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2009.03.01

第85回粟谷能の会

『おくりびと』のアカデミー賞外国語映画賞受賞にちなみ、滝田洋二郎監督&広末涼子さんという同じコンビで作られた作品『秘密』がテレビで放送されていました。
上映当時は、「なんかくだらなそうな話」(失礼!!)と誤解していたのですが、今回偶然見て大泣きしてしまいました。ラストがちょっとだけ納得いかなかったけど。

さて、滝田洋二郎監督といえば『陰陽師』。
『陰陽師』といえば野村萬斎さんです(笑)。

昨年松竹が実施した「好きな歌舞伎20選」の投票でダントツの1位に輝いたのは『勧進帳』でした。
そして、そんな人気演目『勧進帳』の元になっているのが能の『安宅』です。
という訳で、「一度は見てみたい」と思っていた『安宅』を、粟谷能の会でやり、萬斎さんも出演するというので見に行って来ました。

国立能楽堂を訪れるのは4回目。
過去3回は夜の公演だったので、外観がよくわかりませんでした。今回初めての昼なので、写真撮ってみました。

no1 no2

では、感想行ってみます。

能 ◆安宅(あたか)延年之舞(えんねんのまい) 貝立(かいだて)/粟谷明生・森常好・野村萬斎 他
例の如く 一番安い席で見ました。
今回は一番安い席が脇正面の一部と中正面の一部で、私の席は脇正面だったんですが、これが嬉しい事に、萬斎さんを見るには最適の席でした〜
橋掛かりの一部を見ながら、「あの辺に萬斎さんが座ってくれたらいいのになぁ」と思っていたら、まさにその場所にかな〜り長い時間座っていたのです。しかも、見せ場(?)である貝を吹くシーンの時はホントすぐ近く♪ 私に向かって吹いてくれたよ〜(違)。

もう一つ嬉しかったのは、蝉丸の句が出て来た事。
「これやこの 行くも帰るも別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」
百人一首おたくな私です。
この句、歌舞伎にも出て来たかは……記憶にないです〜

びっくりしたのは義経の笠が落ちてしまった事!!
後見が笠を付けてあげていたのですが、なんか据わりが悪く、「手間取ってるなぁ」と思ってはいたのですが、いざ作業完了して、義経が数歩歩くと、笠がコロコロ……。ひゃあ
義経だとバレないように顔を隠す為の笠です。それが落ちては大変!! まさに、富樫が義経を疑っているシーンなのに〜。
義経役は子方(子役)ですが、微動だにしません。堂々としていました。あれにはちょっと感動。さすが、子供でも役者さんなのですね。友枝雄太郎君というそうです。将来の大物?
一区切り付いた所で、後見が拾って再び義経にセットし(これがまた手間取っていた)、何事も無かったように舞台は続いて行きました。♪Show must go on〜というフレディ・マーキュリーの歌声が聞こえました(嘘)。

awaしかし、相変わらず私には能は敷居が高い。
これは多分わかりやすい作品だと思います。
他の能みたいに、「ん? 今、何やってんだ?」なんて事はありません。
歌舞伎の『勧進帳』を2度見ているせいもあるかとは思いますが、ストーリーがわかっていても、「今どのシーンをやっているんだかさっぱりわからない」なんて能もありましたから、そういうのと比べたらやっぱりわかりやすい。
でも……す、睡魔が……。
眠くなると橋掛かりにいる萬斎さんを眺めていたので(眠くない時もつい見ちゃうけど)、記憶を失う事はありませんでしたが、「面白かった」とは言えません……。自分、舞に興味が無いというのも致命的。

はぁ、いつになったら、能を楽しめるようになるのかなぁ。「これも勉強だ」と思い、能も見て来ましたが、なんか、能を見に足を運ぶのも失礼なような気がして来た今日この頃です、とほほ。

狂言  ◆横座(よこざ)/野村万作・野村万之介・高野和憲
高野さんが一言(っていうか一鳴)しか発しない牛の役。
人間が動物役やる狂言の演目を見たのは初めてかも(『釣狐』も『靫猿』も未見)。
なんか「え〜、高野さんにあんなカッコさせて、あんなメイクさせて、あんな風に引っ張って、柱に縛っちゃったりして良いんですか?」とドキドキしてしまいました(^^;)。
あれが見た事もないような人だったらそれ程感じないと思うのですが、小野小町役とか大名役やってた人だしっ
なんか、「モジモジくん」をやってる三谷幸喜さんを見た時のような軽い衝撃をおぼえました。
ちょっと牛の衝撃が強すぎて、他の事よく憶えていないのですが(爆)。
そして、牛に「横座」と名付けるセンスも不思議……。
昔は牛にそういう名前を付けたのでしょうか?……と、なんかお話とは関係ない所に気が行ってしまいました。
万作さんは相変わらず良い味出してますね♪

能 ◆殺生石(せっしょうせき) 女体(にょたい)/粟谷能夫・室生欣哉・石田幸雄 他
主役(シテ)が「妖狐の霊」となっているのですが、この「妖狐」って「九尾の狐」なんです〜。
「九尾の狐」といえば、新選組ファンとしては反応せずにはいられません。
そう、山南敬助と土方歳三を連想しちゃいますよね。
「これはじっくり見なければ」と思ったんですけど……ダメでした。眠くて眠くて……。橋掛かりに萬斎さんいないし(爆)。
この妖狐の面は狐には見えませんでした。人間ばなれした面でしたが、狐よりは数段人間らしい面。着物はお姫様みたいでした。

展示室では、「開場25周年記念 国立能楽堂コレクション展(後期)」がやってました。今回は江戸時代の装束が多かったです。
三つ巴の紋が入った着物がありました〜。

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