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2012.03.13

なかのZERO能「鐡輪」

萬斎ファンの皆様は『サド侯爵夫人』で盛り上がっている今日この頃。
そんな世田谷には見向きもせず(^^;)、中野に行って来ました(先週土曜のお話です)。

実は私、中野で生まれました。
生後1年位しか住んでいないので、記憶は全くありません。
産まれた病院名は教えてもらいましたが、訪れた事もありませんでした。
今回調べてみたら、どうやらバス通りに建っているらしい。
という事で、笹塚から中野駅までバスに乗ってみました。
近藤勇や土方歳三の生地を訪れた事はあるけれど、YAGI節の生地を訪れるのは初めてです(笑)。バスで通り過ぎるだけなのに、ちょっと緊張しました。

どんな所かと思ったら……古い病院でした。
まぁ、私が生まれた病院なので当然築○十年は経っているわけで、古くて当然なのですが。
建て替えとかしないのかな~。
ちょっぴり残念な感じでした。
とか言いつつ、帰りもそこを経由して帰りました。

さて、「YAGI節生地」を見たのはあくまでついで。
この日の目的はタイトル通り、なかのZERO能です。
カンフェティでチケット安く売っていたので、買っちゃいました♪
A席ですが、安売りのせいか最後列でした。

◆解説/小島英明
最初声が聞こえなくて、「ホール公演なのに生声で解説って無茶でしょう」と秘かに怒ってしまったのですが、途中でマイクが出て来ました。ほっ。
胸にマイクを付けていたけれど、調子が悪かったみたい(?)。で、途中からはマイクを手に持っての解説となった模様。
なんか花粉症の話とか、私の興味ある話をしていたようですが、その辺はわからなかったよ~。

演目の解説はちゃんと聞こえました

最後に宣伝がありましたが、お茶・お菓子・お酒など、毎年恒例で同じ会社の方が売りにいらしている模様。
小島さんの宣伝が効いたのか、あるいはリピーターの皆さんは美味しい事をご存じなのか、出店が繁盛していてビックリ。特に「虎家喜」には長蛇の列が出来てました。劇場のお土産であんなに列が出来る事って珍しいのでは?

解説の後には観世喜正さんの『班女』と遠藤六郎さんによる『砧ノ段』と仕舞が2つありました。1927年生まれの遠藤六郎さんは「現役最年長」との事でしたが、狂言ではもっと年上の方がいらっしゃるので、「シテ方の中では」という意味だったのかな? あるいは「観世流の中では」という意味だったのか……?

◆狂言 鈍太郎(どんたろう)/野村萬斎・深田博治・竹山悠樹
鈍太郎君が長い留守から戻ってみると、奥さんも愛人も本人だとは思わずに会おうとしてくれません。仕方ないので(?)出家しちゃうというお話なのですが……
大河ドラマ『平清盛』の佐藤義清のシリアスな出家とは、同じ「出家」でもこうも違うかという位の大違い(笑)。本人だと気付いた奥さんと愛人が戻るように頼むと調子に乗って手車をさせちゃいます。
「手車」って私は初めて聞いたのですが、肩に乗せるのを「肩車」と呼ぶのと同じで、手に乗せるから「手車」と言ってるっぽい?
肩車だったら1人で出来ますが、手に乗せるとなると、1人では無理。
2人が手を差し伸べて乗せる部分を作る事になります。
手車を作らせておいて「これは誰の手車」「鈍太郎殿の手車」と囃してました。その節回しは『蝸牛』っぽかったです。つまり楽しい。

奥さんと愛人に手車させるなんて、ヒドイと思うのですが、やっぱり萬斎さんだと反則的に可愛くて許せてしまう。
手車に乗せられた状態で頭を撫でるような仕草があり、『にほんごであそぼ』の『貝の火』(うさ耳)を思い出しましたが、あんな優しい感じではありません。萬斎さんじゃなかったら「調子に乗るなぁっ!!」と手車から落としてやりたくなってしまうと思います(^_^;)。

◆蝋燭能 鐡輪(かなわ)/小島英明・森常好・森常太郎・高野和憲
初めての蝋燭能です♪
休憩時間が終わると場内が暗くなり、火入れが行われました。
そして、舞台には鳥居を彷彿させる赤い吊り物と森の木を連想させる緑の吊り物が。
解説時に前半の舞台は貴船神社と教えて頂きました。貴船神社がどんな神社かも解説して頂けたので、想像力も働かせやすく、まさに貴船神社にいるような気分になりました。
今では明るく華やかな神社ですが、昔は負のエネルギーの強い感じの神社だったらしいです。ちょっとコワイ感じもよーく伝わって来ます。
それでいて美しい。蝋燭と吊り物がすごくマッチしていて、見とれてしまいました。
今回の舞台美術を担当したのは、映画『大奥』の美術などを担当した方と同じとおっしゃっていたような。
「わ~、こんなビジュアルだったら目に嬉しいし、退屈しないよね」と思ったのですが、数分後には眠気に襲われたダメダメな私でした。ううう。
あんなに至れり尽くせりにして頂いても、眠くなってしまう私は一体どうすれば良いのだろう……?(爆)

『鐡輪』のワキって、安部晴明だったのですね。
ワキなので、萬斎さんがやるわけでは当然ないのですが、つい「晴明、まだ裏にいるよね? 出そうよ」とか思ってしまった私です(^_^;)。
蝋燭能は雰囲気は良いですが、やはり暗くてやや見づらいので、もっと近くで観たかったです。(そしたら眠くならなかったかも?)

