薄桜鬼 黎明録
プレイステーション2のゲーム『薄桜鬼~新選組奇譚~』の続編『薄桜鬼 黎明録』やりました。
時代は遡っているので「続編」とは言わないのかな?
空腹で野垂れ死んでしまいそうな少年が、浪士組として上洛途中の芹沢鴨に助けられ、その恩を着せられ前川邸でこき使われているうちに、色々な事件に巻き込まれて行くというストーリー。
その少年の行動を選択するのがプレイヤーの役目です。
前作の感想として
「ゲームをしているという感じではなく、『見せられている』『読まされている』という感じがする」
みたいな事を以前書きましたが、今回もそんな受け身な感じ。
覚悟はしていたけれど、「改善されてたらいいなぁ」という淡い期待もあったので、その点はやや残念でした。もっと自由に主人公を動かしてみたい~。選択出来る事がとっても少ないです。
とはいえ、前作より良い点もありました。
この先ネタバレあります。
前作より良い点といえば、なんといっても千鶴の出番が殆どない事。
千鶴というのは前作の主人公であり、自分が操作していたキャラでした。
名前は好きに変えられるので、自分の名を付けてみたけれど、あまり感情移入出来なかったんで。
そして、もう一つの良い点は、鬼の出番も殆どない事。
「鬼も千鶴も出ない物が『薄桜鬼』と言えるのか?」という気もしないではありませんが、羅刹はしっかり出てきます。羅刹が出てくれば薄桜鬼ですね(そうか?)。
そして、どうしてあんな劇薬(?)を扱う事になったのかがわかります。
変若水を使うまでには色々な事があり、様々な葛藤があったという設定になってます。
最初からここまで考えていたとしたらスゴイ。いや、後付だとしても、それはそれでスゴイと思わされました。
それでは、ルート毎の感想行ってみます。
まずは心の赴くままにプレイ。
つまり斎藤さんを追いかけてたつもりなんですが……
バッドエンドになりました。ううう。
不逞浪士に斬られて死んじゃいました。ひー。
ある程度隊士と仲良くならないとバッドエンドになるらしいんですが、斎藤さんと仲良くなる為には浅葱の羽織を褒めちゃいけないらしい。
私はあの隊服大好きなんですが、『薄桜鬼』の斎藤さんは「目立ち過ぎ」との事であまり気に入っていないという設定でした。
で、やり直して無事斎藤ルートのエンディングを見ました。
斎藤一ルートの斎藤さんは毎日剣術の稽古の為に主人公を呼びに来てくれます。私だったら大喜びなのに、この主人公ってば、それを嫌がるんです。なんて贅沢な
そして、斎藤さんは主人公の意外な才能に気づき、チャンスを与えてくれます。なんていい人なんだぁ♪
主人公のピンチではカッコ良く助けてくれる。とても素敵な斎藤さんでした
次は土方歳三ルート。
芹沢を憎みつつも一目置いていて、芹沢がいるから成長しているように見える土方でした。
「近藤を偉くしたい」という強い思いがよく伝わってきました。
このルートをやっている頃にアニメの『薄桜鬼』では流山の別れのシーンなどをやっていたので、「土方さんは近藤さんの為にあんなに頑張ったのに……」と切ない気分倍増になっていました。
このルートでは土方と仲良くなるというよりは、山崎烝との友情をはぐくむみたいな感じでした。副長と主人公は年も違い過ぎるし、ちょっと遠い存在だったかな。
しかし、副長のヴィジュアルは最高。三木眞一郎さんの声もカッコいい
沖田総司ルート
このゲームでは、
斎藤さんが左利きである事にコンプレックスを持っていて、
土方は芹沢に対して劣等感を抱いていて、
沖田は土方に劣等感を持っているという設定でした。
皆、コンプレックスを持っているのですね。
かといって、卑屈だったり弱々しいワケではなく、普段はそんな事はおくびにも出さず、克服して行く所が素晴らしい。
