新春名作狂言の会 2016
1月といえば、
◆サロン・ド(デュ)・ショコラの為に新宿伊勢丹へ行き、帰りに新春名作狂言の会を楽しむ
◆浅草歌舞伎を観る
◆府中の森芸術劇場の能・狂言を観る
……というのが私の恒例となってました。
が、いつまでも続けられるわけではないですね。
浅草歌舞伎は今年もお休みしてしまいました。
……と、ここまでは、去年の1/27の記事からコピーしてみました。
そして、今年はなんと、府中の森芸術劇場の能・狂言まで見逃した~っ!!
いや、実は、チケットは入手したんです、最前列でした。
が、よく見たら「昼の部」。
私が見たかったのは野村萬斎さんご出演の「朝の部」だったので……間違った~~~っ。
普通、朝の部とかないし。
こんな早い時間にやるのって、府中位です。
幸い「昼の部」のチケットはヤフオクで定価で捌けたのですが、朝の部は売り切れで買えませんでした。
「当日券出ますか?」と尋ねてみた所、「わからない」と言われまして、「公演の直前にまた聞いてみよう」と思っていたのに、ボウイが亡くなってしまい、それどころではなくなってしまったのでした……。
という事で、唯一残された私の恒例行事新春名作狂言の会に今年も行ってきました。
感想いってみます。
◆トーク 茂山正邦×野村萬斎
去年同様、まずは正邦さんがお一人で登場して『萩大名』の解説。
それが終わると萬斎さんが登場し、恒例「同じ小舞を同時に舞って、和泉流と大蔵流の違いを見る」というお楽しみコーナーに続いたのでした。
今回取り上げられたのは『花の袖』。
そして例年同様、やっぱり和泉流は立って、大蔵流は座ってスタートしたのでした。
萬斎さん、昨日は正邦さん達と岡山で公演をやったそうです。
なのに、明日は京都だとか。相変わらずお忙しい人だなぁ。
正邦さんは明日は横浜との事。
例年、茂山家は京都に帰らなければいけないから先に演じるらしいのですが、「横浜だったら、今日は後にやってもらって良かった」みたいな事をおっしゃる萬斎さん。
うん、今回ばかりは順番を変えた方が良かったのかもしれませんね。
「東」がホームグラウンドである野村家の「西」での公演が増え、「西」がホームグラウンドである茂山家の「東」での公演も増えてきたなんていうお話をされてました。
興味深かったのは、同じ演目でも役者によってシテ(主役)が変わる事があるという話!!
たとえば、『舟ふな』のシテは通常太郎冠者だそうですが、この日は万作さんが主を演じ、こちらがシテとなってました。どっちが主役でも構わないような内容だから成り立つ話ですね。
『蝸牛』も普通は山伏がシテだけれど、太郎冠者がシテ扱いになる事もあるのだとか。
他にもそういう演目はいくつかあるそうで、格上の役者さんが演じる役がシテとなっちゃうのですね。
名前が先に書かれた方がシテみたいな感じ?
狂言にはなかなか武士は登場しないのですが、『首引』には鎮西八郎為朝が登場します(大蔵流では「鎮西ゆかりの者」)。
為朝といえば、つい『平清盛』の橋本さとしさんを連想してしまう私ですが、ある時代の人達にとっては為朝といえばマッチョの代表格ともいえる人物だったそうです(萬斎さんは「今でいえば相撲取りかシュワちゃん」みたいな事言ってました)。
なんでも、今は亡き茂山千之丞さんはこの役をやる為にカツラをかぶったそうで、正邦さんは「そこまでしてこの役をやりたいか」と思ったのだとか(^_^;)。あ、千之丞さんは萬斎さんの言葉を借りると「光沢ある頭」だった為、そのままではこの役には相応しくなかったみたいです。
そういえば、一昨年は茂山千作さんが亡くなったばかりだったのに、訃報さえも不愉快でない笑いに変えてしまっていて、「すごいなぁ」と思ったんでした。
私も今月はボウイ、五代様(『あさが来た』)、茂茂公(『銀魂』)の立て続けの死の影響でグロッキーでしたが、茂山家の皆さんみたいに笑い飛ばせるように、たくましくなりたいです。
……「後の2人は創作物じゃん」とツッコミたい所ですが、五代友厚は実在の人物だし、茂茂公のモデルは徳川家茂だし、ボウイの方が非実在の人物のように見えてくる……あんなすごい人、本当に実在してたのかな? ホントに地球人だったのかな?(爆)
百人一首の話をしてくれたのは、百人一首おたくな私へのサービスですか。(違)
◆萩大名(はぎだいみょう)/茂山千五郎・茂山正邦・茂山茂
和泉流の物を2回見てます。
大蔵流の物を見るのは初めて。
「大きな違いはない」とトークではおっしゃってましたし、私も気づかなかったのですが、大名の事を太郎くんが最初は「愚鈍」、最後には「気の毒」と言ってました。「うわっ、結構辛辣だな」と思ったのですが、和泉流もそうだったのかしらん。
しかし、3度目なのに、いまだに、「七重八重九重とこそ思いしに十重咲き出づる萩の花かな」の歌を覚えられない私の方がよっぽど「気の毒な人」かも(^^;;;;;;;;)。
◆舟ふな(ふねふな)/野村万作・石田幸雄
舟の事を「ふね」というのか「ふな」というのか、どちらが正しいのか争うという、どうでもいい話(^^;;;;;;)。
でも、正しい事を証明する為に和歌を引き合いに出す所がちょっと高尚?
でも、和歌をごまかして発音する所なんかは狂言ならでは?
万作さん、相変わらずキュートでした。
◆首引(くびひき)/野村萬斎・深田博治・高野和憲・月崎晴夫ほか
萬斎さん面付けてたーっ。
ま、まぁ、トークでお顔はたっぷり拝見できたから。
それに、面付けてても、鬼のスタイルはカッコ良かったです。
赤いロングヘアで踊る姿はまるでロックスター(嘘)。
面付けてても、やっぱり引き付ける力はあるんですよね~。すごいなぁ。
鬼が出て来る狂言では、鬼の方が人間らしく、人間の方が鬼のように描かれる事が多いのだそうです。まさにこれもそうでした。親バカな鬼、親離れ出来ない姫鬼、鬼のように強い為朝……面白かったです♪
あぁ、久しぶりにボウイ以外のネタを書けたぁ……。
| 固定リンク
コメント
ブログ更新の嵐!お疲れさまです。
そしてボウイ、五代様、茂茂公を並列してしまう、いつものYAGI節ワールド
今後も楽しみにしています。(不定期更新で・・・)
投稿: ぽぐぽぐ | 2016.01.31 00:08
ぽぐぽぐさん
五代様に実は子供が9人いたと知り、違った種類のショックを受けてます(笑)。
更新楽しみにしていただけるなんて本当に嬉しい事です、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
『みんなのKEIBA』、一新したんですね。
投稿: YAGI節 | 2016.01.31 23:22