1月11日の事
デヴィッド・ボウイの新譜、『★(blackstar)』の収録曲で一番気に入っているのが"Dollar Days"です。
なんとも言えない魅力があって、ちょっとおかしい位聴いてます。
何回聴いたか数え切れません。
昨日は、「鏡開きでお汁粉を食べるから」という事で実家によばれました。
歩くと1時間近くかかるので普段は電車で行くのですが、なぜか昨日は無性に歩きたくなって、歩いて行きました。その間ずっと"Dollar Days"をリピートして聴き続けていました。そして、実家に着く直前でウォークマンの充電が切れたのでした。夕方4時位だったと思います。
私は飽きっぽい筈なので、1時間も同じ曲を聴き続けた事に我ながら驚きました。こんな事は生まれて初めてです。
気になったのが"I'm dying to"というフレーズ。
「~したくてたまらない」という意味らしいんですが、曲調ともあいまって"dying"という言葉の響きが不吉に感じられました。
そして、その数時間後にボウイの死を知らされたのでした。
ひょっとして、私が延々と狂ったように"I'm dying"という言葉を聴きまくっていた時に、ボウイは死の淵をさまよっていたのでしょうか?
発表されたのは日本時間の11日午後との事ですが、亡くなってすぐに発表されたのかな……?
"Dollar Days"の歌詞の意味は私にはよくわかりません。
日本語訳を読んでもわからないので、読解力がないという事なのか。
この歌では"It's nothing to me"というフレーズも繰り返されます。
"English evergreens"を"nothing to me"と言ってしまうって、どういう事なのか?
無茶苦茶大切なものじゃないんでしょうか?
"I'm dying to"と交互に繰り返されるフレーズが"I'm trying to"。
なんだか、この曲がポジティブなんだかネガティブなんだかよくわかりません。
闘病時に作った(?)事が反映されているんでしょうか?
ボウイの死は『報道ステーション』で知りました。
帰り支度をしている時にいきなり「デヴィッド・ボウイ」という声が聞こえて、慌てて帰り支度の手を止めました。
次の瞬間涙がとめどなく流れました。
親は呆れていたと思います。
よりによって、親の前で泣きたくなかった。
でも、涙は止まらなくて、鼻かんでたら血が混ざってて、「強くかみすぎ」と言われました。
ひたすら鼻をかみ、逃げるように家を出ました。
涙目で電車に乗るのに抵抗があったので、また歩こうかと迷ったのですが、夜遅かったので電車で帰る事に。大きなマスクをして俯いて電車に乗りました。
何もやる気が出なくて、とにかくすぐに布団に潜り込みたいと思いました。
ボウイの曲を聴きながら眠りにつこうと思って、"Dollar Days"をヘッドホンで聴いたのですが、さっきまで大好きだった筈のこの曲が辛くて聴けない。
"Blackstar"(タイトル曲)を頭から聴く事にしました。
この曲は先行シングルでした。
でも、私はあまり好きになれなかった。なんか怖かったんです。恐ろしい曲だと思いました。
副業先のロックファンの方に感想を聞かれた時に答に窮して、「あまりピンと来ないんですけど」と言ったら、「まぁ、ボウイだったら出してくれるだけでありがたいよ」と言われ、その時は同意したのですが、まさかこんな事になるなんて思ってもいなかった。
ホントに、出してくれるだけでありがたい事だったんだ。
もう、二度と新曲を聴く事は出来ないんだ……。
"Blackstar"は前半は無茶苦茶暗く不気味なのですが、途中で曲調ががらっと変わります。
PVの後半部を見た時「なんか天国みたい……」と思ったんですが、ボウイは本当に天国に行っちゃったんだろうか?
