保科正之/中村彰彦
以前当ブログのNews Clip欄にも貼ってましたが、「保科正之を大河ドラマの主人公に」という署名運動がありました。35万人以上の署名が集まったそうです。
「ええっ、35万も!?」と驚きましたが、目標は100万人だったらしい。
今、試しに伊那市観光協会のホームページを覗いてみたら、まだ署名を募集してました。(2012年追記:さすがにもう募集してませんでした)
本当は、保科正之の生誕400年にあたる2011年の大河ドラマ化を目指していたようですが、残念ながら同年の大河は『江~姫たちの戦国~』に決まってしまいました。なので11年は無理。
とはいえ、関係者の皆さん、大河ドラマ化はまだ諦めていないようです。もっとも、『江』と同時代の話なので、実現するとしても相当先になってしまうんだろうなぁ。2年連続で同じ時代をやるとかはありえなさそうなので。
今春会津の鶴ヶ城に行ったら署名受け付けていたのに、スルーしてしまった事が悔やまれます。ごめんなさい。当時は、保科正之で大河ドラマを作れるのか、疑問に感じてしまったのです。よく知らなかったし。
しかし、よりによって『江』だなんて。
『江』のせいで保科正之の大河が見られないなんて。
なんだかすごーーーーく複雑な気分。保科正之の本を読んだ今はなおさらです。
はい、またしても前置きが長くなりましたが、タイトルの本を読みました。
「徳川将軍家を支えた会津藩主」という副題が付いています。
新選組ファンならご存知の方が多いと思いますが、松平容保が頑なに守っていたのが会津の家訓(かきん)。
京都守護職も本当は断りたかったのに、松平春嶽に
「えっ、まさか断らないよね。おたくには家訓とかあったもんね、守らなくっちゃだよね~」
と脅され(?)、引き受けざるを得なくなったというアレ。アレを作った会津藩祖が保科正之です。という事は、保科正之がいなかったら新選組も無かったかも!?
という事で、興味はあったけれど、よく知らなかった保科正之の事を、もうちょっとだけ知るべく本を手に取った次第です。
皇居を通る度に思う事があります。
「江戸城の天守閣、再建してくれれば良いのになぁ」という事。
天守閣の無い城なんて、「お城」って感じがしないじゃないですか。江戸城の天守閣は、さぞかし立派だったんじゃないかな~。無くて寂しいです。
天守閣が焼けてしまったのは、1657年の明暦の大火(振袖火事)の時だそうですが、その後の再建の話し合いの時に「天守閣なんていらなくね? そんな物再建するより、町屋の復旧の方が大切だっ!」と言った人がいたから、再建されなかったのだとか。
そして、それが保科正之だったとの事。ビックリした~。そして納得した~。
この話が冒頭に書かれていたので、ツカミは最高です。
その他にも興味深い話てんこ盛り。今だったら「保科正之を大河の主役にしたら、きっと面白い物が出来るよーっ!!」と思うわけです。
それなのに、江……。
正之は二代将軍・徳川秀忠の四男です。そして秀忠の正妻が江。嫉妬深い江を恐れ、正之はよそに預けられるのですが、その預けられた先がなんと武田信玄の次女。その後元武田家家臣の保科家に預けられたそうです。
江のせいで苦労したと思うのですが、死後も江に邪魔されるとは。
会津の家訓は立派な物ですが、一つ納得いかない点がありました。
それは、「一、婦人女子の言 一切聞くべからず」という部分。
いくら時代が違うとはいえ、これってあんまりでは?
しかし、もしかしたら江を意識しての家訓だったりして(^^;)。
その上、正之は怖ろしい妻を娶ってしまったらしいんです。なんとこの奥様、毒殺事件を起こすのです。ひー(>_<)。
正之の死後もこの妻は生きていたので、彼女の力を抑える為に、こんな家訓を残したのではないかと言われているそうです。いや~、納得しました。
という感じで、他にも納得したり驚いたりの話が一杯。会津好きにはオススメです。
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コメント
おーーーこれは素晴らしい!
