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2009.03.21

狂言ござる乃座 41th

野村萬斎さん主宰の『狂言ござる乃座』、40thがとっても面白かったので、41thも行ってみました。

パンフレットは立派だし(前回の遍昭姿で棒を持ったカッコ良い萬斎さんの写真が載っていたのも嬉しい)、萬斎さんは2演目にご出演だし、やっぱりステキな公演ですね。これからも出来る限り行き続けたいものです。

この日の会場は宝生能楽堂。東京ドームの目と鼻の先に、こんな所があったとは。

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不思議な会場でした。上演中も蛍光灯のような灯りが点いていて、なんだか客席は「大部屋」という雰囲気。声の響き方も国立能楽堂や横浜能楽堂とは随分違ってますね。萬斎さんが登場する頃には慣れちゃってましたが。

それではそれぞれの演目の感想行ってみます。

◆成上り(なりあがり)/石田幸雄・高野和憲・竹山悠樹
そういえば私、「泥棒を見て縄をなうような事して」とよく母に言われてます……。
はたから見ると、あんな滑稽な事だったのですね(爆)。
そして、あんな風に、きっと色々な物をみすみす逃がしているんだろうなぁ。
……なんて反省したのは今であって、見ている時は他人事のように笑ってました
わかりやすく、面白い曲でした。

◆八句連歌(はちくれんが)/野村萬斎・野村万作
登場人物が「太郎冠者」や「次郎冠者」ではなく、なんと「萬斎」と「万作」でした。
「萬斎」にお金を貸す「万作」とか、「萬斎」が来たと知って居留守を使う「万作」とかって面白すぎるんですけど〜。万作さんが「あれは萬斎の声に間違いない」とか言うと、無茶苦茶リアルです。しかし、せっかく詫びに来たのに、会ってもらえない「萬斎」って切な過ぎる〜。お詫びの気持ちを歌に込めるなんて殊勝で、無事会ってもらえた時は、妙にホッとしてしまいました。あと、万作さんに萬斎さんが褒められる場面では「あぁ、認められたよ、良かったね!!」なんて、妙に嬉しくなってしまうという、不思議な感覚に陥りました。

しかし、気持ちを歌に込めるって、素敵な文化だな〜。
歌を文(ふみ)にして、使いの者に渡したりするのも趣があると思っていたけれど、その場で歌をやり取りするのも、乙ですね。っていうか、即興でどんどん作れちゃうなんて凄い。
今はジャニーズ・タレントにも話術が求められる時代ですが、昔は話術より歌を作る才能の方がもてはやされたのかな。

最後に借用書を返してもらって喜ぶ(?)萬斎さんの舞が良かったです。
今迄見た狂言のパターンからは「へっへっへ、儲かった♪ ちょろいもんだぜ」と浮かれる様を連想してしまいますが、これは違うんですね。おちゃらけた踊りではなく、凜とした物を感じました。謡いも良いお声で、とてもステキ
「万作さんの前では、ひたすら誠実で真摯な萬斎さんなのだろうなぁ」なんて私生活を想像してしまう私でした。

gozaru◆牛盗人(うしぬすびと)/野村萬斎・野村万之介・野村裕基 他
これも私生活を想像してしまう演目でした。
萬斎さんと裕基君の親子共演。
しかし、杉作(『鞍馬天狗』)と一緒の時の萬斎さんはとーっても素敵なのに、裕基君と一緒にいる時の萬斎さんは、私が見る限り、いつもシリアスなんですよね〜。
個人的には、楽しかったり、お茶目だったり、トボけてたりする萬斎さんが好きなので、重厚モードはちょっと苦手です。
笑い所が無い珍しい狂言という事でしたが、涙を流さんばかりの萬斎さんの熱演ぶりの方にビックリ。歌舞伎ではああいう演技を見た事がありますが、狂言であんなシーンを見た事は初めてのような。
和泉流占有曲というのには納得。茂山家には似合わなそうな気がしました、なんとなく。

ところで……
今回の私の席は中正面の後ろの方の通路脇でした。
休憩時間に、なぜか「お一人ですか?」と見知らぬ人に声をかけられました。
怪訝に思いつつも「はい」と答えると、席を替わって貰えないかと言うではありませんか。

「都合で途中で帰らなければならないけれど、自分の席は真ん中なので途中退席しづらい。その点、後方の通路脇の席なら退席しやすい」
という事だったか、
「良い席を空けてしまうのはもったいない、演者にも悪い」というニュアンスだったかも。すでによく覚えてない

なんと、その席は、前から3列目(脇正面)という良席でした!!
了承したらお礼を言われましたが、お礼を言うのはこちらの方です。
舞台と客席の間隔が狭く、もともとの席でも結構よく見えたのですが、3列目に行ったら超近くて大迫力。ラッキーでした。席を替わって下さった方には、大感謝です♪ インターネットをやっていらっしゃったら、ひょーっとしたら何かの拍子にこのブログに辿り着いちゃう事もあるかも知れないので、ここでも改めてお礼を書いておきたいとおもいます。ありがとうございました!!

宝生能楽堂の住所は文京区本郷1丁目でした。
この住所を見て何か気づく方、いらっしゃいますか?
当ブログの常連さんで新選組ファンの方だったらわかるかな。
はい、本郷(真砂)は斎藤一ゆかりの土地です
という訳で、ついつい斎藤さんの住んでいた辺りを散策。『一刀斎夢録』の主人公は、この辺りで斎藤さんの話を聞いていたという設定なんだろうなぁ。
またしても、真砂図書館や文京ふるさと歴史館に寄ってしまいました。

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(写真左)歴史館横の家は明治39年頃に建てられたそうです。
という事は斎藤さんが生きている頃だ〜。
この家を建てた諸井恒平さんは、渋沢栄一の親戚で、「セメント王」と呼ばれたのだとか。ウィキペディアにも載っているような人でした。
(写真右)喜多方ラーメンのお店がありました。こちらはさすがに斎藤さんが生きていた頃にはなかった物です(^^;)

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コメント

yagi さん.Recently I learned a Japanese dance called tango bushi.Is bushi here the same as in your name?

投稿: onmyouji | 2009.03.23 09:28

onmyoujiさん
Yes!! I don't know "tango bushi". But I think you are right!
"Bushi" means old traditional Japanese folk song.
My screen name is named after song title. The song title is "八木節"(Yagi bushi).
I love to watch figure skating. My favorite skater danced to "八木節" on the ice.

Incidentally, "Samurai" is also called the "Bushi"(武士).

投稿: YAGI節 | 2009.03.23 20:56

a ri ga do YAGI節 さん.I am kind of interesting of the Yagi bush,maybe I can find it online.
Now I am very nervous about the tickets,no information at all,sigh.

投稿: omnyouji | 2009.04.01 09:51

onmyoujiさん
I hope everything goes well.

投稿: YAGI節 | 2009.04.01 19:32

hiYAGI節さん,I received the addmition information on the eve of 萬斎's birthday,so happy!萬齋さん,お誕生日おめでとうございます!

投稿: onmyouji | 2009.04.06 09:41

onmyoujiさん
You mean you will be able to see 萬斎 next month? Congratulations!!

投稿: YAGI節 | 2009.04.07 00:06

はい !I am so exciting~thogh it will cost me lots of money,but really worthy. Thank you:)

投稿: onmyouji | 2009.04.07 09:32

Oh, have fun!

投稿: YAGI節 | 2009.04.07 18:05

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