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2014.03.31

ラブ・ネバー・ダイ

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』を見に行って来ました。

タイトルを聞いてもピンと来ないあなた、『オペラ座の怪人』の後日譚といえば興味をお持ちいただけますか?

私はミュージカルが好きなのですが、特に好きなのが『レ・ミゼラブル』と『オペラ座の怪人』です。
『オペラ座の怪人』は劇団四季版は何度も見ているし、映画館でロイヤル・アルバート・ホールの25周年記念公演も見ました。
ケン・ヒル版も宝塚版(『ファントム』)も見てるし、映画は2種類見たし、ガストン・ルルーの原作も読んでます。

色々なファントムを見ましたが、一番好きなのは市村正親さんのファントム。
とかいいつつ、市村さんのファントムは紅白歌合戦でしか観た事がありません。
あとは廃盤になってしまった劇団四季の市村さん版のCDを図書館から借りて来て、それをダビングしたカセットテープをずーっと聴いてました。
3年前、初めて市村さんの歌う『オペラ座の怪人』のナンバーを生で聴き、感動しまくり興奮しまくった事はここに書いた通りですが、あの時、こんな事も書いてました。

市村さんのファントムで『オペラ座の怪人』を観たいとつくづく思いました。 こんな風に一部分だけを聴くのではなく、通しでちゃんと観たい (中略) 市村さんのファントムを観たいという人、無茶苦茶いると思うんですけどね~。 観たい、観たい、観たい、観たい、観たい、観たい、観たい、観たいーっ!!!!

そして、なんと、その願いが叶っちゃいました。
変則的にですけど(^_^;)。
あの『オペラ座の怪人』ではなく、10年後という設定の『ラブ・ネバー・ダイ』で。

この後、決定的なネタバレがありますので、御注意下さい。

Love1 Love2

携帯なので、キレイな写真が撮れなかった~

感想は……
ファンタジーが、昼メロになっていた(号泣)。
なんか、えらく生々しくなってたんですけど(^^;;;;;;;;)。
年を経るってそういう事なのか。
ミッキーマウスは牛になるし(デヴィッド・ボウイ・ファンにしかわからないたとえですみません)
オーサーは「あの人、昔すごくカッコ良かったんだよ」と言っても信じてもらえないようなおじさんになってるし(フィギュア・ファンにしかわからないたとえですみません)、
ラウルはアル中になり(悲報)、
クリスティーヌはお母さんになっているのでした。
しかも、その子供の父親がファントムって!!
ワイドショーかっ!!
ラウルは大●樹●さんかっ!?

『オペラ座の怪人』は見る度に印象が違って見えました。自分の解釈も何度か変わりました。
迷うのが、「クリスティーヌはファントムの事を愛していたのか否か?」という点。
私の最終解釈は「クリスティーヌはファントムの事を男性としては愛していない」だったんですが……ハズレでしたか(^^;)。
『ラブ・ネバー・ダイ』では「ファントムの事を愛していたけれど、ファントムが去ったからラウルとくっついた」みたいになっていたよ。
そうか、そうなのか???

百歩譲って、そうだったとして……。
いつファントムとクリスティーヌはそういう関係になったのでしょう?
考えられるのは「もはや退けない~」とか歌っていたあの晩?
劇中劇の歌ではありますが、「迷いに迷って いつの日か あなたと一つになる」と言ってましたね(劇団四季版訳)。
でも、だったら、ラスト、「キスされた位でファントムはあんなに動揺する?」という疑問が残るのですが……。
いや……する……のかなぁ。
するのかもしれませんね。

なんか見終わった直後は「おかしい。そんな筈はないっ!!」って思ったのですが、これ書いてたら、段々「ありえるのかなぁ」という気になってきました(^_^;)。
それでラウルと暮らすクリスティーヌはヒドイですね。
そりゃ、ラウル、アル中にもなるよ
可哀想過ぎる。ああ無情。

ラウルは自己嫌悪の塊になってました。ジリー母子は妬みの塊。
みんな素敵な人達だったのに、キャラ変わってました。
穢された~。
ミッキーマウスが牛になった~(爆)

ボウイで思い出しましたが、この感覚、トム少佐の真実を知らされた時の衝撃と似ています。
「トム少佐」とはボウイの"Space Oddity"という曲に登場する宇宙飛行士。
過去にロック検定2級の問題として出題されたらしいので、受験する予定の方はおぼえてね。私は観てないのですが、映画『Life』にも出てくるとか?
トム少佐は宇宙でアクシデントに見舞われ、地球に帰れなくなってしまいます。そんな状態の中で「妻に『愛している』と伝えてくれ」などと泣かせる事を言います。
「ロックスターが書く作品とは思えない題材だなぁ。すごい曲だなぁ」と感心しました。それなのに、その10年後、ボウイときたら別の曲でしらっと「トム少佐はジャンキー」と歌うのです。
美談が一気にイヤな話に。
現実ってそんなもんですか。
アンドリュー・ロイド=ウェバーもクリスティーヌと結婚したと思ったら、離婚しちゃったから、「現実はそんなに甘くない」と言いたかったんでしょうか?
ロイド=ウェバーはラウルというよりファントム的な人だから、ファントムを勝利者にしたかったのか?(^^;)

「こんな悲しい現実認めたくない」という思いがあったせいか、あんなに楽しみにしていた市村さんのファントムも、あまり受け容れられませんでした。
ファントムだけれどファントムじゃない……なんだか偽物のような印象を持ちました。
私の中では「市村ファントムこそが真のファントム」だった筈なのに、なんて皮肉な事でしょう。
『オペラ座の怪人』は観る度に色々考えさせられる作品なのですが、『ラブ・ネバー・ダイ』も色々考えさせられる作品でした。

今思う事は、「今回のキャストで『オペラ座の怪人』を観たい」という事。
『ラブ・ネバー・ダイ』の禍々しさを、あの美しき『オペラ座の怪人』で洗い流したい。
でも、『ラブ・ネバー・ダイ』を観てしまったら、あの頃にはもう戻れないかも~。
いや、『オペラ座の怪人』も禍々しかったっけ?
なんだかよくわからなくなってきたよ。

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