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2009.08.28

ドリアン・グレイの肖像

シリアスなストレートプレイは苦手で、余程の事がない限り見に行かない私ですが、山本耕史さんがドリアン・グレイを演るとなれば話は別。興味津々です。タイトルの舞台、見に行って来ました。

今回は長文です。
しかも、舞台とは関係ない話が多いので、山本さんの話がお目当ての方はこの先読まない方がよいかも知れません。がっかりすると思います~。

オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』はデヴィッド・ボウイの愛読書。
ボウイは、この小説をモチーフとしたプロモーションビデオも作っています(『怒りをこめてふり返れ』)。

思えば私は悪い事は全てボウイから教わっているような気がします。
ボウイを好きになってしまったせいで、自分の趣味とは異なる物にも色々触れてきました。ボウイが出演したり関係している作品はもちろんですが、ボウイが好きだという小説を読み、絵画や映画を見ました。
ボウイの音楽は大好きですが、残念ながら彼の創造する音楽以外の物とはあまり相性が良くありません。私の感性はボウイとは異なっているようで、手放しで好きになれる物はほとんどありませんでした。しかし、その事実を受け容れるのが癪で、何かしら好きな所を見つけたくて、躍起になりました。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』や『トレインスポッティング』はストーリーは苦手だけれど、「音楽が素晴らしい!!」とか
『1984年』は怖ろし過ぎるけど、凄いとか(これは、ほんっっっとに衝撃を受けました)
ダリは、恐い絵は苦手だけれど、「たまに同じ人が書いたとは思えない、ビックリする位美しい絵がある」とか
Michael Halsband *ウォーホルとバスキア  【ポスター+フレーム】シルバーバスキアなんて、素人の私には子供の書いた絵みたいに思えるけれど、「恐竜の絵とジャズプレイヤーの絵は好き」とか
アンディ・ウォーホールの良さもよくわからないけど、「なんか面白い気がする」と思い込んでみたり
もうほとんどこじつけ?(^_^;)
まぁ、中には『路上』、『エブリバディ・ラブズ・サンシャイン』、『ローラ・パーマー最期の7日間』のように、こじつけようにも好きな所を全く見つけられない物もあるんですけどね。あ、『ツインピークス』はテレビ版は一時好きでしたが。

今挙げたのは、どれもボウイ・ファンにならなかったら、手を出さなかった物ばかり。ホントは退廃美だとかゲイやドラッグ、暴力とか関心ないんです~っ!!
サイケデリックな物は音楽だけで十分だし、脳をやられそうな物なんて、出来れば避けたいんです~っ!!
ボウイのおかげで未知の世界を随分覗かせてもらったけれど、それは良かったのか、悪かったのか……?

Grayで、オスカー・ワイルド。
当然読みましたが、案の定手放しで「好き」とは言い難い。

『ドリアン・グレイの肖像』を初めて読んだ時はショックでした。
10年以上前に読んだので、今回舞台を見る迄はかなり忘れていたんですが、見て色々思い出す所がありました。
普段忘れっぽい私ですが、これに関しては意図的に封印していたんじゃないかと思ってしまう。これ、精神衛生上良くないような気がします。人間不信になるというか。

ヘンリー(準主役)はヒドイ人です。本人には自覚ないと思いますが(笑)。
もし、ドリアンに親がいたら、「あんなヤツとは付き合うな」と忠告したでしょうか?
しかし、残念ながらドリアンに両親はいませんでした。

ヒドイ人と言いながらこんな事を書くのは恐縮ですが、ヘンリーとボウイがダブって見えます……。

今迄はずーっとボウイとドリアンを重ねて見てました。
『怒りをこめてふり返れ』でもボウイがドリアンのような役回りになっていますし。
でも、こんなに私に影響を与えるボウイはまるでヘンリーではないですか。
もっとも、こんなに影響受けまくっているにも関わらず、実際の私はドラッグはおろか、お酒も煙草もやらないクリーンな人間ですけど。
あ、私、たとえ、ボウイに直接ドラッグ勧められても断れる自信ありますから(笑)。
っていうか、今のボウイはクリーンだと思いますが。
過去のおかしなボウイがタイムスリップしてやって来て誘惑しても、キッパリ断れると思いますよ……って、何の話してるんだか

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)えっと、40年位前のボウイは、ドリアンでありヘンリーだったんじゃないかと思ったのです。
この2人は似た者同志だと思います。客席から見れば違うけれど、実際知り合って近くで見たら同じような物なのでは? どちらも周りを堕落させる怖ろしい存在です。大きな違いはヘンリーの方が強くて賢い事かな。そして、ドリアンが弱く愚かになってしまったのは美貌のせいもありそう……

