彼の才能の恩恵を受けた我々は、今それを惜しむばかりだ

先日、私の最愛の人（笑）デヴィッド・ボウイが、新曲を発表した事を当ブログで話題にしました。
ボウイは新曲を発表したものの、取材は受け付けず、コメントも発表してこなかったそうなんですが、大島渚監督への追悼コメントは発表したそうです。
ロッキング・オンのサイトには「長い沈黙を破った第一声が、盟友、大島渚監督への追悼コメントということになる」とあり、ちょっとじーんと来ました。

原文は以下の通り。

All of us who have had the privilege of working with Oshima-san will miss his spirit tremendously.

かつて、私が一番好きな映画は『戦場のメリークリスマス』でした。
（今は『スミス都へ行く』が一番なので、『戦メリ』はすみません、二番です）
にも関わらず、「別に大島監督が好きなんじゃなくて、ボウイが好きなんだってば」とずっと思ってました。
が、ボウイの他の出演映画で『戦メリ』程好きな作品はないんですよね。
つまりは大島監督がボウイの良さを引き出してくれていたって事なのか？
しかも、大島監督ってば、私が大好きな『新選組血風録』を映画にしている……（『御法度』の事です）。
ボウイの良さがわかっていて、『新選組血風録』が好きって、つまり私と趣味が合いまくりという事なのでは

大島監督の言葉で印象的なのは「１に素人、２に歌うたい、３４がなくて５に役者」という言葉。
あいにく私は『戦メリ』と『御法度』しか見ていないのですが、この２本はまさにこの言葉通りのキャスティングですね。
『御法度』の松田龍平さんは、オファーされた当時は中学生で役者経験はない完璧素人。
『戦メリ』は誰が主役かよくわからないのですが、クレジットの順は「ボウイ、坂本龍一、ビートたけし」となっているようです。
ボウイは「歌うたい」。坂本龍一さんとたけしさんは当時既に有名人ではあったけれど演技は「素人」ですよね。
凄いキャスティングだなぁ。
「『戦メリ』が無かったら、今の『映画監督・北野武』は存在しなかったのでは」なんて言ったら言い過ぎでしょうか？

「戦メリ」で使われている名曲の数々は、坂本龍一さんによるものですけど、坂本さんとは「役者として出るかわりに、映画の音楽もやらせてほしい」というようなやりとりがあったそうです。つまり、大島さんがいなかったらあの名曲も誕生していなかったかも？　私のPHSの着メロにもなっていなかったという事です(爆)。

という感じで、「いろんな所で、大島さんの恩恵を受けているんだなぁ」と改めて思うのでした。
大島監督、ありがとうございました。