幕末酒徒列伝
Mini子さんの所で紹介されていた『幕末酒徒列伝』、読んでみました。
無茶苦茶面白かった〜っ!!
と書くつもりでしたが、ラストの方で新選組の事を悪く書いてあったので、テンション一気に下がりました。Mini子さんも「新選組好きな方は読まないほうがいいかも」と警告して下さっていたのに、芹沢鴨の項が面白かったから、つい油断してしまいました
なんか後味悪いんですが、気を取り直して感想行ってみます。
まず、作者の村島健一さんに興味を持ちました。
文章が面白いのです。
カタい文章が多くて退屈する史実本も多いけれど、これは違いますね。
ん? これは史実本とは言わないのかな。資料も引用されていますが、エッセイに近い感じもします。
「自分は歴史の専門家じゃないし〜」と開き直っている責任感の無さもイイ(笑)。思わず高田純次さんを連想しました。
「ええーっ、ホントですか!?」と身を乗り出すと、「いや、知らない」と肩透かしを食らわせるような感じもあります(^^;)。
でも、意外と的を射ているような、でもやっぱりテキトーなような、なんとも言えないさじ加減がたまりません。
大正生まれの方のようですが、妙にカタカナが多いのも気になります。
ハイカラなカワイイ人だったのか、あるいはキザったらしい人だったのか?
所々時代を感じる所もありますが、当時としては相当先進的な人だったんじゃないかなぁ?
そして、言葉の使い方がまた面白い。
「けたたましくおもしろい」なんて表現は妙に気に入っちゃいました。
当時はこんな使い方をしていたのかなぁ?
寺田屋事件の説明もスゴイですよ。
「西郷に“ジゴロ”(田舎っぺ)と罵られた島津久光の馬鹿が、自藩の武闘グループを同じ勤王派の同志に斬らせた。親友に親友を共食いさせたのだった」
だって。わかりやすいけどさぁ(^^;;;;;)。
松平容保の事は、
「慶喜・春嶽は(中略)病気と称して、しばしばサボる。容保の性格ではいい加減ができない。ほんものの病人が、一人で大荷物を背負っていく」
こちらもわかりやすい。そして、涙が出そう
文章が面白いだけではなくて、考察もまた面白いのです。
特に最初にも挙げましたが、芹沢鴨の項での「酒乱アナリシス」は興味津々。
「そういう考え方もあるか〜」と、とっても興味深く読みました。自分がお酒苦手なので、お酒好きな人の気持ち、ましてや酒乱の気持ちなどは想像出来ず、この分析が正しいか否かは全くわからないのですが(しかも高田純次さんだし……違った、村島健一さんです)、「ほう……」と感心しきりな私でした(^^;)。
あとは取り上げられている幕末人が超豪華なのが嬉しい。
幕末好きだったら、目次を見ただけでワクワクしちゃうと思います。
「酒徒列伝」というタイトルではありますが、上戸も下戸も出て来ます。
しかし、下戸としては上戸の人に、あんな風に見られているのかと思うと切ない(>_<)。
ちょっと口が悪いのも玉にキズ。
野村望東尼に関しては、
「(高杉)晋作が力つきたと知って、六十バーサンの望東尼が、しゃしゃり出た。下の句を代作してやろうというのである。失礼だ。かつ、おこがましい」
確かにあの辞世の句(おもしろきこともなき世をおもしろく)は下の句が無くても問題無いような気はしますけど。
坂本龍馬の妻・お龍の晩年については、
「アルコール漬けの莫連ババァ」だそうです。酷っ。
あとは下ネタが多すぎる気もしましたが、それは「お酒とは切っても切れない話」という事でしょうか。この辺も高田純次さんっぽいのでは?
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コメント
WBCのブログパーツ、いいなあ〜 こんなの有るんですね!
ウチでも貼らせて頂きます!(^^)!
日々のニュースを観ていると、「イチローって、あんなにスゴイ選手なのに決して天狗にならないし、ホントに素晴らしい人が居たもんだ」と感心することしきりです(*^^)v
で、その本。
Mini子さんの所で紹介されていましたね〜 読まれたんですね♪
>容保の性格ではいい加減ができない。ほんものの病人が、一人で大荷物を背負っていく」
あ〜 そういう事か、、(-_-;)
容保公、、ホント、可哀そう。
あと、所々辛辣ですが(^_^;)
小気味良いような気もします。
投稿: あさぎ | 2009.02.22 11:01
あ〜、私は毒舌及び辛辣が苦手(キライ)だから、この本無理かも(苦笑)。
野村望東尼やお龍さんについては「女を馬鹿にしてんのか?(-_-#)」って思いましたもん(失笑)。他の女性についてはどう書かれているのかわかりませんが・・・
容保公の記述だけ納得出来ました(笑)。
YAGI節さんのオーダー見ましたよ〜!