ドリアンは最後「善人になる」ともがき苦しみ結局失敗しますが、ボウイはもがき苦しんだ末に地獄から抜け出す事に成功出来た人なのではないでしょうか。そして、それは自らの美貌を利用したとはいえ、それだけに頼らなかった事が勝因なのかなぁと思ったりする今日この頃。

そういえば、その昔『MUSIC LIFE』誌に読者の考えたこんな川柳が載ってました。
私がファンになった時、既にボウイはベテランの域に入っていたのですが、そんな彼を評して、

「迫り来る 老いの恐怖に 荒稼ぎ」

かなり前の話なのに、あまりにもインパクトがあって忘れられません。
貴族のドリアンはお金の心配はいりませんが、浮き沈みの激しいロック界では稼げる時に稼いでおかないといけない? でも、今のボウイは、もう悠々自適かも知れませんね~。

ワイルドの他の作品も読みました。
『サロメ』は私的には「なんだかな~」というお話なのですが、なんと『幸福の王子』もワイルドなんですよね。これを知った時は嬉しかった。童話です。
「あぁ、あのワイルドが健全な物を書いていたなんて♪」と嬉々として、忘れていた内容を思い出すべく慌てて読んだっけ。しかし、これが意外とヒドイ話で、所々毒が
「あぁっ、童話でも侮れなかった。やっぱりワイルドだ」と青くなりました。最後はとってつけたようではありましたが、一応ハッピーエンドになっていて、ちょっと安心したんですけどね。
あ、この考え方、上で書いた「ダリにも美しい絵がある」と同じですね。
なんか、奇人と呼ばれる人の常人的な部分を見つけると、安心するみたいです。
こんな事言ってたらヘンリーに「つまらない人間だ」と言われそう~

ファイナルファンタジーVII プレイアーツ vol.2 セフィロスところで、原作のドリアンは金髪なのに、どうして舞台版は銀髪になっていたのかな~。
ポストトークで山本耕史さんはご自身の格好について「ファイナルファンタジーに出て来そう」とおっしゃってましたが、言われてみればセフィロスだぁ(^^;)。

あと、貴族の割には胸板厚すぎた気が。山本さん、鍛えてるんでしょうね~。

「ポストトーク」とさらっと書いてしまいましたが、実は聴いて来たんです。面白かったです。
特に印象に残ったのは、演出の鈴木勝秀さんの「ほとんどの人が美しいと思うものは大したことない」というお言葉。
そうかも知れませんね。半分納得、半分疑い。
普通の人が感じる事の出来ない所に美を見出せる人が、センスのある人だとは思います。
ワイルド、そして、上につらつらと挙げたボウイの好む物も、そういう物だし。自分はセンス無いなぁと感じます……
ワイルドの作品を味わう時にはそういう所も試されるらしいです。
リトマス試験紙みたいな物だとかおっしゃってたかな。

PHSのミュージックプレイヤーに「亡き王女のためのパヴァーヌ」(劇中で山本さんがハミングしていた曲)が入っていたので聴きながら帰りました。私のお気に入りは須川展也さんヴァージョンです♪

asahi.comのここに山本さんのインタビューと写真が載ってました。
メガネとシャツ、昨日見たのと同じだ~♪

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コメント

ファイナルファンタジーのこのお方なんですね。
耕史ドリアンが自分の事似てるといったのは・・・
確かにかなり似ておりますね(爆
納得です!


>悪い事は全てボウイから教わっている

悪い事ですか(笑
私は悪い事は山本耕史から教わってる、かも。
彼の出るお芝居とか雑誌とか追っていくウチに色々
世界が広がりましたから!


そういえば昔付き合った人がダリだとかバスキアとか
アンディ・ウォホールとかに興味をもってたけど、
あれは彼がデビッド・ボウイが好きだったから、その
つながりだったのだなあと、ここ読んで十何年ぶりかに
腑に落ちました(笑

投稿: 華乃子 | 2009.08.30 13:21

華乃子さん
はい、これが、セフィロスです(笑)。
セフィロスが持っているのが日本刀だった事は今回初めて知りました。っていうか、忘れてたのかな。当時はまだ新選組ファンでもなく、武器には関心なかったもので……。
ちなみに『正宗』だそうです。さすがに『兼定』じゃなかった(^^;)。

ボウイの事も『ドリアン…』の事も両方知っている方でないとわからないような不親切な記事になってしまったんですが、ボウイ・ファンの方とお付き合いされていた事があったとは!!

