わかりやすい解説付き能・狂言
3月に東京で行われるフィギュア・スケートの世界選手権、どうしても生で観たかったのですが、先行抽選には外れ、今日の一般発売でも買えませんでした。
なんでも、男子フリーは2分で売り切れたらしい。凄い。
日本が強くなるのは嬉しいけれど、人気が出過ぎてチケットが買えないのは悲しい……。
さて、本題です。
「わかりやすい解説付き能・狂言」見て来ました。
2日続けての萬斎さん鑑賞です。
今回は狂言の『磁石』と能の『殺生石』でした。
両方見たことがあります。
普段は「1度見た演目のチケットはなるべく買わず、浮いたお金で未見の演目を多く見たい」と考えているのですが、このイベントは特別です。
まず、なんといっても会場がウチから超近い(^_^;)。
そして、中森貫太さんの質疑応答が超楽しい。
そして、林望さんに会える♪
前回の小林健二さんの解説もとても良かったのですが、林望さんの事は学生の頃から好きだったんで、戻ってきてくれて嬉しいです。
しかも、今回リンボウ先生が解説してくれるのは『殺生石』、これは聞かずにはいられない!!
『殺生石』見たことがあると書きましたが、実は前回は「眠かった」という事位しか覚えていません(恥)。
その後、土方歳三が登場する小説『殺生石』を読みまして、俄然殺生石に興味が湧いて来ました。
せっかく能の『殺生石』を目にする機会があったのに、しっかり観ていなかった事が悔やまれてなりませんでした。
「いつかリベンジしたい」と思っていたのですが、ついにその機会が巡って来ました。林先生の解説を聴けば、きっと以前よりも楽しく『殺生石』を観られると思ったんです。
それでは感想行ってみます♪
◆解説 殺生石ともののあわれ/林望
五番立の意味合いや、今では特別な時にしかやらない『翁』を昔は毎回のようにやっていた理由などを教えてくれました。
『殺生石』は那須の話ですが、昔は京都の人にとっては江戸は異国であり、そのさらに奥の「みちのく」は想像もつかないような世界で、妖怪や化物がいてもおかしくないというイメージだったのだそうです。なるほど~。
◆狂言 磁石/野村萬斎・深田博治・竹山悠樹
昨日はあんなに神々しかった萬斎さんなのに、今日は見た瞬間に「うわ、アヤシイ人が出て来た」と思ってしまいました(笑)。
昨日は「観音様役が無茶苦茶似合う」と思いましたが、今日は「うんうん、こういう小悪党が似合い過ぎ」と思ってしまう。結局何でもOKって事なのか。
◆能 殺生石/中森貫太・殿田謙吉・高野和憲
眠くならなかったよ~。リベンジ成功!!
林望さんと、会場で配られた詞章と、土方歳三(笑)のおかげで、かなりわかりました。
一部よくわからなかった所があったけれど、帰宅してネットで調べたので、バッチリ。もう何でも訊いて下さい(嘘)。今迄見た能で一番よくわかりました。
ああ、こんな事もあるのですね。能なんて一生わからないと思っていたので、嘘みたいです。
いや、わかってみると、「こんな事がわからなかったとは情けない」という感じだし、わかった気でいるけど、ホントは全然わかってないのかもしれないけれど、「わかりたい」という熱意と興味と集中力があれば、ある程度はわかるものなのですね♪
でも、他の演目ではここまでの情熱は持てないのであった……。
他の能の演目も、新選組の小説で取り上げてくれないかなぁ(爆)。
◆質疑応答/中森貫太
今回印象に残った事は、『殺生石』の面の事かな。
玉藻の前(妖狐の化身)の面は特に決まっていなくて、演者が好きに選ぶのだそうです。
「今回はAKB48のような若い玉藻の前で」とか「今回は杉本彩のようにオトナな感じで」とかいうたとえに会場はウケてました。
「好きに」といってもリハーサルの時点で他の人からダメ出しを食らう事もあるそうですが。面が変わると動きも変わるらしく、「その動きだったら、こっちの面の方が」なんてアドバイスされる事もあるそうですよ。
今回は「増女(ぞうおんな)」の面による玉藻の前でした。
妖狐の正体を現す後半の拵えは流派によって違うらしく、喜多流では九尾の狐を意識した物との事。うーん、まさに私が前回見たのは喜多流だったのですが、よく覚えていない~。当ブログの過去記事を確認してみると、「妖狐の面は狐には見えませんでした。人間ばなれした面でしたが、狐よりは数段人間らしい面」と書いてありました。う~、一昨年の事なのに、読んでも思い出せない~(爆)。
面といえば、漆が塗ってあるので、新品の物だとかぶれる人も多いそうです(中森さんは大丈夫との事)。肌の弱い人は出来てから50年未満の物はダメだったりするそうです。
前回当ブログに、
「また中森さんのお話、ぜひ聞きたいです。次回も、見た演目があっても、中森さんのお話目当てにチケット買っちゃいそう」
なんて書いてましたが、今回も期待を裏切らないトークでした。
つまらない質問(失礼)にも思わず聞き入るような素晴らしい回答をされるんです。エライ!!
質問が途切れると「これで終わっちゃったらイヤだ、何でもいいから誰か質問してっ!!」と祈ってしまう感じでした。
楽しかったです♪
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