第22回 市川狂言の夕べ
本当は行く予定ではなかったのですが、
前から3列目という超ステキな席のチケットが、公演日直前だったせいか、定価以下でオークションに出品されていたので買っちゃいました。
2年連続の「市川狂言の夕べ」です。
去年は行徳文化ホール。今年は市川文化会館。
公演前の解説が野村萬斎さんでした。
解説がある事は知っていましたが、どなたが担当するのかは知りませんでした。
去年は萬斎さんじゃなかったし。
なので、萬斎さんがいきなり出て来た時はびっくりした~。
すぐ近くに萬斎さんが~
体調があまり良くないので、チケット買った事を電車の中でちょっぴり後悔していたのですが、「来て良かった!!」と思いました。
まずはインフルエンザが流行っているという時事話から。
お仕事柄声が大事なので風邪の予防には敏感との事。新幹線で隣の人がマスクをしないで咳をしたので、慌ててご自身がマスク着用したなんてお話をされてました。
イタリア公演から帰って来たばかりだけれど、イタリアでは白いマスクは珍しいので、着けてると怪訝な顔をされるとか、「オペ室から抜け出て来たと思われそう」なんて事をおっしゃってました。
先日能楽堂でお客さん同士のケンカが起こり、その原因がくしゃみだったなんてお話も。
スタッフが仲裁に入る程のトラブルがあったという話は某方のブログを読んで知ってましたが、くしゃみが原因とは……。
それから演目の解説があって、最後は質問に答えるコーナー。
そういえば、去年は会場の入口に質問用紙が置いてあったっけ。
今年もきっと置いてあったんだろうなぁ。
しかし、私、開始時間ギリギリに滑り込んだもので、そんな物は見ておりません。
実は、市民会館と文化会館を間違えて、変な出口(駅)から出てしまい、危うく遅刻する所だったんです。コンパス持ってたので「家で地図をチェックした時は駅の南にあったのに、なぜ私は北に進もうとしているの?」と気付きました。方向音痴な私も、少しは進歩しているようです(そうか?)。
まぁ、もし質問用紙を見かけていても、去年同様良い質問は思い付かなかっただろうなぁ。
ちなみに、私が一番知りたい事は相変わらず、
「鞍馬天狗の続編ありませんか?」
絶対答えて頂けなさそう
で、こんな質問に答えていました。
「狂言足袋はなぜ黄色い?」
「良い質問ですね」と萬斎さん。
いいなぁ、私も褒められたい(違)。っていうか、私、狂言足袋が黄色いって恥ずかしながら知りませんでした。慌てて萬斎さんの足元を見ましたが白です。解説の時は黒紋付ですもんね(^^;)。
なんと、この狂言足袋を作っていた職人さんは高齢になり、製造をやめてしまったそうです。他の所で作ってもらう事にしたそうですが、その騒動について「足元から、ひたひたと危機が押し寄せてきた」みたいな表現をしてました。
お芝居が始まってから再チェックしようと思ったのに、その後足元を見る事はすっかり忘れてました(ばか)。
「どんなトレーニングをしている?」
していないそうです(笑)。
稽古がトレーニングになっているとの事。『釣狐』みたいな大曲をやる前は心肺機能を鍛える為ランニングや縄飛びをする事もあるそうです。
あと、健康管理の話にも及びましたが、「笑う事が体に良いのかも知れない。狂言師は長生きする人が多い」なんて事をおっしゃってました。「舞台上でこんな風にお客さんより先に笑っているし」と、例の笑いの「型」を披露。
「衣装の管理はどうしている?」
歌舞伎のように衣装方がいる訳ではなく、自身で管理をしているとの事。着物の洗濯は出来ないので干すだけ。汗をかいた時は……えっと……拭く……? ん? 叩き出すっておっしゃったっけ? あ、そうそう、こすっちゃダメで叩くのだそうです。
他にも色々おっしゃっていたと思いますが、もう、思い出せない~。
演目は高野和憲さん・石田幸雄さん・深田博治さんの『文相撲』(ふみずもう)と
萬斎さん・万之介さん他による『釣針』(つりばり)でした。
『釣針』は今年1月に萬斎さんと万作さんの共演で見ましたが、共演者が変わっても、それ程印象に違いは感じませんでした。二度目でも楽しい。好きな演目です。
『文相撲』は、『蚊相撲』のパロディ? とっても似てますね。
いや、逆な気がする。
『文相撲』が先で、夏に「あ、試しに相撲取る相手を蚊にしてやってみよっか」なんて事になり、それがウケて、そのうち夏は蚊でやる事が定番になったのかも……などと勝手な想像をしてみました。実際の所はどうなのでしょう?
今日は演目の話より、解説の話が圧倒的に長くなっちゃいましたね。
それだけ萬斎さんのお話が聴けて嬉しかったという事です(^^;)。
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