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2008.11.22

花形歌舞伎(昼の部)

今月は片岡愛之助さんが久々に東京で歌舞伎の舞台に立ってます♪
8月の『紙屋治兵衛』は歌舞伎じゃなかったから、春以来かな?
初夏にトークショーでお顔は拝見しましたが、待ちかねた〜。
……とか言いつつ、BS熱中夜話によって踏み絵化してしまった事はここで述べた通りですけど。すみません

Ha1トークショーでは「11月の歌舞伎座に出る」とおっしゃってましたが、なぜか新橋演舞場でした。どちらも東銀座だから勘違いしたのか、予定が変わったのか、謎です。
あの時は来年の浅草歌舞伎に出るって言って私を大喜びさせたのに、結局出ないしね〜(>_<)。

久々の愛之助さんの歌舞伎なので、今月は昼夜両方行きたかったんですが、来月京都の顔見世興行を見に行く事だし、浅草歌舞伎でも観られると思ったから、昼だけで我慢しました。しかし、浅草歌舞伎に出ないんじゃ、話が違ってきます。もう今さら三階席残ってないし……出ないなら出ないと、もっと早く教えて欲しかった……(涙)。
右の写真は『龍虎』のポスターですが、これは夜の演目です。見られないけど、せめてポスターの写真だけ撮ってみました。愛之助さんの横に写っているのは中村獅童さんだそうです。別人みたい!!……見たかったなぁ

と、いつまでも愚痴っていても仕方ないので、気を取り直して、今日の感想行ってみます。

◆伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
衝撃的なストーリー!!
でも、すっごい面白かった!!

Ha2……これ、歌舞伎だから「面白かった」なんて書けちゃいますが、映画化したら無茶苦茶コワイ物になりそうです。
ある種の層にはウケそうですが、私は実写だったら、ぜーーーったい観ないと思います。それなのに、歌舞伎だとペロッと観てしまう。のみならず、「面白かった〜」とか言ってしまう。そういう意味でもコワイかも。

有名な作品みたいなので、以下ネタばれ書いちゃいますが、知りたくない方はこの先読まないで下さいね。

何が衝撃的かって、無差別大量殺人が描かれているのですっ!! ひょえ〜。
歌舞伎の死って、切腹・心中・立ち回り位だと思ってませんでした?
これは違うんです。罪の無い人々が次々殺されて行き、斬られると思っていない人が刃にかかって死んで行きます。そんな作品があったのですね。はぁ、驚いた。

ま、それは妖刀のせいなんですけどね。妖刀村正もビックリ。
妖刀を持つのが市川海老蔵さんなのですが、「発狂して斬りまくる」という感じではなく、フラフラ〜っと斬って行きます。いや、刀を振り回しているわけではないから、斬っているというよりも、「刀が触れちゃっている」という感じでしょうか。海老蔵さんは「心ここにあらず」という感じの無表情で「知らないうちに血だらけになっている」という態。そのくせ美しいという……なんかイケナイ物を見てしまった感じです。頽廃美っていうのかな。イラストを描く人だったら創作欲をかき立てられそう。で、その殺戮(といって良いのか?)の合間に美しい踊りがのほほーんと挿入されたりして、それってシュールですよね。でもなんか、感覚が麻痺してしまうんです。すごく歌舞伎っぽいんだけど、歌舞伎っぽくないというか、いや、これこそが歌舞伎なのか……うーん、なんか唸ってしまいました。

9月の実盛&義賢といい、海老蔵さんは美味しい役が多い気がします。海老蔵ファンが羨ましいです。
実盛と義賢は文句なくカッコ良かったし、今回も結果的には人を斬っちゃうけれど、絵に描いたような二枚目でした。そして二枚目役が似合いまくり。ホント、美しい顔だと改めて思いました。今日は声にも聞き惚れました。私は低音が好きなんですが、海老蔵さんの声は高音なのに、「こんなにキレイな高音もあるんだなぁ」と思わされます。
それでも、どういうわけか、私は海老蔵ファンにならないのですけどね。ワイドショーの影響なのかなぁ?(爆)
海老蔵さん、今日は『オーラの泉』に出ていて、それも楽しく見ちゃったし、気にはなるのですが、どこか客観的に見れてしまう。

Ha3と、愛之助さんを見に行ったのに、海老蔵さんの事ばかり書いてしまいました(汗)。
愛之助さんは、料理人の役でした。海老蔵さんと比べると出番は思い切り少なくて寂しかったです。イヤホンガイドによると、「出番は少ないけれど、いい役者さんが友情出演などでやる役」との事で、とてもステキだったのですが、久々であれだけというのは物足りない〜。
だから夜の部も見たかったのに、浅草出るっていうからさぁ……ブツブツ……
……はっ、気を取り直すんでした。失礼しました。
この物足りなさは来月の京都顔見世で晴らす事にします!! 顔見世行く事にして、ほんっと良かった〜(笑)。

あ、『伊勢音頭恋寝刃』だけじゃなく、もう1本ありました。

◆義経千本桜 吉野山(よしのやま)
尾上菊之助さんの静御前でした。
菊之助さんは『わが魂は輝く水なり』で野村萬斎さんと共演していましたが、歌舞伎で生で見るのは今回が初めてかも。とてもキレイでした♪
ただ、私、当ブログでは再三述べているように、踊りは苦手で……。
しかも、席が無茶苦茶悪かったので、よく見えず……頑張って見る気にもなれず(菊之助さんは初めてですが、『吉野山』自体は他の方で何度か見てる)、これといって感想もありません。

しかし、「前傾姿勢しちゃいけない」と言いつつ、背中を背もたれに付けてると、何にも見えないというのはヒドイですよね。日頃「歌舞伎座の安い席は見にくい」と不満に思っている私ですが、西席だけに限っていえば、歌舞伎座の方が良いかも。

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