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2009.10.14

12年ぶりの『レ・ミゼラブル』

日曜劇場『JIN-仁-』観ました。
原作の漫画も好きですが、ドラマもいい~。夢中になって観ました。
こんなに虜になったドラマは、同じく日曜劇場『ぼくの妹』以来。
もっとも、『ぼくの妹』は視聴率も評判も悪く、酷評を見聞きする度「ふっ、どうせ私は趣味悪いよ」とやさぐれて(?)ました。『JIN-仁-』は評判良いみたいなので、グレずに済みます~(笑)。
とはいえ、今日の本題は別。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観て来ました。

オールタイムで一番好きなミュージカルです。

Cast3「同じ作品をリピートするより、観た事ない作品を観たい」と思う私ですが、これは少なくとも5回は観ています(チケットが5枚保存されていた)。帝国劇場で4回、ロンドンのパレス劇場で1回。私にとっては特殊な事です。
さすがに、「もういいだろう」と、しばらく我慢していましたが、早いもので最後に観てから12年も経ってしまいました。久々に行ってみました。

キャストは日替わりですが、私が観た今回のキャストは右写真の通り。
「神田沙也加さんのコゼットを観てみたい」とか、「三谷六九さんのティナルディエってどんな感じだろう?」なんて興味を持ちつつも、それらは諦めて、一番に優先したのが主役。
山口祐一郎さんがジャン・バルジャンの日を狙ってみました。山口さんは10/20までしか出ないようですが、もう出演日全席売り切れ(10/14現在)です。私と同じ事考えてる人が多いのかな。

過去4回の日本公演ではいつも鹿賀丈史さんの日を狙って行ってました。
他の人が演じるバルジャンと比較してみたい気もあったんですが、鹿賀さんがあまりに素晴らしかったので、いざとなると結局鹿賀さんの日のチケットを買ってしまったんです。
その鹿賀さんも随分前に『レ・ミゼラブル』を卒業されました。
果たして、山口さんのバルジャンは鹿賀バルジャンを超えるのか? 興味津々で劇場に向かいました。

Le2 Le3

最初のOverture『囚人の歌』を聴いた時は、やや違和感が。
「あれ、もっと重低音響いてなかったっけ?」という印象。
なんだかちょっと軽く聞こえてしまったのですが、自分の中で勝手に重苦しいヴァージョンにアレンジをしていたのでしょうか?

しかし、やっぱり『レミゼ』はメロディが素晴らしい。名曲ばかり。駄曲なし。
そして、オーボエが素敵過ぎ~ これぞ、『レミゼ』って感じだ~。シビれる~。幸せ~。
で、なんと『司教』で、いきなり涙が。
これは『レミゼ』で泣いた最短記録です。
これからなのに。まだ、プロローグだよ。ここで泣くのはあまりにも早過ぎて恥ずかしい。我ながらビックリ。
ハンカチを忘れた事に気付きました。涙を拭えない

そして11曲目『ファンティーヌの死』でまた涙。
前回観た時は、6曲目『夢やぶれて』で泣いた気がしますが、今回はプロローグで泣いたせいか、ちょっとズレてるようです(?)。

無事1幕をハンカチ無しで乗り切り、休憩時間にコゼットの絵が描かれたタオル・ハンカチを売店で購入して、2幕目はそれを握り締めて臨みます(^^;)。

毎回泣く『オン・マイ・オウン』では泣かず、『恵みの雨』で涙。
そして、大好きな『彼を帰して』。
うう、山口さんの高音も素敵ではないですか~。ラストの「家へ~~~」が長く伸びて美しい
ここでかすれちゃったりすると興醒めですが、バッチリですよ。うっとり~。

そして、『ジャベールの自殺』。
ジャベール……。
初めて観た時は、「バルジャンを追いかける憎いヤツ」という印象でした。
しかし、二度目以降は憎めない人となりました。
新選組ファンになった今観ると、まるで近藤勇や土方歳三ではないかと(こじつけ?)。

