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2010.12.27

まちがいの狂言~ややこしや~

かつて……
野村萬斎さんのイメージって、私の中では「スカしてカッコ付けた人」でした。
いや、人というよりキツネの化身?(爆)
普段は別の世界に暮らしているのに、気が向いたり餌がなくなったりすると下界に降りてきて人々をたぶらかして去って行くのです(違)。
そんな萬斎さんには、「キツネの子供」という伝説もある安倍晴明役はホントお似合いだと思ってました。そして「似合っている」とは思ったけれど、好きではなかったんです(ごめんなさいっ!!)。

なので、初めて『にほんごであそぼ』で「ややこしや」を見た時はびっくりしました。
テレビを見て、あんなに驚いた事はそうそうないかも。
キツネだったら、人を驚かすのは得意だろうけれど、それにしても、陰陽師や天狗様とは凄いギャップで、衝撃を受けました。
「人はギャップで恋をする」と言いますが、これですっかり萬斎さんの虜になってしまった感じ。
『陰陽師』を映画館で観た7年後に、遅まきながら萬斎ファンとなったのでした。

そんな記念すべき(?)「ややこしや」の元ネタである、『まちがいの狂言』を、ついに見る事が出来ました。12月23日、世田谷パブリックシアターにて。

入場してみると、各所に噂の「ややこし隊」が!
私の席は3階だったのですが、3階にもちゃんといました。

ややこし隊をご存知ない方へ
こういう人↓です。前座兼、バックダンサー兼、大道具って感じ?(門の役割も果たしてた)

Ya0 Ya1

「ややこし隊」はお客さんとコミュニケーションを取ろうとするのですが、「ややこしや」しか言葉を発する事が出来ないのでした。
各所の「ややこし隊」が「ややこしや、ややこしや」と言っている中、いきなり、スピーカーからも「ややこしや、ややこしや」の声が聞こえてきました(謡ではありません)。
私には「応答せよ、応答せよ」とか「あーあー、只今マイクのテスト中」と言っているようなイントネーションに聞こえたのですが、人によって感じ方は違うのかも?
「おー、これは萬斎さんの声だ♪」と浮かれる私。
ひとしきり「ややこしや、ややこしや」と言った後に、上演前の諸注意が。
能楽堂ではそんな物を聞いた事はありませんが、ホールなどの普及公演では耳にするような諸注意です。「携帯電話の電源は切って下さい」みたいな感じだったかな。

その後、「ややこし隊」が舞台に集結したんですが、いきなりの閃光にビックリした様子を見せて、バックには "no flash"(フラッシュ撮影禁止)と表示されるという一幕もありました。

Ma3

さて、『まちがいの狂言』はシェイクスピアの『間違いの喜劇』を狂言に翻案した作品なのですが、ここで一つ問題が。
当ブログでは度々書いている通り、実は私はシェイクスピアが苦手なのです……。
なのに、「『まちがいの狂言』はどうしても見たい」というややこしい事になっていたのでした。楽しみだけど、「がっかりするのでは?」という不安もあった~。

太郎冠者が、シェイクスピア作品によく出てくる道化(言葉遊びをしては、「面白いでしょ」といわんばかりの押し付けがましさを出してくるのが苦手)っぽかったので、最初どうしようかと思ったのですが、萬斎さんが反則的にかわいすぎた……。
もう、それで全てが帳消しという感じでした。

ma1以前、『十二夜』の歌舞伎版(蜷川幸雄さん演出)を見ました。
どちらも双子の取り違いがあって、似てたなぁ。
どちらもシェイクスピア作品を日本の伝統芸能に寄せたという共通点もあるのでつい連想してしまいました。
あれは歌舞伎化する事によりシェイクスピア色がやや薄まり、セットも美しかったので気に入ったのですが、今回は萬斎さんのキュートさのおかげで気に入ってしまったという感じです。

取り違いによる誤解の連続は、アンジャッシュっぽくもあったかな。
アンジャッシュの誤解は数分で解けますが、シェイクスピア劇は時間がかかって大変(爆)。

それにしても、テレビで親しんでいた「ややこしや」の謡を生で聴けたのはとっても嬉しかった♪
そして、あの謡では場内で手拍手が起こるのでした。
狂言の公演で手拍子が起こるなんて、ビックリ。楽しかったです

実はこれのレクチャーにも行きました。
それも改めてアップしたい気もするのですが、忘れっぽくて既に忘れている部分も多いので記事に出来るかどうか……?(恥)

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