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2012.01.21

わかりやすい解説付き能・狂言2012

今年最初の「萬斎さん鑑賞」は「能・狂言」でした。

Kyoんもう、このイベント、何かそれらしい名前を付けてくれないかなぁ(^_^;)。
パンフレットには写真の通りイベント名らしき物が書いてありません。
大きく「能・狂言」と書いてあるだけ。
小さく「わかりやすい解説付き」という文言もありますが、これがイベント名と言えるのか?
「府中能」とか単純な物で構わないので、もうちょっと他のイベントと識別出来る名前を付けた方が便宜上良さそうな気がするのは私だけでしょうか? もう20回目らしいので、今更無理か?

今回は母と行ってみました。母と能を見るのは二度目。三年ぶりです。

今回の解説は元NHKアナウンサーの葛西聖司さん。
「今日初めて生で能を観るという方、拍手して下さい」と促し、「79名ですね」と当てずっぽうなのにリアルな数字を挙げてツカみはOK。
さすがに喋りのプロですね。淀みのないトーク。そして美しいお声でした。
私は知らなかったのですが、母はテレビでよく見ていたそうです。
ウィキペディアによると、大河ドラマ『独眼竜政宗』のナレーションを担当されていたとの事。

『水の力・その不思議―賀茂によせて―』というタイトルでのお話でした。
「上賀茂神社・下賀茂神社に行った事のある方」という拍手も聞き、「54名」とおっしゃってました。私は54名中の1人か(笑)。
下賀茂神社内の糺の森の話に及んだので、『鞍馬天狗』の話が出ないか一瞬期待してしまったのですが、さすがにありませんでした。残念(^^;)。

狂言◆文荷(ふみにない)/野村萬斎・石田幸雄・深田博治
今回前から2列目の端でした。
っていうか、端だと思ったんですけどね、ホールに能舞台を作る時って、仮設の橋掛かりが作られるじゃないですか。なので、結果的には私の席が本舞台で言うところのど真ん中になってたんです!! 丁度柱と柱の中間位でした。ひゃっほー!! そしてホールといってもこぢんまりした会場だったので、無茶苦茶近い!! 久々にメガネかけずに観ました。幸せでした~。

内容は、ラブレター(なんと同性宛)の配達を頼まれた太郎君と次郎君が、途中で中を開けて読み、のみならずうっかり破ってしまい、主人に怒られるというありがちな話ですが、楽しかったです。萬斎さんのあの笑顔を見ていると、こっちまで笑けてくるんだよな~。
少しですが謡もありました♪

◆賀茂/中森貫太・鈴木啓吾・中森健之介・殿田謙吉ほか
なんだか最近、面を付けた人が沢山出て来る能を見る事が多いような?
これは、前半2人・後半2人・そしてアイの高野和憲さんも面付けて登場したので、5つの面を見る事が出来ました。面を楽しみに能を見ているような所があるので嬉しかったです♪
解説時に「前半は女性の面を付けた人が2人出て来るので、どちらがシテかわかりにくいかも」と言われました。
1つ(写真に写っている方)は「増女」、もう1つは「小面」か「若女」か……どちらだったかわかりません、すみません。
で、正面から見ると、お2方が付けている面は結構似ているのですが、横顔がまるで違ってちょっとビックリ。若い方の面が無茶苦茶かわいいんです。女性の能面ってちょっと不気味なイメージがあったので衝撃でした。あんなにかわいい角度があったとは~。

ちなみに、この能に登場した神様・御祖神(みおやのかみ)は糺の森にお住まいだそうです。
天狗様の事、見てたかな~(爆)。

◆質疑応答/中森貫太
今回は狂言の質問をする方が多かったのがちょっと気になりました。
「質問は能の事にしといた方が良いのでは?」という気もしましたが、「能・狂言」ってセットだから、この際良いのかなぁ?
一般の人にとっては狂言の質問を出来る場がそうそうあるわけではないですしね。
「狂言では黄色い足袋を履いていたのは何故ですか?」
という質問には、「うんうん、私もそれ思った!!」なんて声が聞こえたし、皆が聞きたい質問だったのかも知れない。
もちろん、嫌な顔など見せない中森さんでしたが、他にも狂言の話が続いちゃったので、ちょっと胸中が気になりました。

シテの方って、狂言方の皆さんの事をどう思っているんだろう?
野球でいう所のピッチャーと外野手みたいに、役割は違っても「同じ目的の為に戦っている仲間」という認識なのか?
あるいはピッチャーと審判のように、「良い試合にしよう」という共通の意識はあっても、意外と距離があるものなのか?
いや、貫太さんはピッチャーというよりプレイングマネージャーか。……無意味なたとえですみません

興味深かったのはカツラの話。
今回別雷神(わけいかづちのかみ)が赤い髪の毛をしていましたが、後ろに白い毛が一束混ざっていました。
神や鬼など人間ではない役で、赤い髪の場合はわざわざ白い部分を入れるのだそうです。
ただし、『石橋』と『猩々』は例外との事。うん、私も赤頭で真っ先に『石橋』を思い出したけれど、確かに白い毛混ざってなかったよ(『猩々』は見たけど忘れた)。
ちなみに白い毛束は着脱可能。というか、普通の赤いカツラに必要な時だけ付けるので、うっかり付け忘れてしまう事もあるそうです。

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コメント

府中は演者との距離が近くて良かったですね。葛西さん、
能の解説はよくなさっておられるようですね。

増は清浄無垢で神性的で女神や天女に使われますよね。観世のようですから賀茂神以外は多分若女だと思います。小面は金春や喜多、金剛は孫次郎、宝生節木増の使用が通例のようです。ただ小面より若女や孫次郎のほうが年齢が上なため、それだけ艶麗かもしれません。能面特に若い女面は見分けるのは大変ですよね。こういいながら私も見分けがなかなかつかないのですが。今週末、平家物語の滅びと弔いという薩摩琵琶で能とのコラボを観に参ります。

投稿: 早々 | 2012.01.23 16:36

早々さん
おお、あのキュートな面は「若女」ですか。
さすが早々さん、よく御存知でいらっしゃいますね~。
今、面の写真がたくさん載ってるページを見てみたのですが、なんかどれとも違ったように見えてしまいます。
作り手によって微妙に違うのかな。

薩摩琵琶と能のコラボ、どんな感じになるのでしょうね。
楽しんでいらして下さい(^^)/。

投稿: YAGI節 | 2012.01.24 01:22

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