私はゴジさんも見たかったし、金本アニキも見たかった(笑)。
そして今日最終メンバーが発表となりましたが、松中さん、落ちちゃったっすね・・・はは・・・(泣笑)
投稿: Natsumi | 2009.02.22 22:25
ま、松中〜〜〜〜っ!
日本の4番は松中選手だと信じていたのに。
今度も目指すはスモールベースボールなのか!?
そして和田投手まで。
巨人戦で好投したあとで外されるなんて。
こうなったら二人には、シーズンに向けてしっかり調整をしていただきたいと思います。
投稿: D伯爵 | 2009.02.22 23:54
あさぎさん
このブログパーツ、いいですよね〜。
こういうの貼ってると、「近付いて来た」とワクワクします。
>決して天狗にならない
思わず違う天狗を連想してしまうんですけど〜(ばか)
って話は置いといて(^^;)、イチロー選手はまさに「プロフェッショナル」って感じですよね♪
あの本、Mini子さんも書かれてましたが、ホント容保公の項だけトーンが違うのです。
たとえば、テレビ朝日版『白虎隊』の容保公しか知らない人とかには、あの項だけ読んで欲しい程です。
投稿: YAGI節 | 2009.02.23 00:50
Natsumiさん
村島さんは、高杉が大好きみたいです。
この句の事を考えると、「高杉の事がかわいそうで、しようがない」「胸が痛む」そうで、「野村さん個人には、恩讐いずれもない。ただ、本件(辞世の句)だけに関して、虫酸が走る」らしいですよ。
乙女さん(龍馬の姉)については、敬意を払ってるっぽい感じがあります。
もっとも、そのせいで龍馬がフェミニストになったと、ちょっとつまらなそうな書きっぷりではあります(^^;)。
>松中さん、落ちちゃったっすね・・・
ははは……四番にしちゃった私って一体
投稿: YAGI節 | 2009.02.23 00:52
D伯爵さん
>日本の4番は松中選手だと信じていたのに。
あ、やっぱり?
私は特に思い入れがあったわけではないのですが、かなめにふさわしい人かと思っていたのですけどね〜。
ケガなら仕方ないと思うのですが、松中選手の「ケガは関係ない」という発言には、悔しさが滲み出ていたように感じました。
投稿: YAGI節 | 2009.02.23 00:53
ああ…ここにも
>六十バーサンの望東尼が、しゃしゃり出た。
などと仰る方がいらっしゃった!(泣笑)
松平アナや童門センセをはじめとして、
「望東尼ばーさん余計なことを…」と感じる方が多いのですね〜。
やはり、破天荒な高杉には最期まで
教訓じみた言葉で小さくまとまって欲しくないという気持ちを持っている
ファンが大勢いらっしゃるということでしょうか(苦笑)。
…と、新選組そっちのけで高杉に喰いついてしまいました(笑)。
投稿: Aki_1031 | 2009.02.23 17:12
Akiさん
>余計なことを…」と感じる方が多いのですね〜。
ね〜(笑)。
私の今年の卓上カレンダー・『珠玉の一言』でもこの句が取り上げられているのですが、そこには望東尼の写真が高杉より大きく載っています。
これを見たら村島さん、さぞかし嘆き、怒り狂う事でしょう(笑)。
あの下の句を受けて高杉が言ったという「おもしろいのう」という言葉も、村島さんは「あの句を評価して言ったわけじゃない」というような説(妄想?)を展開してました。
投稿: YAGI節 | 2009.02.24 00:24
あ。読まれたんですか〜。この本(^^;
遠まわしではなく、真正面からどーんと痛い所をグサ〜っとついているので、イタタって感じですけど、的を得ているだけに苦笑く面白いですよね。
>無茶苦茶面白かった〜っ!!と書くつもりでしたが、ラストの方で新選組の事を悪く書いてあったので、テンション一気に下がりました。
私もこの通りの事を思いました(苦笑)
全体的に毒舌だったので、新選組の事は覚悟したつもりでしたが、やっぱりガックリ来ますよね(^^;
この作者さんの新選組像は、通説の古い昔のイメージかな〜…
他の人に勧める場合は、会津の所だけ読むように薦めたいです(笑)
投稿: Mini子 | 2009.02.24 21:42
Mini子さん
村島さん、余程下戸がお嫌いみたいですね〜(T_T)。
私は村島さんの事好きなのに、下戸と白状した途端に距離を置かれそうな気分……。
っていうか、下戸って生きにくい〜。
上戸は上戸で悩みもありそうですが、私は下戸である事にコンプレックスあるかも
ま、無理して鍛える気はないですけど(^^;)。
>この作者さんの新選組像は、通説の古い昔のイメージかな〜…
ね〜。
沖田の事は好きみたいなので、それは嬉しかったけれど、
「悪の巣窟の中に一人好青年がいる」みたいな感じなのかな〜(^^;)。
投稿: YAGI節 | 2009.02.25 16:14