是非実現して欲しいですね。
先でもいつか見てみたいですね。
後日私のとこでも署名紹介してみますね。
会津の家訓
確かに女としては、なんじゃこりゃ!って思うけど
日本に限らず歴史を色々見てみると
奥さんや女性のせいで、大失敗する人もけっこう居るので
そういうことへの戒め?とかに思えたりもします。
もちろん毒殺妻への力を抑えるっていうのも有ると思うし。
どちらにしても女性の影響力に対する予防対策なんでしょうね。
投稿: もも | 2009.07.22 00:43
ももさん
ねーっ、是非実現して欲しいですね♪
長野日報の記事には、「ふるさとに正之という名君がいたことを知らない市民が多かった」なんて書いてありましたし、伊那市生まれの私の両親は、全く関心がないようですが(^^;)、一部では盛り上がっているのですね~。
>奥さんや女性のせいで、大失敗する人もけっこう居るので
>そういうことへの戒め?とかに思えたりもします。
確かに~っ!!
投稿: YAGI節 | 2009.07.22 23:50
保科正之を大河ドラマにですか、知名度がそんなに高くないので、意外な気がします。
同じ会津なら、松平容保公の方が盛り上がりそうな気もしますが。
色んな所で、大河ドラマの誘致、盛んにやっていますね。
去年、姫路では黒田如水を大河にという運動をしていました。
投稿: 桃源児 | 2009.07.23 05:01
中村さんの本なので、ずいぶん前から気にはなっていたもののまだ手が出ずにいました(^_^;)
中村さんの会津に関する本って必ずと言っていいほど保科正之公の事が書かれているのですがちょっと難しくて、、、でもそろそろ私も読んでみたいと思います!
大河ドラマ是非実現してほしいですよね~♪
こういう書物で読むのも面白いですが映像化されるともっとわかりやすくていいのになぁなんておバカな私は思うのです(^^)
投稿: dandara | 2009.07.23 22:08
桃源児さん
>同じ会津なら、松平容保公の方が盛り上がりそうな気もしますが。
そうなんですよ~。
実は、会津で署名しなかった理由の一つが、「容保公が主役の方がいいな……」でした
今は、容保公主役の物も保科正之主役の物も、両方見たいです~(笑)。
>去年、姫路では黒田如水を大河にという運動をしていました。
う……どうしよう、その方知らないです(滝汗)。
と、こんな今の私のような反応を、保科正之に対して取る人も多いのかも知れませんね。
dandaraさん
中村さんお好きなのですね。
私は中村さんの作品は小説しか読んだ事がありませんでした。史実本は初めてです。
この本では、中村さんの文自体は難しいという感じはなかったのですが、古い資料の引用が多くて、古典が苦手な私はそれが辛かったです。「口語訳付けて下さい~」って感じ
引用部はほとんど理解していないです(爆)。
投稿: YAGI節 | 2009.07.24 01:31
中村さんの本は結構会津人を題材にした本多いですよね。
保科正之の人物像はこの作家さんを通じて知ったようなものです。
「江」よりは保科正之公、保科正之公より松平容保公を映像化してと思っておりますが、
ただこの家訓は正之公が作り、容保公により実践大成されたとある作家さんが言ってましたね。
投稿: 早々 | 2009.07.24 12:05
早々さん
早々さんも、見たい順としては「容保公>正之公>江」なのですね♪
江が気乗りしないのは、正之の天敵(?)という事もありますが、女性が主役だとホームドラマっぽくなっちゃうのが苦手な私です。
「そういう事は大河ではなくて別の枠で」と思ってしまう……
>この家訓は正之公が作り、容保公により実践大成されたとある作家さんが言ってましたね。
第一条に関しては実践するにあたっての目立つ機会は、幕末まで無かったですもんね~。
投稿: YAGI節 | 2009.07.24 23:30