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2017.07.29

『光炎の人』

「一度は生で観てみたい」と思っていた早稲田実業の清宮選手、早いものでとうとう今夏が「高校最後の夏」となってしまいました。

幸い西東京大会の決勝戦は日曜日。
早実が決勝進出を決めたと知った金曜の夜に、ネットでのチケット購入を試みたら……なんと全席売り切れでした。
ただ、「ぴあ」には「リセール」という「チケット購入したのに急遽行けなくなってしまった」という人が定価で売り出すシステムがあり、その購入ボタンはアクティブになっていました。いかにも買えそうな雰囲気で画面は進み結構な入力を求められたのに、最後の最後で「購入出来ません」というメッセージが出てがっくり。一度で諦めればいいのに、「回線が混み合っているせいかも」とか「別の人が出品したかも」などと何度もトライして、結局ダメで随分時間を無駄にしました、ううう。

「チケットキャンプ」では金曜夜の時点では800円の自由席が1500円で出品されていました。
値段は安いけれど倍近い金額なので、なんだか悔しくて手を出すのをやめてしまったのですが、さっき「ヤフオク」見たらなんと6500円で取引されてました。8倍以上? 清宮人気おそるべし。
私はテレビ中継を観る事にします……。

甲子園に出場するというのは本当に大変な事です。桑田真澄さんは「ヒジが曲がっても腕が折れても投げようとする子は、今でもいる」と語っていました。
「そんな事しちゃダメだよ!」と思いつつも、そこまで頑張る姿には胸を打たれてしまう。死に物狂いで何かに打ち込む姿に弱い私です。自分にはそこまで打ち込める物がなかったので憧れます。

と、前置きが長くなりましたが、
今日のタイトルにした小説『光炎の人』も、胸を打たれる程頑張る人のお話でした。

木内昇さんは一番好きな小説家で、書かれる作品はほとんど私の好みに合うんですが、中でも一番好きなのは『幕末の青嵐』。
当ブログに感想文を載せてますが、こんな事を書いてました。

残りのページ数が少なくなるのがちょっぴり辛かった。「うわぁ、あとこれしか残ってない。もっと読んでたいのにぃ」と寂しくなるのです。こんな気持にさせられた本は久しぶり。(2005年6月)
そして、今回の『光炎の人』で、久々にその感覚におそわれました。 上巻のページが残り少なくなった時に、まさに「うわぁ、あとこれしか残ってない。もっと読んでたいのにぃ」と思いました。もっともその直後に「あ、下巻もあるんだった、あー、良かった♪」と思いましたが(笑)。

以下、ネタバレあります。

光炎の人 (上) 光炎の人 (下)

主人公が夢中になるのは技術開発。
電気の虜になり、そのうち無線開発にのめりこんでゆくようになります。

貧乏で学校にも満足に通わせてもらえず、早いうちから働きに出されてこき使われて、それでも電気の謎を解明してゆく事が楽しくて仕方なくて、独学でとにかく勉強に励みます。周りが呆れてもお構いなし。そんな努力が実って、ありえない出世を遂げてゆく様が前半では描かれています。そういう苦労人の出世話は大好きです。
が、後半では、歯車が狂ってゆく様が描かれてしまうのです。魅力的に輝いて見えていた主人公が、イヤーーーな人に見えていった……がーん。

木内昇さんは幕末がお好きで、野球もお好きで、私と滅茶苦茶感性が似ていると思います。呆れる程何かに打ち込むような人がお好きに違いない。
以前読んだ『櫛挽道守』はまさにそういう人がヒロインで、引きこまれる名作でした。
そんな木内さんなのに、好きな事にのめり込んで頑張る人が破滅する作品を描いたという所にまたグッときちゃいました。何かを好きになって、のめり込む事は本当に素晴らしい事なんだけれど、恐ろしい危険も孕んでいるんですね。環境によってはとんでもない事になる……。
あー、でも「破滅」とは書いてしまったけれど、もしかしたら、主人公自身は破滅とは思っていないかもしれない。最後は希望を持ちながら亡くなっていくので、幸せだったのかもしれないなぁ……。

ハッピーエンドかと思ってわくわくしながら読んでいた私にとってはかなりヘビーな後半でしたが、色々考えさせられる興味深い作品でした。「やっぱり木内さんは凄い」と改めて思わされました。ああいう作品が描ける木内さん、本当に羨ましい。あれ、「羨ましい」なんて書くと小説家志望みたいかな? 全くそんな事はないんですが、ああいう作品を書ける事がなんというか……やっぱり羨ましい(うまい言葉が見つからない)。

理科は苦手なので電気の話なんて難しくてさっぱりわからなくて飛ばし読みしちゃった所もありますが、それでも飽きさせない筆力・吸引力も素晴らしい。

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