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2017.11.04

わたしを離さないで

今回の記事には、
ネタバレという程ではないけれど、ちょっとそれっぽい部分もありますので、お気を付け下さい。

カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞の影響で、読みたくなりました。

受賞翌日に地元の図書館に予約を入れてみたら、『日の名残り』の予約数が148、『わたしを離さないで』は113でした。
『火花』の予約を入れた時は500を超えていたのでそれに比べれば少ないけれど、すぐ読みたい場合は待つのがツライ数。
という事で『わたしを離さないで』は買っちゃいました。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)文庫本の表紙は帯で隠れて全体が見えませんでした。っていうか、表紙なんて全く気にしていなかったので、ちらっとしか見ませんでした。話の内容から勝手に医療器具の一部かと思っていたんですが、ちゃんと見たらなんとカセットテープでした。カセットテープが重要な役を果たすアイテムになってるんですよねー。音楽ファンとしてはちょっと嬉しい。

以前当ブログに登場した『ダウントン・アビー』を紹介してくれたSさんが、『ダウントン・アビー』後にハマったドラマの事を「視聴率は悪いみたいだし、暗い話で『面白い』という感じではないんだけど興味深い」みたいにおっしゃっていました。なんだかヘビーそうで、「たとえSさんのオススメでも、そんなドラマは見る気になれないなぁ」と思ったようなおぼえがあります。
ノーベル賞受賞時のニュースなどで『わたしを離さないで』の紹介を見た時、「あのドラマの話と似てるような……?」と思いました。ビンゴでした。綾瀬はるかさん主演のドラマが、カズオ・イシグロさんの小説を元に舞台をイギリスから日本にかえて作った物だったんですね。

当時はあまり興味を持てなかったのですが、ノーベル賞取ったと知った途端に興味が沸いてしまいました。
大江健三郎さんの事も全然知らなかったのに、ノーベル賞取ったら手を出しちゃったっけ。ミーハーですみません。
かつての私に大江さんは難し過ぎたのか、「退屈だった」という印象しか残ってません(爆)。
果たして、イシグロさんはどうなのか?

読みました。

泣いた。
電車の中で読んでいたのに、ルース(主人公の親友)の某シーンでは不覚にも泣いてしまいました。頬まで涙がつたう程でしたが、マスクをしていたので多分周囲の人には気付かれていないと思います(?)。
ラストは家で読んでいたので遠慮なし。
無茶苦茶泣きました。泣けて泣けて仕方ありませんでした。翌日顔が変わってました。目が腫れる程泣いたって事ですね(^_^;)。
あんなに泣いたのは浅田次郎さんの『壬生義士伝』以来かな。

基本的に私は「お涙頂戴物」がキライなので、「泣ける」というのを売りにする物にはまず手を出しません。『壬生義士伝』も本当は読みたくなかった(?)のですが、新選組物なので読むしかありませんでした(義務ではない)。
『わたしを離さないで』もちょーっと迷ったのですが、「ノーベル賞受賞者の代表作」という事でミーハーな血が抑えられませんでした(爆)。「Sさんのおっしゃってたドラマの元ネタ」というのも大きかったかな。

この二冊、泣かせ方は全く異なってました。
浅田さんの場合は、「それ泣け、ほら泣け、もっと泣け、どうだ!!」という感じ。「やり過ぎだよ」と感じてしまうのですが、イシグロさんの方は、泣かせようと思っている風には見えません。割とさっぱり淡々としているのに泣けてしまう。
浅田さんの場合は、「なんかまんまと泣かされて悔しい」と思っちゃいましたが、イシグロさんの方は、「すみません、なんか勝手に泣いちゃいました」と自己責任な気分。いや、本当はやっぱりイシグロさんにまんまと泣かされているのかもしれないけれど、それを感じさせないんですよねー。

ただ、当ブログの『壬生義士伝』の感想にも書いた事なのですが、「泣ければいいってもんじゃない」し、「気に入ったか」と問われると考えてしまう。
読んでいる時は、「どうなるんだろう」と、物凄ーく引きこまれましたし、好きなシーンもありました。
色々考えさせられて、こういう本を読む事も大事なのだろうとは思わされます。「こういう小説を書けるイシグロさんって、ホント凄い。ノーベル文学賞受賞も納得!」とも思います。
が、色々な理由(ナイショ)で読後はすっかり気が滅入りました。
もう夜眠れないかと思った。爆睡しましたけど(笑)。

これを読んでいる時に、幸か不幸かテレビでドラマの再放送をやっていました。
私が気付いた時は4話だったんですが、最初の15分位観ただけで視聴をやめてしまいました。原作を読んだ時のルースの印象は「短所もあるけれど、キャシー(主人公)にとっては大好きで大事な親友」と思えたんですが、ドラマのルース(美和)は不愉快すぎました。一応録画はしましたが、もう見る気にはちょっとなれないかも……。

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コメント

読後に気が滅入ったというの、わかります。いろいろ考えさせられちゃうんですよね。さらさらと書かれているし、とてもきれいな話だけど重いです。

でも、人間はときどきこういうことを考えなくちゃいけないのかなあとも思います。イシグロさんの小説はその都度ジャンルもテーマも違うのに、根本のところにそれがあるような気がして、そんなところが好きです。

ところで、ドラマはだめだめみたいだったようですが、映画はよかったですよ。3人とも役にぴったりはまってました。ビデオなどで観る機会があったらぜひどうぞ。ロケ地もすてきでした。

投稿: shoh | 2017.11.04 21:32

shohさん
コメント付けそびれてしまったのですが、shohさんの「土屋政雄講演会」のお話、拝読しましたよー。
おかげで、より小説を興味深く読めたように思います。

>ドラマはだめだめみたいだったようですが

たまたま一番変な所を見てしまったのかもしれません(^_^;)。

>ロケ地もすてきでした。

あー、これは重要ですよね。
イギリスっていうのも私には大事。
ケーブルテレビで放送してくれたら見てみます。

投稿: YAGI節 | 2017.11.05 21:06

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