若い頃のボウイは結構ヒドイ事やらかしてるみたいです。
もっとも、噂と真実の境目がよくわかりませんけどね(^^;)。

>私は悪い事は山本耕史から教わってる、かも。

ふふふ。好きな人の影響は受けちゃいますよね。
ヘンリーの「良き影響などというものはあるはずがない。影響はすべて不道徳なものだ」という言葉は印象的で、わからなくもないんですけどね~。
(正確なセリフが再現出来ないので、手持ちの小説から引用しました)

それにしても、ヘンリーって、弁舌巧み。
反発しつつも、どこか納得してしまう。ヘンな説得力があってタチ悪いです。
それが、ワイルドの魅力という事か……?

投稿: YAGI節 | 2009.08.30 22:54

ようやく感想を読むことが出来ました(鑑賞するまで封印してた・笑)。
YAGI節さんの溢れるボウイ愛がとっても良く伝わってきましたvv
ポストトークも聴いてきたのですねー!
個人的にスズカツはあまり得意な(共感できるところが少ない)演出家さんですが
もし裏話を聞けたなら、そういう印象も変わったかも…と
思ってしまいました(苦笑)。

胸板厚い銀髪の耕史ドリアン、美しくて耽美全開でしたけど
体系的にはおよそ貴族に思えませんでしたよね~(苦笑)。

投稿: Aki_1031 | 2009.09.05 01:34

訂正デス。
得意な→得意でない…でした(汗)。
失礼しました~っっ。

投稿: Aki_1031 | 2009.09.05 01:36

>「迫り来る 老いの恐怖に 荒稼ぎ」

そういえば、そんな川柳が載っていたような・・・(笑)
私も昔(25年以上前)、MUSIC LIFEの読者投稿欄に
ギャグハガキを何度か載せてもらったものでした(笑)

中学生の頃、かなり耽美系にはまっておりまして(^^ゞ、
そちら系の小説を読みまくったり、
ボウイやジャパンを聴きまくったりしていたんですよ。
YAGI節さんの記事を読んでいたら、当時のことをリアルに思い出しました。

投稿: まきこ | 2009.09.05 21:02

Akiさん
「ボウイとドリアン」とでも名付けた方が良いような超私的な記事に、最後までお付き合い頂き恐縮です~。

>およそ貴族に思えませんでしたよね~(苦笑)。

そうなんですよね~。
「原作と別物」と思えば良いのかも知れませんが、ちょーっと私のイメージとは違ってました。
やっぱり山本さんは土方さんみたいな役がいいです(^^;)。

っていうか、もう土方さんのイメージが強すぎて、他の役はどんなに好演していてもハマれない身勝手な私です。何かヘンな思い入れがあるみたいです。他の『組!』役者の皆さんにはそこまでの思い入れはないんだけどなぁ……。

まきこさん
おおっ、あの川柳ご存知でしたかっ!!

>MUSIC LIFEの読者投稿欄に
>ギャグハガキを何度か載せてもらったものでした(笑)

きゃー、ステキ~!!
ちなみに、私は『週刊ベースボール』の読者投稿欄に何度か載せてもらってました。
ハガキ掲載デビューは、『輝け甲子園の星』だったと思います(笑)。

「耽美系→HR、併せて野球」という流れ、同じですね~♪
いや、ホントは「耽美系が好き」という自覚は全くなかったのですけどね。
長髪は耽美系と繋がるのでしょうか?
長髪もあまり好きではなかった筈なのに、ジョン・ボン・ジョヴィが髪を切った時はすごーくショックで、そんな自分に驚きました。
どうやら、自分の事がよくわかってないみたいです(爆)。

投稿: YAGI節 | 2009.09.05 22:01

連投失礼します~。

>私は『週刊ベースボール』の読者投稿欄に何度か載せてもらってました
>ハガキ掲載デビューは、『輝け甲子園の星』だった

す・て・き~!!
YAGI節さん、尊敬しますっ(笑)
音楽雑誌と耽美雑誌の常連だった私ですが、
野球雑誌には1度も投稿したことがないんですよ。

長髪と耽美って、繋がりますよ~( ´艸`)

投稿: まきこ | 2009.09.07 22:21

まきこさん
いえいえ、私はまきこさんと違って常連の域までは達する事が出来ませんでした。
でも、ついついネタを考えていた時期とかあります(笑)。

『週ベ』を買わなくなってもう何年も経つのですが、今でも投稿なんて受け付けているのかなぁ?

音楽雑誌は廃刊も多いですよね……(涙)。

投稿: YAGI節 | 2009.09.08 00:07

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