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2010.08.28

『ロックンロール』とチェコ

世田谷パブリックシアターで『ロックンロール』を観て来ました。
こんなタイトルですが、ミュージカルではありません。ストレートプレイ。

Rock1常々「ストレートプレイ苦手」とか言っちゃってる私ですが、にも関わらず行ったのは、まずタイトルに魅かれたから。
そして、市村正親さんが出るから。
そして、イギリスとチェコが舞台だから。

イギリス好きな人というのは世間にはたくさんいると思いますし、好きな理由も「デヴィッド・ボウイの出身地だから」という以外はごくごくありふれた理由なのでスルーして、今日はチェコの事を書いてみようと思います。

第一印象は「共産主義で自由の無い暗い国」というマイナスなイメージでした。当時はチェコスロバキアでした。
ここで、私がティーンエイジャーでない事がバレましたね(とっくにバレてる)。

が、その後、プラハの事を「東欧一美しい都市」と表現している本を見て、一転憧れるようになりました。ギャップにやられちゃった感じ?

ドヴォルザーク・イン・プラハそして、氷の競技で印象的な選手を輩出しているというイメージも強い。
チェコスロバキア時代の選手としてはペトル・バルナというフィギュア・スケートの選手が印象に残っています。アルベールビル五輪の銅メダリスト。
エキシビションでチャップリンの演技をした事に驚かされました。ちなみに共産党政権が崩壊したのが1989年、アルベールビル五輪は1992年でした。

フィギュアの話をもう少し。
オールタイムで私が最も好きなペアといえば、コバリコーヴァ&ノボトニー組というチェコのペア。
美男美女の絵に描いたような美しいペアでした。私は「好きな顔に生まれ変われるのならコバリコーヴァの顔がいい」と思っていたっけ。

その後、念願叶ってプラハを訪れる事が出来たのですが、噂に違わぬ美しい街ですっかり気に入りました。
「ここをあんな美しいカップルが歩いていたのかぁ」なんてうっとりしたのでした。

フィギュアのようには語れませんが、アイスホッケーで私が最も好きな選手も実はチェコ人でヤロミール・ヤーガー選手なんです。
彼の背番号は68(チームが変わっても同じ)。この番号は「1968年」に因んだ番号で、1968年というのはプラハの春の年。ヤーガー選手のおじいさまは「プラハの春」で亡くなったのだそうです……

ようやく『ロックンロール』の話に戻れる(笑)。
『ロックンロール』の公式サイトにはこんな事が書いてありました。

1968年「プラハの春」から始まるチェコスロヴァキア激動の時代を生き抜いたケンブリッジ大学教授マックスとロックを愛するプラハ出身の若者ヤンとの20年に渡る、奇妙な【友情】と【葛藤】をめぐる物語。
以下ネタバレあります。舞台はもう千秋楽を残すのみなので、大丈夫ですよね。

「プラハの春」の事はあまり詳しくないので、舞台を観て勉強しようと思いきや……知ってる事が前提のように話は進んで行きました。がーん。
という事で、難しかったです。
ブログ検索してみると、「難しかった」「予習してけば良かった」という感想だらけなので、皆思う事は同じみたい。

しかし、ロックって自由の象徴なのですね。
そういえば、同じ東欧のブダペストで、「社会主義の時代から街にデヴィッド・ボウイのポスターが貼ってあった」という話を何かで読んで、「それってスゴイ事なのね」と感動した事がありますが、今回はローリング・ストーンズが自由の象徴のように描かれていました。
ラストシーンはストーンズのライブ。
1990年の8月にストーンズが初めてプラハでライブをやったらしいのですが、それはチェコ民主化の象徴的出来事として今でも語りつがれているのだそうです。
カーテンコールは"It's Only Rock'n Roll"でした♪

ピンク・フロイド アンド シド・バレット ストーリー [DVD]他にも60年代から80年代のロックの名曲がいくつもかかりました。
シド・バレット、ボブ・ディラン、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドと来た時は次はボウイかと期待したんですけど、ありませんでした。残念!!
シドと街でばったり会うなんてどうかと思いましたが、ケンブリッジの出身だったんですね~。
母娘共々シド好きになるエピソードは素敵でした。70年代の彼をリアルタイムで見たかった!!
コワい人のようなイメージを持っていましたが、マスコミにでっちあげられた情報により作られた無茶苦茶なイメージだったのかな?

舞台は二部構成。一部でかかった曲は私にとっては後追い曲ばかりでしたが、二部はリアルタイムで聴いた曲がかかりました。
リアルタイムで聴いた曲が流れた時は嬉しいというよりも、すっごい古い曲になってしまった気がして複雑な気分でした。
U2の『The Joshua Tree』から、もう20年以上も経っているなんて……。

USE YOUR ILLUSION 1でも、"Don't Cry"はいい曲ですね。なんだか感動してしまった……。
ガンズ・アンド・ローゼズにはそれ程思い入れないけれど、あれだけはすっごい好きです。

そうそう、最後になってしまいましたが忘れちゃいけないのがプラスチック・ピープル・オブ・ザ・ユニバース
チェコのバンドです。その音楽は舞台では一瞬しか流れなかったけれど、私好みな感じでした。
メンバーは反社会的思想を蔓延させているという理由で逮捕されてしまい、バンドも終わってしまったみたいな事を舞台では言っていたけれど、先ほどネット検索してみたら、現在も活動を続けていて、『ロックンロール』がプラハで演じられた時には上演前に劇場で演奏したそうです。その話を見つけて、とっても嬉しくなりました。
彼らの映像、You Tubeにはたくさんあったし、今では誰もが見られるのです!
嫌な事も色々ある現在だけれど、良い時代なのかもしれないなぁ

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コメント

チェコ、知人で行った人がいますが、やはり美しい国と言っていました。
機会があれば、行ってみたいものです。

投稿: 桃源児 | 2010.08.30 19:06

桃源児さん
プラハは、錬金術師がいたとかいうちょっと妖し気な感じもまた魅力的なんですよね~。
カフカの小説も独特だし、不思議で素敵な街でした。
桃源児さんもぜひ♪

投稿: YAGI節 | 2010.08.30 21:22

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