ジギー・スターダストwithサエキけんぞうさん
デヴィッド・ボウイのドキュメンタリー映画『ジギー・スターダスト』が最後に劇場公開されたのは、1999年だそうです。
ちなみに私が吉祥寺の映画館で観たのはもっと前。
とはいえ、残念ながらリアルタイムではなく、『地球に落ちてきた男』と『ハンガー』との3本立てでした。
その後、DVDは買ったんですが、1回位しか見返していなかった気がします。
アルバム『ジギー・スターダスト』は大好きなので、ジギー大好きだと思われているかもしれませんが、実は、ジギーのヴィジュアルはあまり好きじゃないんです。
が、「18年ぶりの劇場公開」なんて言われると、黙ってられません。
それに、やっぱりボウイの音楽を映画館で聴きたいっ!!
という事で、サエキけんぞうさんのトークショーもあわせて見られる初日(昨日)新宿K’s cinemaに行ってきました。
ロビーには『ジギー…』のパンフレットの他にボウイTシャツなども売っていて、パネルも飾ってありました。知ってたらカメラ持って行ったのにー。またしても携帯のカメラで地団駄踏む私です(^_^;)。
まずはサエキけんぞうさんのトーク。
前から3列目だったので、はっきりお顔を見られました♪
サエキさんは2つのテーマを来場者に投げかけていました。
1つは「ボウイはナルシストか?」
もう1つは「ボウイはサディスティックか?」
「ボウイはナルシスト的な部分はあるけれど、真のナルシストだったら、もっとライブの映像を残していたのではないか」みたいな事をおっしゃっていました。
今迄知らなかったのですが(最近公になった情報らしい)、『ジギー・スターダスト』の映画化は、偶然の産物なんだそうです。最初は30分位のショートフィルムの予定だったらしい。
シアトリカルな『ダイヤモンド・ドッグ・ツアー』でさえ、オフィシャルな映像はありません。
『シリアス・ムーンライト・ツアー』以降はちゃんと出てますが、それ迄はホント少ないんですよねー。
……お薬が関係しているのかな?
「サド発言」は、
『ジギー・スターダスト』の楽屋映像の、周囲(特に当時の奥様アンジー)に対するボウイの態度が、サエキさんの目にはサディスティックに見えたらしいです。
んー、なんとなくわかる。私がキャラクターとしてのジギーがあまり好きになれないのは「意地悪っぽいから」というのもあるかもしれません。
何かの本で、この日だったか別の日だったか忘れましたが、「ジギー・スターダストのツアー中、観客が熱狂してアンコールを求めているのに、置いてきぼりにしてさっさと帰ってしまった」みたいなエピソードを読んで、「冷たいなぁ」と思った事がありました。
だから私はジギーが"You're not alone / Gimme your hands / you're wonderful"とか歌っても、今一信用出来ない。なんか嘘っぽい、作りもののような気がしてしまうんです。うっかり手を出したら、ぺしんとはたかれそうな、裏切られそうなそんな気がして、どこか私も冷ややかに見てしまうのでした。や、所詮ライブなんて、「作りもの」、ショーなんですけどね。
チラシは2種類ありました
私は「冷たい異星人ジギー」ではなく、優しい「人間ボウイ」が好きです。
てっきり、「年をとって丸くなって人間らしい人間になった」と思っていたのですが、そんなボウイが実は「昔から優しい一面を持っていた」とサエキさんはおっしゃいました。二面性を持っていたんじゃないかと。
マーク・ボランの死後、「彼の奥さんと息子の生活の面倒を見てあげた」という話は私も聞いた事がありました。でも、「ジョン・レノンが亡くなってしまった後、ショーンと遊んであげてた」という話は知らなかったー。
「優しいボウイが冷たいジギーの仮面を被ってたけど、私生活でも時々ジギーになっていた」という感じなのかもしれませんね。
で、映画なんですが……
久し振りに観て、感慨に耽るかと思いきや、意外とそうでもありませんでした(^^;;;;;;)。
やっぱり、あのメイク、あんまり好きじゃないかも(爆)。
『DAVID BOWIE is』の広告に使われている写真を見てうかれてますが、あの写真も好きなわけじゃないんです。ボウイだと思うから、嬉しいだけなんです。
その後のボウイを知っているからいいけれど、ずっとあのまんまだったら私はボウイのファンになってなかったと思います(^^;)。
実は最初に映画館で観た時も、あまりピンと来ませんでした。当時はボウイ・ファンになりたてだったので、「そんなもんかな」って感じでしたけれど、ボウイ一周忌を迎えてちょっと感傷的になっている今でさえ、あの映画を観て涙するとかはなかった自分にちょっとビックリしました(^_^;)。
ビックリといえば、
昨日観終わった後に「あれ?」と気付いたのですが、『ジギー・スターダスト』といいながら、このライブには私の好きな"Starman"と"Lady Stardust"が出てこないですね。この2曲をやっていたら、またイメージ変わったかもしれないなぁ。
「あれ?」といえば、
"Let's Spend the Night Together"の時に「君の意思のままに」という邦題が出ました。"Hang On To Yourself"既にやってるし。いや、確かに似てるけど。え、これ、"Hang On To Yourself"? いやいや、"Let's Spend the Night Together"だよね……と混乱しました(^^;;;;;;;)。
日本語訳は、CDの訳とは訳者さんが異なっているようで一部「え?」と思う所がありました。もっともCDも出る度に微妙に違ってたりはするんですけどね。
大好きな"Changes"の"I can't trace time"という部分は「時を遡れない」と訳す方が多いようですが、私は"trace"を轍を残すみたいに解釈してました。「時に足跡を残せない」とか「爪痕を残せない」みたいな感じ。その前に"Time may change me"と来ているので、「時は自分を変えるのにもかかわらず、自分は時に対して何も出来ない」みたいな。
「時を遡れない」では、なんだか当たり前な事を言っているようでつまらないんですよねー。
私がボウイ・ファンになった時、既にボウイは大スターでした。なので、「あのボウイでさえ、こんな気分になった事があるのか!」という驚きの歌でもあったんですが、「若い頃はあんな事歌っていたけど、その後ボウイは時代にちゃんと足跡を残したよ!」と感無量になる歌でもあったんです。なので、「時を遡れない」とか「戻れない」的な訳はちょっと嫌なんですが……ダメ?
ダメといえば、
ミック・ロンソンのギター・ソロ、前半は「無茶苦茶カッコいい」と思ったんですが、後半は長すぎてちょっと飽きてしまったダメな私です。ごめんなさい
前売り券はポストカード付きでした♪
| 固定リンク
コメント