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2015.10.03

よんだ100人の気持ちがよくわかる! 百人一首

「百人一首好き」と時々書いている私ですが、実は歌の意味をよくわかってません(恥)。

小学生の頃、私が百人一首好きとなるきっかけをくれた伯父や伯母は「今は歌覚えるだけでいいよ。意味は大人になればわかるようになるから」みたいな事を言っていたのでした。
百人一首には恋愛の歌が多いので、小学校低学年の子が意味まで知る必要はないと思っていたのでしょうね。
その言葉に甘えて……というわけでもないのですが、私にとって百人一首に書かれている字は歌というよりも「かるたに書いてある文言」でしかなかったのです。
意味を知ろうとした事もなかったわけではないのですが、百人一首の附録(?)の訳詞はどうもぴんと来なかった。
そもそも一番最初に載ってる句がダメじゃないですか?

天智天皇
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ

「おんぼろ小屋にいたら夜露で着物の袖が濡れる」って!!
「はぁ?」って感じじゃないですか?
なんで天皇がそんな貧乏くさい歌を読んでいるのか?
そもそも、そんな事をなぜ歌にするのか?
こんな地味な歌の良さをわかる青少年がどれだけいるのでしょうか?

それでも我慢して、もうちょっと読んでみます。

持統天皇
春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

これも「はぁ?」って感じですよね。
「もう夏だ。だって香具山に白い着物が干されているんだもん」
これに心ひかれる青少年がいるとはあまり思えない……。
もちろん「だもん」と附録に書いてあったわけではありません。

独特な訳し方をされてました。
現代語訳とかいいつつ、今時誰も使わないような言い回しが載っているんです。
「百人一首語」とでも言いたい。いや、「和歌語」でいいか。
たとえば「○○ことよ」。
通常は、末尾に「ける」とか「かな」とか「けり」が付くとそうなります。
「ふけにける」→「更けてきたことよ
「なみだかな」→「涙であることよ
「月を見しかな」→「月を見たことよ
Hana「我が身なりけり」→「我が身であることよ
「色は移りにけりな 」→「色があせ衰えてしまったことよ
「をしけれ」→「惜しいことよ

が、そんな助動詞が付かなくても、
「かなしも」→「悲しいことよ
「よるさへや」→「寄せてきていることよ
「秋風ぞ吹く」→「秋風が吹くことよ
「さやけさ」→「清らかなことよ」……ん?
「秋の夕暮れ」→「秋の夕暮れであることよ」……あれ?
「白雪」→「白雪であることよ」……おーっ!?
名詞だけなのに、「ことよ」とか付けちゃってます。
とりあえず「ことよ」を付ければ百人一首っぽくなるようです。

以前はそういう聞き慣れない言葉が苦手でした。
ことよ」と言われると、一気に別の世界の話のように思えて、リアリティが感じられなかったんです。埃っぽいベールがかかった感じ。

が、そんな埃っぽいベールをはがしてくれる本、もやのかかった古典の風景を鮮明で生き生きとしたリアルな世界に変えてくれる本と出会えました。
それが、タイトルにもした本で、
『よんだ100人の気持ちがよくわかる! 百人一首』です。

よんだ100人の気持ちがよくわかる! 百人一首 (なぜだろうなぜかしら)いや~、面白かった!!
わかりやすかったです。
古典が得意な人とかには物足りないと思いますが、私位のレベルの人であれば楽しめると思います、多分小学生向けです

かつて好きだった土曜時代劇『咲くやこの花』では中村梅雀さんが藤原定家に扮してナレーションをやっているのが面白かった。
江戸時代の話なので、定家は既に歴史上の人物なのですが、そんな人が百人一首を題材にしたドラマのナレーションをやるんです。
「百人一首の中の人が喋ってる~」というスペシャル感がたまらなかった。
が、なんと、この『よんだ100人の気持ちがよくわかる! 百人一首』では定家どころか100人が登場して語ってくれるんですよ~。それぞれの歌を詠んだ人が、自分が作った歌の解説をしてくれるんですよ。スペシャル感、ハンパじゃありません!!(笑)

「地味な歌を詠んでる」と思った天智天皇は、庶民の痛み・苦しみ を理解する素敵な天皇でした。
なんて事は、百人一首好きには常識かもしれないし、ひょっとしたら以前読んだ本にも書いてあったかもしれないのですが、本人が語ってくれるとインパクトがあるんです♪
って、本人じゃないけどっ。本人のフリした作家さんだけどっ。
小学生向けだけどっ。
でも、印象に残り方が全然違ったー(^_^;)。

Ushiという感じで、以前は「わけわかんないし、興味ないし」という歌を見直したり好きになったりしたのでした。

たとえば、
長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき

この歌の事、ちゃんと考えた事ありませんでした。「憂しと見し世」という言葉に引っ張られて、なんとなーく暗い歌だと思ってました。
が、ポジティブな歌だというではありませんか。
「辛いと思っていた事でも後からは良い思い出になるよ! 今は辛くても大丈夫だよ!!」という風に取れるのですね。