ジャベールは「職務の奴隷」なんて言われます。
新選組も「幕府の犬」なんて言われてました。
職務に忠実に生きる事が正しいと信じてやってきたのに、その「正義」を揺るがす存在が現れてしまうというのが共通点だと思ったわけです。
佐幕派ではあったけれど尊皇でもあった近藤は、賊軍と言われた時に何を思ったでしょう? 「自分がやってきた事は間違いだったのか? いや、そんな筈はない」と激しく葛藤していたと思います。

「あいつは俺に この命与えて殺した」「ジャン・バルジャンの世界を逃れたい」というジャベールの言葉が印象に残っています。
近藤や土方も「長州や薩摩の世界では生きられない」と思っていたかも。近藤は流山で一度は切腹しようとし(諸説ありますが)、土方は降伏直前に五稜郭で戦死した事を連想してしまいました。
信念という拠り所を無くしては、生きていけないのですね。自分の信念を曲げられない頑なさが切なくも眩しいです。
バルジャンが悪いわけでも、薩長が悪いわけでもないのですけどね……。「正義」って、厄介だなぁ……。

しかし、ジャベールのシーンは1階で観たかった。
ジャベールのシーンにはよく星が出て来るのですが、星を見上げる感じがすごく良いのです。私が観たB席だと見上げるのではなく、見下ろす感じになってしまうのが残念。

そして、エピローグでまた涙。
私、観劇では滅多に泣かないのですが、『レミゼ』では毎回泣くなぁ。
ストーリーに泣くのではなく、歌にやられているんだと思います。
歌を聴いて涙したのは、『レミゼ』が最初だと思います。

基本的に悲劇は嫌いな私。
『レミゼ』も歌のない映画版には全く興味無かったし、小説版も子供向けのダイジェストみたいな物しか読んでいません。ストレートプレイになっても観に行かないと思います。
しかし、ミュージカル版はとにかく音楽が素晴らしいんです。

お目当ての山口さんは、↑の『彼を帰して』はじめ、どれも鹿賀さんの歌い方を継承しているように思いました。っていうか、「こういう風に歌ってね」というのが演出家側にあって、鹿賀さんも山口さんもその通りに歌われているのかな。
バルジャンの歌にはキーの高い曲が多いかも。鹿賀さんのテナーを「美しい……」と思ってましたが、山口さんの歌声も、他の役では聴いた事のないようなお声で、ちょっとビックリしました。新たな魅力を見つけた感じ♪

それにしても、私が見に行かなかった間に、内野聖陽さんのジャベールだとか山本耕史さんのマリウスだとか吉野圭吾さんのアンジョルラスなど素敵な配役があったらしいですね。それらを観ていないのが悔やまれます。これじゃ、『レミゼ』ファン名乗れないなぁ

Le1

ハンドタオルは今回購入。マグカップは15年位前に貰った物。いまだに1日1回は使ってます。割れません。
「まだ大事に使ってますよ」とくれた方に言ったら驚くだろうなぁ。今は付き合いがありません。

Le4これも同じ方からの頂き物。
『オン・マイ・オウン』(島田歌穂さん)のカセットテープ(!)です。

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コメント

「ぼくの妹」は全く観てなかったんですが、評判、あまりよく無かったんですね?(^_^;)

で、「JIN-仁」は原作を既に読まれてたんですね~
ホント、評判が良いようで、もう再放送もするそうですね♪
この間のオンエアは観たんですが、録画をしそこなったので、この再放送、録画しようと思います♪

投稿: あさぎ | 2009.10.15 17:26

あさぎさん
『ぼくの妹』、大好きなんですけど、良い評判は聞きません(;_;)。
ただし、「わたしの弟」はあのドラマ好きらしいです。血は争えない?

『JIN-仁』、私が読んだのは9巻位までですが、原作とドラマと結構違ってます。
大沢さんがカッコ良かったので、原作より好きかも~

ちなみに私、ドラマの台本は7話まで読める環境にあるんですが、読んじゃうとドラマの楽しみが半減しちゃいそうなので、読むのを我慢する事にしました。

投稿: YAGI節 | 2009.10.16 23:42

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