Nakano1 Nakano2

会場の「なかのZERO」にはプラネタリウムがあります。
プラネタリウム、好きです。
この日は18:00から「大人のための天文教室『太陽系探査・最前線』」というのをやっていたので見て行く事にしました。

18:00までは時間があったので一旦会場を出て、噂の中野ブロードウェイを見て時間を潰しました。
初めて行きましたが、凄いですね。仙道(スラムダンク)のフィギュアや、土方(銀魂)のフィギュアにはとても心引かれたのですが、なんだか恥ずかしくて買えなかった私です(爆)。
F1グッズのお店も凄かった。ミニカーがずらりと並んでいて、私が夢中になっていた頃のマクラーレンホンダの物などもあり見とれました。
レプリカのヘルメットもありました。
ヘルメットといえば、地震に備えてヘルメットが欲しいと去年から思い続けているのに、いまだに買ってません。頭を守れるなら防災用の物でなくても良いので、「野球のヘルメットがいいなぁ」と思っていたのですが、F1のヘルメットにも一瞬だけ心引かれたのでした。非難時にフルフェイスのヘルメットかぶってたら目立ち過ぎ?

天文教室の方はお話がメインで、星の投影が短か目だったのがちょっと残念でしたが、久し振りに見られて嬉しかったです。
密度の濃い一日でした。

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コメント

鐡輪、ご覧になられたのですね。今は舞台装置もビジュアル的に分りやすくなっているようですね。以前といってもかなり前なので記憶が乏しいのですが、照明を落とした鐡輪を見ました。どう思い出しても蝋燭が使われた記憶が無いのです。横須賀で見た蝋燭能はふんだんに使われていたのに、やはり以前とは比べ物にならないほど観客動員のため能もいろいろ腐心しているようです。
ただ、泥眼の面だけは強烈なイメージで残っております。
友人二人に続き私も眠気に襲われ、非常に大変な思いを致しました。(笑)
土曜日、経政を観に参ります。

投稿: 早々 | 2012.03.15 16:24

YAGI節さん

中野でお生まれになったのですか!江戸っ子ですねえ(^^)

鈍太郎、楽しそうですね
可愛い萬斎さんが目に浮かびます

安倍清明はお能にも出てくるのですね!
私はもう、「清明といえば萬斎さん」とイメージついてしまいましたが・・・

プラネタリウムも楽しまれたようで
実は私はプラネタリウム、寝ないで最後まで見たことがないのです。「絶対寝ないぞ~!!」とがんばっても、気がつくと途中で寝てしまって、明るくなって気がつく・・・といった具合・・・
YAGI節さんのお能鑑賞もそんなかんじでしょうか?
私はまだお能は見たことがないけれど、お能のほうはどうなるでしょう??

投稿: がま | 2012.03.15 20:49

早々さん
以前、『三輪』と勘違いした事ありましたが(恥)、今回はちゃんと『鐵輪』です。見て来ました(笑)。
ただし今回の『鐵輪』は、小島さん曰く「邪道」との事でした。
途中で稲妻光ったりしてましたよ~。
「なかのZERO能」は毎回ホールならではの独特の演出をしているみたいです。
「(正当派の)能楽堂版もぜひ見て下さい」とおっしゃってました。
独特の演出は評判が良いので続けているそうですが、評判が悪くなったらやめるとおっしゃってました。
それにしても、早々さんでも眠気に襲われるとは。恐るべし『鐵輪』(笑)。

がまさん

>清明といえば萬斎さん」とイメージついてしまいましたが・・・

ですよね~。
ちなみに、萬斎さんが出演する狂言と能『鞍馬天狗』がセットで演じられた事もありました。
もっとも、あの天狗様ではなく、義経を鍛える鞍馬の天狗なのですけどね。

プラネタリウムは気持ち良くって確かに眠くなりますが、実際に寝た事はないかも。
それに引きかえお能は……「一瞬意識がなくなっている」なんて事、たまにあります。
1分以上寝た事は無いと思うのですが……確信はありません。
自分では30秒だと思っていても、実は3分とか?(爆)

投稿: YAGI節 | 2012.03.15 21:57

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