ポール・マッカートニー THE LOVE WE MAKE
ポール・マッカートニーの事は、普通に(?)好きです。
昔、コンサートを見に行った事もあります。
とはいえ、ドキュメンタリー映画をわざわざ見に行く程好きというわけではなく、この映画もスルーしていたのですが……
これ、ただのドキュメンタリー映画ではないのですね。
「コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ」の舞台裏を描いた物だった!!
9.11同時多発テロのベネフィット・コンサートです。10年前に開催されました。
デヴィッド・ボウイやボン・ジョヴィが参加しているんで、CD持ってます。
でも、ポールの提唱で行われたコンサートだとは今迄全く知らなかったのでした。
この映画のタイトルと、手持ちのCDとが私の中では結びつかなかった。
気づいた時は上映終了直前でした。
東京では六本木でしかやっておらず、一日一回夜の回のみ。しかも終了時間は23:00過ぎという非常に行きづらい状況でしたが……ボウイとボン・ジョヴィを見る為に、先日行ってきました!!
まずはボウイの感想ですが……
神々しかった!!
CDには"Heroes"と"America"が収録されていますが、映画でピックアップされているのは"America"の方。
自分の代表曲ではなく、サイモン&ガーファンクルのカバーを歌うあたり、カッコいい。
"look for America"という歌詞が象徴的に出てくる歌です。「アメリカを探す」?
そういえば、コンサートの中で一部「ビン・ラディンくたばれ、アメリカ万歳!!」みたいな盛り上がりがあってちょっと引いてしまったのですが、それとは対称的で静かな中に何か秘めた信念を湛えているように見えたボウイでした。
映画館でボウイの歌う姿を見るのは久しぶり。
なんだかとっても感動してしまいました。
ボウイって、決して歌が上手いアーティストだとは思わないのですが、あの何ともいえない魅力的な声はなんだろう? 心が震える。やっぱり好きだぁ。大好きだぁっ!!
手元でなんか操作してました。ひょっとして、あれはスタイロフォンなんだろうか? 気になってしかたない私でした。
そして、もう一つのお楽しみ、ボン・ジョヴィですが……
きー、きーっ、きぃーーーーーっ!!
ポール、まるで聴いてないのね。
ボン・ジョヴィの"Livin' On A Prayer"が流れている間、ポールの楽屋が映っていました。
会場の模様が映るモニターが置いてあるのに、ポールは全く目を向けず、延々と雑談をしているのです。ま、その時楽屋にやってきたジェームズ・テイラーも悪いんだけど。
もうこの2人で果てる事のない雑談ですよ。
「そんな雑談延々と流さずに、ステージ映せーーーっ!!」と怒り心頭の私でした。だって、かすかに聞こえるんだもん、"Livin'..."が。なのに、ジェームズの声が遮る(涙)。
いや、ファンにとってはこの2人の会話は夢のようなものなのかもしれないんですけどね、「何も、ボン・ジョヴィの歌をバックにしなくても」と打ちひしがれてました。
が、そこで天使が現れました。ポールの娘のステラ。
なんと、「ボン・ジョヴィ見たいの」とか言い出すではありませんか。おー!!
「ボクよりボン・ジョヴィの方がいいの?」と自虐しつつ、初めてモニターに目を向けて「確かに良いバンドだよね」と理解ある父を装う(?)ポール。
ふっ、今の今迄全く目もくれず、ジェームズと話してたけどねっ。
娘には弱いのね(笑)。
そして、カメラはステージのボン・ジョヴィに切り替わり"Wanted Dead Or Alive"が聴けたのでした。あー、良かった。
10年前のジョンとリッチーはさすがに若い。「ついこの前の事」と思っていたけれど、特にリッチーはこの10年で随分変わってしまったかも。10年前のリッチーはかわいかったんだなぁ。そしてジョンはキレイ。出演者の中でずば抜けてカッコ良い2人でした。
で、カメラは再び楽屋へ。曲は"It's My Life"に変わりましたが、まだ喋り続けているジェームズでした。きーっ!!