あと「おお」と思ったのは、
嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
西行法師です。
Sai申し訳ないのですが、坊主めくりのせいか、かつては法師の和歌には全く関心が持てませんでした。
萬斎さんの影響で遍昭は特別扱いになりましたけどね(^_^;)。
この歌は「かこち顔」の意味がわからず興味もなかったので、「どうでもいい歌」扱いをしてきました。
が、「かこち顔」は「他人のせいにする」という意味でした。
悲しいのは恋のせいなんですが、そんな事は言えない。だから月のせいにしちゃうんですって。そんなカッコ悪いカッコ良さを歌っていたなんてーっ!!
月を見て涙が出そうになる事あります。でも、それは月のせいじゃないんですよね。切ない事があるから涙が出てくるんです。急に共感出来たっ!!
しかも、まだ大河ドラマ『平清盛』のイメージが頭に残っているので、私の中では今や西行といえば藤木直人さんです。男の人の涙はあまり好きではないけれど、藤木さんが月を見て泣くなら、しかも「あまりにも月が美しいので」とか言われちゃったら、キュンとくるかもしれないなぁ。

そして、
Muka逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
これもキュンときちゃいました。
言う立場に立っても響くし、言われた立場に立っても響く。

「権中納言敦忠? 誰、それ」って感じでしたし、百人一首の絵札でも地味なのでかつては全く興味がなかったんですけどね。
これが恋の歌である事すら知らなかった~。

子供の頃はキレイな札に興味を持つんですよね。
それにやっぱり坊主めくりの影響で、お姫様の札が好きだった(^_^;)。
最初に興味を持ったのは紫式部の札。
百人一首の中では一番の有名人でしょうし、クイーンって感じですよね。
冒頭の「めぐり逢ひて」という言葉の響きも素敵だった(恋愛の歌ではありません)。

その後好きになったのは伊勢大輔の「いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に 匂ひぬるかな」
子供の頃、紫式部の伝記を読んだのですが、その中にこのシーンが出てきました。
伊勢大輔は歌の才能を紫式部にも認められていて、式部の役をゆずられます。
それは「奈良から京都に届けられる八重桜を受け取って歌を詠む」という役。
伊勢大輔が緊張しつつもお役を見事にこなす様を読んで、ほっとした事を覚えています。
しかも「いにしえ」「奈良の都」「八重桜」「九重」など小学生でも「美しい」と感じる言葉が並んでいるので、気に入りました。

同じ伝記に出て来た大納言公任はチェックしましたが、他の男性札にはあんまり興味なかったなぁ(^_^;)。
が、この権中納言敦忠はイケメンでモテたそうです。
こんな歌詠めるからモテたのかっ。
私も、こんな事言われてみたいし……(爆)。
とか言いつつ、すみません、これの訳詞は控えさせていただきます(^_^;)。

他にも見直した歌はいくつもあるのですが、長文になったので今日はこの辺で(^^)/。

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コメント

こんにちは。Bowieや萬斎さんのお話が好きで、こっそり拝見しておりました。
お身体もう回復されていますか?

百人一首であれば、漫画の「うた恋い。」という物もオススメです。
私はこれを読んで、ぐっと和歌を好きになりました。

投稿: KAI-KA | 2015.11.11 12:08

KAI-KAさん
はじめまして、ようこそ!!
Bowieや萬斎さんの話が好きだなんて~。嬉しいです!!
こっそりなんておっしゃらず、ぜひ表に出ていらして下さい~。
いえ、こっそりでも大歓迎です

『うた恋い。』、アニメにもなってますよね。
何年か前に偶然数分程ちらっと見た気がします。
あまりに深夜だったので定期的に見る事なく終わってしまいました~。
オススメでしたか。

今、公式サイトを見てきたのですが、初めて「イケメン遍昭」を見て衝撃を受けてます(笑)。
ケーブルテレビで再放送してくれたらいいなぁ。

投稿: YAGI節 | 2015.11.12 00:48

温かいお言葉ありがとうございます!
Bowieさん、新曲発売で楽しみですね♪

うた恋い。すっかり忘れていましたが、アニメにもなっていましたね。
個人的には漫画の方がオススメです。
なんとなく自分のイメージでキャラを動かす方がシックリくる話のような気がします。
アニメの方は少し演出過剰というか・・・なんとも説明しにくいのですが。
そして編昭でびっくりされたと思いますが、基本的に登場人物は美男美女が多いのでお気をつけください(笑)

私もYAGI節さんのおすすめ読んでみますねー!

投稿: KAI-KA | 2015.11.13 14:19

KAI-KAさん
はい、こんなに早く(?)新曲が聴けるなんて思ってませんでした(^^)。

『うた恋い。』、漫画の方がオススメでしたか。
ここ数年、『ガラスの仮面』以外の漫画は、電子書籍のクーポン貰った時にしか買ってないのですが(^_^;)、そういう事を伺うと、考えてしまいます。
コミックレンタル・デビューしてみようかな……。

しかし、遍昭があれなら、北面の武士の西行も、もっとカッコよく描いてくれれば良いのに~。

あ、『よんだ100人の気持ちがよくわかる! 百人一首』は小学生向けなので、KAI-KAさんには物足りないと思います~(^^;;;;)。

投稿: YAGI節 | 2015.11.15 01:10

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