そう思ったらまた悲しくて、それ以上聴いていられなくて、眠る事にしました。
……が、当然眠れない。
その後はずっとパソコンいじってます。
ネットサーフィンしてみたり、当ブログが真っ赤(ロンドンバスの色)なのがイヤになりテンプレートを地味な物に変えてみたり。
目は冴える一方なので、こうして更新もしちゃいました。
マイケル・ジャクソンが亡くなった時、ホイットニー・ヒューストンが亡くなった時、「ボウイは生きてて良かった」って思ってしまいました。
薬で亡くなってしまっていてもおかしくなかった人ですよね。『ヤング・アメリカンズ』の頃は相当危なかったらしい。
シド・ヴィシャスは21歳で亡くなり、マーク・ボランは29歳で亡くなったけれど、ボウイは69歳まで生きてくれました。決して長生きとは言えないけれど、「25歳になったら生きていたくない」的な歌("ALL THE YOUNG DUDES")を作った人だと思えば、「よく生きてくれた」って感じなのかな。
二十代で亡くなってしまっていたら、私はボウイをリアルタイムで聴く事もなく、ボウイ・ファンにもなっていなかった事でしょう。そう考えると、感謝の気持も沸いてきます。
あんなに沢山の名作を届けてくれて、ありがとう!!
素晴らしいライブで魅せてくれてありがとう!!
今ではすっかり洋楽に疎くなってしまった私ですが、一時はかなり色々な曲を聴きまくってました。ボウイと出会ってからの私は「ボウイ以上に私好みの音楽を創るアーティストはいるんだろうか?」という好奇心で洋楽を聴いていたような気がします。
でも途中で、「そんなアーティストはいない」と気付いてしまった。
それから、あまり新しい音楽を聞かなくなってしまったんです。
以前、「ボウイだったら何をしても嫌いにならない」と思いました。
たとえば、二番目に好きな某アーティストだったら……犯罪を犯したりしたらファンをやめるかもしれません。が、ボウイだったら、殺人犯になってしまったとしても、過去の作品を嫌いになる事はないんじゃないか、なんて思ってしまったんです。
でも、もうそんな事もないですね。
ボウイの人生はこれで終わり。
ああ、終わりなのかぁ。
いや、終わってないんじゃ? 実は生きてたり……?
そんな事ないか……。はぁ。
波瀾万丈だったけれど、晩年は素晴らしい人生だったんじゃないかなぁ……
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コメント
こんにちは。
ボウイがいつ旅立ったか?ですが、私は日本時間11日の17時前にニュースを見て
その時ニューヨークは11日の2時頃だったので、たぶん本当に間をあけずに発表してくれたんだと思います。
24時間は経過してないです。
私はなんだかまだ泣いてしまいそうで、曲をあまり聞いてませんが
聞いていないのもそれはそれで寂しくて、ファンって難儀なものだなぁと笑ってしまいます。
投稿: KAI-KA | 2016.01.31 02:33
KAI-KAさん
。
こんにちは。コメントありがとうございます!
曲をあまり聞けてないのですね、お察しします……
私は亡くなってから数日はバラードが聴けませんでしたが、今は"Blackstar"と"Lazarus"以外は何でも聴けるようになりました。
っていうか、ボウイの声に依存しちゃってます。
ボウイの声なしでは電車の移動が出来ません(ちょっとでも憂鬱な事はボウイの声なしでは乗り切れない)。
ボウイの亡くなった正確な時間って発表されましたでしょうか?
「現地時間の1月10日」としか発表されてないような気がするのですが……。
投稿: YAGI節 | 2016.01.31 23:22
正確な時間は発表されていません。
ただ、私がニュースに気付いたのがツイッターだったので、
そのままオフィシャルアカウントを確認
↓
発言時間が現地時間の11日朝方(夜中?)2時
だったので、そんなに時間はたっていないだろうなぁ・・・という推測です。
なので間違っている可能性も大ありです(^_^;)
投稿: KAI-KA | 2016.02.07 12:23
KAI-KAさん
夜中の2時に発表ってすごいですね。
「朝まで待ってから」とかではないから、確かにすぐに発表したのか……。
日が変わる直前とかだったのかなー。
フォロー、ありがとうございました。
投稿: YAGI節 | 2016.02.07 23:36