と、思わず怒りの眼差しを向けてしまい、好感度ガタ落ちのジェームズでしたが、ステージのジェームズはそれはそれは素晴らしい。うーん、やっぱり良い声ですね~。思わず聴き惚れてしまいました。怒りを収束する魔法の声でした。
他のアーティストも、裏ではごく普通に見える人がステージに立つと一気に輝いたりしてました。ピート・タウンゼントはステージの方が10歳若く見える気がしました。
そして、錚錚たるスーパースターが出ているのですが、やはりミック・ジャガーのインパクトは大!! プライベートショットは全く出ず、ステージの様子が一瞬映っただけだったけれど、ピンクのシャツが反則的に似合いまくり!! 華があるというかオーラがあるというか、「特別だなぁ」と目が釘付けになってしまいました。目にすると嬉しい存在ですね(笑)。
面白かったのはビル・クリントン。
興奮の面持ちでポールに「我々と同世代・今の60代は粘り強い。ピートもミックもキースもそして君もだ」みたいな事を言い、別の人が現れたらまた「今の60代は……」と同じ話をしたのにウケました。余程「マイ・ジェネレーション」に誇りがあるのか。でもそんな無邪気な元大統領が可愛かった(笑)。
ボン・ジョヴィの事は全く見ていなかったポールですが、エルトン・ジョンの事は真剣に見てました。所々一緒に口ずさんじゃったりして。あの差は何なんでしょう。
ボン・ジョヴィにはずば抜けて興味がなかったのか(爆)……
ビックリしたのはシェリル・クロウ。出ていたとは……。
CDにはソロ1曲も入っていないんです。
会場でもコーラスだけ? だとしたら、あんまりでは? 何か事情があったのかな?
あんまりといえば、ビリー・ジョエルの"New York State Of Mind"。サックス・ソロになった瞬間にカメラが切り替わったのがショックでした。
サックス好きとしては、そこじっくり観たいのに。ううう。
全体的に演奏シ-ンのカットが多かったのが残念でした。1曲まるまる流された曲はなかったような。
ドキュメンタリー映画ではなく、単にコンサートの模様を収録した映像を映画館で見たいと思ってしまった私でした。うん、この前の『オペラ座の怪人』のように。
ポール自身のパフォーマンスは……私はそんなに悪かったとは思わないのですが、一緒に見たビートルズ・ファンの友人は「"I'm Down"はダメだし、バラードはテンポが遅過ぎるし……」と納得いかない様子でした。ファンだからこそ見る目が厳しくなるのか?
もっとも、彼女曰く「最近はポールの事はどうでも良い」との事なんですけどね。あらら。
ちなみにボウイの事は「キレイ!!」と褒めてくれた友人でした(笑)。
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コメント
仕事と上映時間の事情で、この映画見に行きたくても行けませんでしたorz
ミックやデヴィッドは素晴らしかったのですね
「Livin' On A Prayer」と「It's My Life」で思い出したのですが、いつぞやの日ハム戦で、糸井嘉男選手が前者、陽岱鋼選手が後者の曲を登場BGMで流していて、しかも2人揃ってヒーローインタビューのお立ち台に立ったので、何かこの日はジョン・ボン・ジョヴィが活躍したようにも思えました(笑)。
でももう10年前の曲なんですねぇ、「It's My Life」…
投稿: Natsumi | 2011.12.27 23:54
YAGI節さん、こんばんは。
六本木で観られたんですね。
自分も直前まで六本木に行くつもりでしたが、上映時刻が遅いため横浜にしました。
>「ボクよりボン・ジョヴィの方がいいの?」と自虐しつつ、初めてモニターに目を向けて「確かに良いバンドだよね」と理解ある父を装う(?)ポール。
このシーンは笑えましたね。
人数は少なかったですが、客席全体で笑い声が聞こえました。
ビル・クリントンはかなり興奮していたせいか、「落ち着きのないヤツ」という印象を受けました。
ポールもそうでしたけど、相手が変わるたびに同じ話を何度もしてましたね。
>ドキュメンタリー映画ではなく、単にコンサートの模様を収録した映像を映画館で見たいと思ってしまった私でした。
同感です。
この映画はバックステージや練習風景もあったので、それ自体は良かったですが、ステージ映像は別で全部見たいと思いました。
投稿: SYUNJI | 2011.12.28 23:27
わぁっ、ファイターズにはボン・ジョヴィの曲をBGMにしている選手が2人もいたのですね♪ 素晴らしい
ミックは……なぜか、パフォーマンスもあまり長く映らなかったんです……
でも短い間でも目立ってました
10年……早過ぎてコワイです……
三連休中だったせいか、六本木ヒルズはうんざりする程混んでいて、夕飯にありつくのにも一苦労でした。おまけに寒い。都心なのに寒さと飢えで遭難するかと思いました~(ばか)。
が、映画館だけは空いてたのでした。
横浜ではあのシーンでウケてましたか♪
六本木の皆さんは静かにご覧になってました。
投稿: YAGI節 | 2011.12.29 00:05