沖田ルートでは、どうして沖田が近藤を慕うようになったのかというエピソードが丁寧に描かれていて、フィクションだとは思いますが、「こういう事が実際あってもおかしくないなぁ」と思わされました。
しかし、他のルートでは皆主人公に優しくしてくれるのに、沖田は最後まで結構イジワルだった……
原田左之助ルート
このゲームは恋愛要素がないと思っていたのに、このルートでは主人公と舞妓の恋愛がメインになってしまいます。左之助がそれを応援してくれるという感じ(焚きつけたともいう)。
主人公が創作なのに舞妓も架空の人物となると、私的には今一盛り上がれませんでした。
舞妓といえば、途中舞妓が「京鹿小娘道成寺」を踊るシーンがありました。
ただ単に「京鹿子」の誤字なのか、あるいは別の字を当てる事もあるのか……ちょっと気になってます。
途中、その舞妓・小鈴ルートへの分岐ありました。
他のルートでは名前しか出てこない佐々木愛次郎とあぐりが、このルートではわりとがっつり絡んで来ます。
藤堂平助ルート
他のルートでは「主人公は子供で幹部隊士は大人」という図が多かったのですが、このルートでは割と対等な感じでした。主人公がたまに兄貴風を吹かせていたのが新鮮でした(笑)。
そして、このルートが一番「隊士と友情を築けた」という感じがしました。
平助といえば、「自分は藤堂家の落胤だ」なんて積極的に触れ回っていたイメージがありましたが、『薄桜鬼』では、「親友だと思っていた友達にだけ話したのに、妬まれ、言いふらされ、陰口を叩かれるようになり、居たたまれなくて前の道場をやめたという設定になっていました。
『薄桜鬼』って史実とフィクションの混ぜ方が絶妙だと思います。
芹沢鴨ルート(土方ルートをクリアしないと出来ない模様)
悪役にしか見えない芹沢鴨ですが、このルートでは良い部分や可哀想な部分が次々とクローズアップされ、主人公は嘘みたいに芹沢を慕うのでした。
他のルートでは触れていない病気の事が、このルートでは語られています。
芹沢鴨が梅毒だったという説は知っていますが、小説やドラマではあまりクローズアップされる事はないので斬新かも。
そして、他のルートでは見る事の出来ないお梅の芹沢への熱い思いにビックリ。
お梅は「何考えているのか、よくわからない人」というイメージが強いし、他のルートではやっぱりそうなのですが、このルートではお梅の行動やセリフに「なるほど……」と思わされるのでした。
という感じで、フィクションは多いですが、面白い想像や史実も折り込まれ、楽しめました。涙した事も度々。
全ての人に勧めたいとは思わないけれど、前作がお好きな方や、アニメの『薄桜鬼』に抵抗を感じない方にはお勧め出来ると思います。
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コメント
私、ゲームの事には疎いので変な質問かも知れないんですが、YAGI節さんは全部のルートを完了(っていうのか?)された訳なんですね?
例えば、土方ルートを選べば、それしか出来ないって思ってたので(^_^;)
しかし、千鶴があまり出て来ない、鬼も出て来ないっていうのは良いですね~♪
それに、変若水の事も分かるんですね!
そのゲーム、メチャ興味湧いてきました(^^)v
投稿: あさぎ | 2010.11.17 10:16
あさぎさん
はい、恥ずかしながら、全部のルートやりました
以前あさぎさんのブログで紹介されていた『十三人の刺客』のゲーム(?)って、選択肢によって結果が異なり、やり直す事によって色々なパターンを見る事が出来ましたよね。
しくみとしては、あんな感じです。
時間のかかり具合は比較になりませんけど(^_^;)。
千鶴、ラストに数分出て来るだけなのですが、あさぎさんが激怒しそうなシーンを見せます……。
投稿: YAGI節 | 2010.11.18 01:55