二月大歌舞伎

昨日、茂山千五郎さんの講演会の話を記事にしましたが、この後ダッシュで向かったのは歌舞伎座。
二月大歌舞伎・夜の部を観て来ました。

なんと1階席です。きゃーっ!!
４〜５年前に夢の桟敷席に座った事がありますが、その後は３階席と４階席（幕見）を行ったり来たりの私としては、これは大変な事です（笑）。

今回は、「一度歌舞伎を見てみたい」というビギナーさんと一緒に見る事になり、演目選びからチケット取りまで引き受けました。

私は自分の趣味を押しつけるのが嫌いなので、相手の好みを聞いたのですが、「とにかく初めてでどういうのが好きかも全くわからないから、YAGI節の見たい物で」と言われてしまいました。役者さんで選ぶのが手っ取り早いと思うのですが、特に好きな役者さんもいないとの事で迷いました〜。

「どうせなら建て替え前の歌舞伎座が良いだろう」と思ったのですが、11〜１月の歌舞伎座の公演には心魅かれず、毎年楽しみにしている浅草歌舞伎も片岡愛之助さん＆中村獅童さんが出ないので、自分のテンションが全く上がらず……という事で延ばし延ばしになってしまいました。そして、ようやく「これ」と思える公演が来ました。それが今月という次第です。

人気投票でダントツの１位となった『勧進帳』、
立ち回りが凄いと評判の『蘭平物狂』、
知名度抜群・玉三郎さんご出演の『三人吉三』
の三本です。
なかなかの好バランスですよね。

席種は選んでもらったのですが、３階席から花道が見えない事を知らせた所、「２等席希望」という事でした。
２等だと２階席になる事もありますが、発売日に買ったら、１階席が取れました。わーい♪

着席した時は感動しました。花道が見える!!
「花道を見れる嬉しさ」というのは、「見えて当たり前」と思っているお金持ちの人にはわからない感覚だろうなぁ(^^;)。
１階でも最後列だと舞台上部が少し切れて見えないようでしたが、私の席からは全てよ〜く見えました。歌舞伎座にも、こんな見やすい席があるんだなぁ(爆)。
それでは感想行ってみます。

　

★倭仮名在原系図　蘭平物狂（らんぺいものぐるい）
なんか、演目よりも役者さんが良く見える事の方に感動してました（笑）。
５年前の桟敷席の時は花道は目の前でしたが、西側だったので役者さんが背中を向けてしまう感じだったのです。しかし、今回はお顔もよく見える〜。ホント嬉しかったです。
なんか無茶苦茶なストーリーでしたが(^^;)、派手な立ち回りが見れて満足です。

★歌舞伎十八番の内　勧進帳（かんじんちょう）
以前見た時は花道が見えず、とても悔しい思いをした『勧進帳』。
今回ついに“飛び六方”を目の前で見る事が出来ました〜（感無量）。
四天王が花道に並ぶシーンもカッコ良く、特に菊之助さんが凛々しかった〜。
『わが魂は輝く水なり』以降、なんとなく菊之助さんが気になっちゃう私ですが、山伏姿があんなに様になるとは思いませんでした。

シリアスなイメージの強い『勧進帳』、弁慶がお酒を飲むシーンって、あんなに楽しかったっけ？
初めて見た時は「ひゃ〜、そんな無防備にお酒飲んで大丈夫？　富樫が変心したらどうするの？」なんてハラハラしていたのですが、今はそんな心配は無用とわかっているので呑気に楽しめたのかな？

★三人吉三巴白浪（さんにんきちさともえのしらなみ）大川端庚申塚の場
以前、浅草歌舞伎でこれを見て、眠くて仕方なかったという事があります（その時は別の演目がお目当てだった）。
浅草歌舞伎には「初心者向けでわかりやすい」というイメージを持っていたので、ナメて(？)イヤホンガイドも借りずに臨んでしまったのですが、これがさっぱりわからなかったのです。わからなくなったから眠くなったのか、眠くなったからわからなくなったのか、もはや記憶が無いのですが、私と趣味が似ている友人は、一番好きな演目としてこれを挙げていて、私がこれで眠くなったと言った時には不思議そうというか呆れたというか悲しそうというか……何ともいえない顔をしていたので、是非リベンジをしたいと思っていました。

今回は全く眠くはなりませんでしたし、面白い部分もありましたが、「これだけ？」って感じ。とにかく短すぎました……。前述の友人が見たのは通しで、しかも玉三郎＆仁左衛門＆團十郎という配役だったそうです。私もそれが観たかったなぁ(^^;)。
あ、今回の染五郎さんも素敵だったのですが、私は玉三郎＆仁左衛門というコンビがとんでもなく好きなのです。

あぁ、それにしても、１階席って良いですね。
もう３階席に戻りたくない〜。
でも、お財布の事を考えると戻るしかない〜。
……もっとも、今の歌舞伎座には、あと何回行く事になるのかなぁ？
次回以降は「これが最後かも」という気持ちで足を運ぶ事になりそうです。