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2017.09.09

球道恋々

直木賞受賞時のインタビューで「本当は沢村賞が欲しかった」というステキ発言をしてくれた木内昇さんが、ついにやってくれました。野球小説を出してくれました!!

球道恋々前作『光炎の人』の感想で、作家志望でもない私が「ああいう作品が描ける木内さん、本当に羨ましい」なんて書いてしまいましたが、その思いが今作で更に増しました。
この本、私が書きたかった。私、木内さんになりたかった(爆)。
自分の仕事のキャリアに、『幕末の青嵐』『光炎の人』、そしてこの『球道恋々』があったら最高ですよ。羨ましい(笑)。

私と趣味が似すぎて恐い音楽家といえば布袋寅泰さんなんですが、作家だったら木内さんですね。
野球が好きで、幕末が好きで、そして琴線に触れるものがきっと同じなんだろうなぁ。
本当に木内さんの本は興味深い♪

そして、中性的な所が好き。ペンネームからして、中性的ですね。
女性作家って「恋愛物や家族物が得意」というイメージがありますが、木内さんはそうでない所がいい。
音楽だったら、カワイイ声の女性ボーカリストとか、渋い声の男性ボーカリストが好きなのに、なぜか文学は女性性や男性性を強く出されるのが苦手な私です。
男性作家で好きな三谷幸喜さんも男っぽさとはほど遠い、中性的な文章を書きますよね。

さて、
『球道恋々』は選手時代は二流だった主人公が、コーチとして学生野球に携わってゆくお話です。主人公は架空の人物なのですが、実在の人物が多数出てきました。
もっとも、恥ずかしながら私は知らない人ばかり。
たとえば読後に確認して、「えーっ、老鉄山(中野鉄二)って、ウィキペディアに載っちゃってる!」と驚きました(^_^;)。
「うんうん、学生の時から立派だったもんね。そうかー、あの、中野くんがウィキペディアに載ったか。野球殿堂入りしたの!? 大したもんだ」なんて、若かりし頃の事を知ってる近所のおばちゃんみたいな気分になっちゃったりして(笑)。

野球好きとかいいつつ、「野球害毒論運動」の事も知らなかったので、びっくりしつつ、無茶苦茶興味深く読みました。朝日新聞が野球を滅ぼそうとしていただなんて。なのに全国高校野球選手権大会を主催するようになるなんて。それがフィクションではなく事実というんだから面白い。
しかし、武士道で私の心を奪った新渡戸稲造が、野球害毒論運動のドンで野球ファンの敵だったとは。衝撃でした。

小説を読むと、「主人公、ステキだったなぁ」なんて感情移入するのが一般的だと思います。この作品も主人公を支える奥様とか中野くんとか魅力的なキャラクターは出てきます。
が、今回は「木内さん、いいなぁ」というのが一番の感想でした(^_^;)。
『奥田民生になりたいボーイ』ならぬ、『木内昇になりたいガール』になってしまってる私です。

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