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2009.08.18

殺生石

先日書いた通り、富樫倫太郎さんの箱館戦争3部作の1つ『殺生石』を読みました。

「殺生石」といえば、能や歌舞伎で有名です。玉藻前という絶世の美女に化けた白面金毛九尾の狐が石に閉じ込められるというお話。
これ、「女狐」という言葉の由来になっているという説がありました。「傾国の美女=女狐」みたいな。
なんとこの狐、美女から美女に転生していて、日本のみならず、古くはインドや中国の為政者をたぶらかしていたのだそうですよ。

と、そんなお話を下敷きにはしつつも、今回登場する九尾の狐はその伝説とは少し違ってます。が、やはり国を滅ぼしかねない恐ろしい化物で「実は○○だった」というビックリ設定です。ちなみに○○に入る文字、土方ではないです。念の為(笑)

そこに、サンジェルマンとカリオストロの伝説が加わってます。
前作が前作だけに、「サンジェルマン」というと、ついパンを連想してしまう私ですが(爆)、わかる方にはわかるのでしょうね。随分小説や漫画、ゲームなどに取り上げられている人みたいなので。一言で言えば怪人?(^^;;;;)

「カリオストロ」からは『ルパン三世カリオストロの城』しか連想出来ませんでしたが(爆)、マリー・アントワネットでお馴染み「首飾り事件」で失脚した人だったんですね~。ちなみにウィキペディアで調べてみると、肩書きが詐欺師・錬金術師となってます。それで、ウィキペディアに載るなんて、すごい。

そんな海外の著名人と競演するのは、日本の誇る箱館戦争オールスターズと陰陽師・安倍泰成(晴明の子孫。晴明といえば狐なので、なんか皮肉?)、さらにアイヌの英雄が加わるという夢のキャスティング。異種格闘技戦の様相を呈します。

思い切りフィクションなんですが、大鳥圭介ファンは読まない方が良いかも知れません。悲惨な事になってます(^^;;;;)。
土方歳三は無茶苦茶カッコ良いです。富樫さんが描く土方は、いつもとっても素敵なんですよね~。
特に虐待されていたアイヌを助けるシーンの素敵な事!! 弱い者いじめを見ていられないという土方、魅力的です

アイヌといえば……小学生の頃、仲の良かった女の子が『コタン』という北海道料理のお店のお嬢さんでした。もしかしたら、彼女はアイヌだったのかなぁ? 当時はアイヌが差別されていた事なんて全く知りませんでした。彼女の家には、熊の剥製や民族衣装が飾ってあったような朧気な記憶があります。

結構厚い本で、最初は「最後まで読めるかなぁ?」と不安になりましたが、ぐんぐん引き込まれました。なんてったって、考えられない程の豪華キャストだし(笑)。とっても読みやすかったです。面白かったです。

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コメント

お久しぶりです! お元気でしょうか?

殺生石そんなに歳三様がかっこよく描かれているのですか?!  それは読まなきゃ! 
情報ありがとうございます!m(__)m

投稿: HS | 2009.08.18 19:00

サンジェルマンやら安倍泰成は、富樫さんのオリジナルじゃないんですね。知らないで読んでました。知らなくても読めるけど、知ってたらもっと面白く読めんただろうなぁ。

富樫さん、どの本も大鳥圭介は、ぼこぼこですよね(笑)「箱館売ります」を読んだ頃は、新撰組の小説を読み始めたばかりの時で、はじめの印象が残ってしまうのか、大鳥圭介って駄目な人なんだ~っていまだに思ってしまいます(笑)

富樫さんって、土方が好きなんだろうな~…

投稿: Mini子 | 2009.08.19 21:38

あれ? 何した訳でもないんですけど、二度UPされてしまいました(汗)申し訳ございませ~ん

投稿: Mini子 | 2009.08.19 21:46

HSさん
お久しぶりですっ♪
これ、土方さんはかっこ良くて理想的なんですが、ストーリーはすごいですよ(笑)。
覚悟してお読み下さいね。史実の事は忘れて下さい(^^;)。

Mini子さん
ライブドアもそうでしたが、ココログも時々調子悪い事あるみたいです……。
ご迷惑おかけして申し訳ありません~。
重複分は消しておきました。

>大鳥圭介って駄目な人なんだ~っていまだに思ってしまいます(笑)

あはは。
まぁ、富樫さん程ではないにせよ、あんまり「スゴイ人だ~」っていう風に描かれている物もないですよね。
私は映像のイメージが強烈で、『新選組!!』の大鳥さんの印象が強いんですが、真っ先に思い浮かぶのが「ひ~じか~たくんっ!!」という裏返った声です~

>富樫さんって、土方が好きなんだろうな~…

ですね♪

投稿: YAGI節 | 2009.08.19 23:29

すごく面白そうですね!

こんなオールスター夢の競演みたいな話は大好きです。
山田風太郎さんの『魔界転生』とか夢枕獏さんの『大帝の剣』とか(両方とも幕末ではないですが)。

新選組関係では高橋克彦さんの『刻謎宮』で沖田総司とヘラクレスが(その他にも諸々)競演してました。
他の新選組の隊士は出ませんが…。

投稿: D伯爵 | 2009.08.20 00:55

D伯爵さん
山田風太郎さんはオールスター競演お得意ですよね♪
夢枕獏さんもそういう小説書いているのですか。
ちなみに私、『陰陽師』デビューは夢枕さんの小説だったんです。
(当時は萬斎さんのファンになるとは想像してなかったなぁ)

『刻謎宮』面白そう!!
しかし、今チェックしてみたのですが、随分長編なのですね~。

投稿: YAGI節 | 2009.08.20 22:04

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