『一刀斎夢録』終了
『週刊文春』で2008年10月からスタートした斎藤一主役の小説『一刀斎夢録』が完結しました。2~3週おきに図書館に通い、全話読みました。
終わってみれば20ヶ月程ですが、連載中はどの位続くのか見当も付かず、先の見えない20ヶ月でした。
いきなり図書館へ行っても希望の号が無かったりするので、いちいち予約したりして(インターネットで出来たとはいえ)意外と面倒でした。「だったら買えばいいじゃん」と言われそうですが、買っても週刊誌はゴミになっちゃうんですよね。
それに80週以上だと、トータル3万円近い出費となります(一冊350円で計算)。3万あったら、京都行けちゃいます。いや外国にだって行ける。私にとっては大きな額です。
ん? 週に350円節約するだけで20ヶ月で3万貯まるという事は、700円節約したら6万、1400円節約したら12万になるよ……週に1400円節約するには一日200円節約すればよいのだから……一日200円節約するだけで、20ヶ月で12万貯まるという事ですよ!? と当たり前の事にビックリしたおバカな私でした(^_^;)。
話がそれました。
この小説は、
剣術試合(剣道だったかな?)を前にした一人の近衛将校が、「この老人に話を聞けば、何だか強くなりそうな気がする」という予感に駆られて、ある老人に話を聞きに行くという物なんですが、その謎の老人が斎藤一なんです
幕末から西南戦争までの思い出が語られます。その中に強くなる秘訣があるのか否か……は伏せておきますね。
20ヶ月というのはそれなりに長く、忘れてしまった部分もかなりありますが、ここで描かれている斎藤一はかつての浅田次郎作品に登場する斎藤一とほぼ同じです。年を取ってからの斎藤はいくらか丸くなっているようではありますが、思い出話に出て来る斎藤は相変わらずです。『壬生義士伝』同様、あの某有名人を殺した設定になってますし、人間嫌いで人斬り好きの鬼のような設定は変わってません。「義」とはほど遠い感じの人です。
浅田さんは斎藤の事をキライとは決して思えない(むしろ好きそう)のに、どうしてああなるのか……? ああいう斎藤がお好きという方もいらっしゃるようですが、私は苦手です。っていうか、斎藤ファンなのに、浅田さんが描く斎藤の心境が悲しい事にほとんど理解出来ません。読解力がないのか、自分の経験値が低いのか?
特に『一刀斎夢録』のクライマックスのあの人との対峙については、「??????」とクエスチョンマークだらけ……。あと30年位生きて人生経験を重ねればわかるようになるのでしょうか? 剣術習わないとわからないでしょうか? ううむ???
(ネタバレになってしまうので詳しく書けません。わかりづらくてすみません)
という訳で、浅田さんが描く斎藤は好きではありません。
途中何度も挫折しそうになりました。それでもどんな事が書かれているか気になって、最後まで読み続けたという次第です。部分的にはすごーくカッコ良い所もあります。もちろんとても強い斎藤です。そして松平容保の事だけは、とても敬っているようで、そこは嬉しかったです♪
斎藤さんの愛刀・鬼神丸国重の行方について書かれていて、それも嬉しかったなぁ
でも、この小説を読んだ方に、「YAGI節の好きな斎藤ってコレか」と思われると、ちょっとツライ。私が好きな斎藤一は司馬遼太郎さんが描く『新選組血風録』や、三谷幸喜さんが描く斎藤一なので、よろしくお願いします(って、何を?)。
| 固定リンク
コメント