが、楽しかったです。時代劇といい歌舞伎といい、私、血の出ない立ち回りが好きみたいです。

という事で、タイプの異なる2作品、楽しめました。

しかし今後、脇正面のチケットを取る事はちょっと考えちゃうなぁ……。
『咲嘩』では全く気にならなかったから、演目にもよると思うのですが。
ちなみに今手元にある国立能楽堂の某公演のチケットは中正面です。
中正面って、噂によると柱が邪魔らしいですね。脇もダメ、中正面もダメとなると、貧乏人は厳しい〜。そういう事考えると、席が遠くても双眼鏡でカバー出来るホール公演が私にはお似合いのような気もしてきました、とほほ。
お金持ちになりたぁい。

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コメント

狂言を生で見る機会って、なかなかありませんよね。でも、それをホールで行うことで、萬歳さんは親しめるようにしようとしているのではないでしょうか?そんな印象も受けました。
ところで、明日、27日は拙ブログの1周年記念日。そこでイベントを行いますので、お時間がありましたら、午後8時過ぎに拙ブログにお越し下さいませ。お待ちしております。

投稿: 桃源児 | 2008.09.26 23:06

桃源児さん

>ホールで行うことで、萬歳さんは親しめるようにしようとしているのではないでしょうか?

おっしゃる通りだと思います。
能楽堂は初心者には敷居が高いイメージがありますが(行ってみたらそんな事無かったのですが)、ホールだと気軽に行けます。
他の狂言師の方達も色々な場所でやっているようですが、ある程度集客力ないとホールでは出来ないですからね〜。

ブログ1周年、おめでとうございます!!
クイズは自信ありませんが(^^;)、ぜひっ、伺います♪

投稿: YAGI節 | 2008.09.27 15:41

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