大國魂神社薪能
近藤勇率いる天然理心流の奉納試合で一部ではお馴染みの(?)大國魂神社で、
御鎮座壱千九百年奉祝祭というのが開催されました。
1900年ですよ。スゴイですね~。
10月の8日から10日にかけて様々なイベントが行われました。
一番心ひかれたイベントは8日に行われた天然理心流と無外流の演舞でしたが、残念ながら仕事で行けませんでした。
二番目に興味のあった、10日の薪能には行けました♪
大國魂神社では神楽はよくやっているのですが、能をやっているのは見た事がありません。私が能楽を頻繁に見に行くようになってからは初めてじゃないかな(確信ナシ)。
観覧は「奉納者優先」となっていたので「行っても無駄かな~?」と思いましたが、近所だし、タダだし、『紅葉狩』があるし……という事で行ってみる事にしました。
すると……
立見券を配ってました。
「立見か~」とちょっとガッカリしつつも、出入り自由な感じなので「疲れたらすぐに帰ればいいや」と軽い気持ちで入ってみました。
靖国神社や明治神宮などの薪能とは比べものにならない規模ですが、意外とちゃんとした舞台が作られているのにビックリ。
HPには18:30からと書いてあったので18:00ちょっと過ぎに行ったのですが、なぜか既に始まっていて、最初の演目『羽衣』は途中からの観能となりました。
シテは金春安明さん。おー、出演者も靖国神社や明治神宮の薪能に負けてないよ~。
ぶらりと行って、金春安明さんをタダで見られちゃうなんてスゴイなぁ……立ち見だけど。
『羽衣』が終わると休憩。
側にいたおばさまは、「立った方がよく見えるかも」などとおっしゃって、「私、席あるんですけど、立って見ても良いですか?」なんて係の人に聞いてました。
余程「代わりに私を座らせてください!!」と言いたかったけど、段差がなかったから、やはり座ったらあまり見えなかったのかな? そのおばさま、私の脇に立ち「うん、この方がよく見える」と御満悦でした。
続いて狂言『蚊相撲』。
大蔵彌太郎さん等がご出演。
彌太郎さん、今年1月の狂言の会で拝見しました。
特に狙っておらず、しかも和泉流の方ではないのに1年で2回も観る事になろうとは。
そして、『蚊相撲』自体見るのは3回目。和泉流で1回、大蔵流では2回目です。もっとも、大蔵流といっても前回は茂山家だったので、またちょっと雰囲気は違う……のかもしれませんが、よくわかりませんでした(爆)。
最後は能『紅葉狩』。
横にいたおばさまはいなくなりました。疲れて椅子に戻ったのかな?
私も『羽衣』が最後だったら多分力尽きて帰ったと思うのですが、この日一番観たかったのは『紅葉狩』だったので、頑張りましたー。
いつも「能は眠くなる」なんて言っちゃいますが、さすがに立見だと眠くはなりにくいみたい(苦笑)。
『紅葉狩』は歌舞伎と文楽で観た事がありますが、能では初見。
文楽版がとーーーーっても面白かったので、能ではどうなっているのか、観たいと思っていました。
面が好きな私ですが、これ、面付けた人がたくさん出てきますね~。
シテが2種類の面を付けますが、他に侍女3人出てきて、この三人も面。しかも、後半は般若面にチェンジ。本来、鬼はひとりのハズですが、「群鬼ノ伝」という特殊バージョンで四体出す演出になっているのだとか。ん? 歌舞伎で観たものも「鬼揃」となっていて、本来の物とは違っていたような……? 鬼がたくさん出た方が派手で楽しいから、最近はそっちの方がメインになっているという事なのかもしれませんね。
そして、アイも神様役なので面付けてました。という事で、9個の面を観たという事かな。堪能出来ました~♪
自分が大國魂神社が大好きという事もあるせいか、立ち見なのにとても心地良い観能でした。暑くもなく寒くもなく。秋の虫の鳴き声がかなり大きく聞こえたけれど、邪魔にはならず、都心の薪能のように「ヘリコプターの音で雰囲気ぶち壊し」なんて事もなし。
地謡があんなに気持ち良く感じられたのも久しぶり。杜の木々も一緒に地謡に耳を澄ませているような気がして……なんだか癒されました。大國魂神社にはいつ行っても癒されてるのですけどね(笑)。
1900年前の事はよくわからないので、幕末に思いを馳せたりしながら(^_^;)、安らかな気持ちで楽しむ事が出来ました。
ちなみに、そんな素敵な地謡には以前話題にした『江』に出ていた辻井八郎さん、金春憲和さんが参加していたみたいです。井上貴覚さんは『紅葉狩』のツレ(侍女)で登場。笛も同じく『江』に出ていた一噌隆之さんでした。
大國魂神社の薪能、恒例行事として定期的にやって欲しいなぁ。
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コメント
大國魂神社ってけっこう大きなお祭りのようなものあるんですねぇ。
くらやみ祭りだけかと思ってました(^-^;
そういえば今年は初詣以来行ってないかも、、、久々に行ってみたくなりました。
ところで、新たな場所でブログを再開しましたのでよかったらまた遊びに入らして下さい(^-^)/
投稿: dandara | 2011.10.14 12:53
静かな佇まいでの演能は良いですね。秋の虫の音はさぞ興を添え、地謡の声も朗としたご様子良い環境の薪能は格別ですね。羨ましいです。
それにしても御鎮座1900年とは、凄いですね。以前お参りさせていただいた時、確か貝塚のような遺跡が掘り起こされていたことを思い出します。
投稿: 早々 | 2011.10.14 21:34
dandaraさん
通常は年に1度の「くらやみ祭」が一番大きなお祭りですが、
今回はホント特別なお祭りみたいです。
他のお祭では「すもも祭」も結構人気があります。
あとは「くり祭」とか酉の市とか、色々やってますよ。
ぜひ、お越し下さい(^^)/
ブログ再開嬉しいです♪
早々さん
貝塚ですか~。
国府のあった所なので、色々あるのでしょうね。
最近「近くに徳川家康の御殿があった」とかも言われてるみたいです。
能楽の上手い下手ってよくわからないし、今回の出来が良かったのかも全くわかってないのですが……とっても心地良かったです♪
投稿: YAGI節 | 2011.10.15 02:17