MANSAI◎解体新書その弐拾九「発酵」
野村萬斎さんの定番イベントの中では3本の指に入る位好きな企画、「MANSAI◎解体新書」。前回の「その弐拾八」はチケット売り切れちゃって買えませんでした(号泣)。萬斎さんがオリンピック五輪演出統括に就任しちゃったせいかとも思いましたが、ゲストが落合陽一さんだったというのも大きかったでしょうか。見たかったよ~。
今回もオンライン先行では出遅れて買えず(うっかりしてたとはいえ、当日の夜にトライしたのに~)、一般発売日の初日に辛うじて最後列をなんとかゲットしました。危ない、危ない。
今回も無茶苦茶面白かったです!!
テーマは「発酵」~ジャパンカルチャーという文化変容(アカルチュレーション)~というもので、ゲストがTAKAHIROさんと宮内庁式部職楽部楽師(つまり雅楽を演奏する人)の山田文彦さんでした。
「TAKAHIROさん」というとEXILEの人を連想してしまいますが、そうではなくダンサー兼振付師兼演出家の上野隆博さんでした。マドンナのワールドツアーに参加していた事もあるそうです。今ウィキペディアで検索してみたら「NHK大河ドラマ『平清盛』の振付」という記載があってびっくり。えー、そんな大切な事、全く触れてくれなかったよ。他の経歴がすごすぎて説明しきれないんだろうけど、そっちの話も聞きたかったなぁ。
TAKAHIROさんのパートで一番時間が割かれたのは欅坂46の振付についてでした。『サイレントマジョリティー』のライブ映像、2度も見せられちゃった。
私は、2014年にここで五輪セレモニー案を語りましたが、そこで「制服女子高生のダンス」って書きました。欅坂46がデビューする前の事なんですが、なんだか開会式などでこの案が実現しちゃいそうな気がしてきました。
欅坂46の振付には頭を振るものがありますが、偶然にもそれは雅楽の「抜頭(ばとう)」という舞に似ているそうです。そうと知らされてからは、それまで「ヘドバン」と呼んでいたものを皆で「抜頭」と呼ぶようになってウケました。私は以前、能の『石橋』を観て「ロックっぽい」と書きましたが、あれが基になっている「石橋物」と呼ばれる歌舞伎の『鏡獅子』とか『連獅子』も似てる。なので、五輪セレモニーでは「雅楽→能→歌舞伎→欅坂46」とリレーするのもいいかも。これは、今回の『解体新書』のタイトルにもなってる「発酵」に通じる!
萬斎さんは「前の時代の物を否定しないで残しながら並行して新しい物が発展するのが日本的」みたいな事をおっしゃっていたけれど(将軍と天皇が両方残ったり、能やヒップホップが流行っても雅楽もひっそり生き残っているとか)、そういえば宗教もそうなんですよね。学生時代に「宗教は高い所から低い所に流れてゆくから、低度の宗教しかない所には三大宗教みたいな高度なものが入ってくるとすぐにそれに覆われてしまう。それなのに日本は神道がある所に仏教が入ってきたのに神道も潰れないで両方残ってる」みたいな事を聞いて、すごく面白く感じたんですが、同じですね。
「アメリカは、多民族国家で色々な文化が共存していてすごいなぁ」と思った事もあったけれど、島国で一見排他的に見える日本だって、本当はすごく大らかで、色々共存させたりミックスさせちゃったりしてるんですね♪
山田さんは、ものすごく大きなライブを秋に控えているそうです。
何かと思ったら即位の礼だって!(笑) 確かに、無茶苦茶大きなライブだ。
TAKAHIROさんのお話も面白かったけど、山田さんがまたすっごくお話がお上手で、楽しませてくれました。
「解体新書」、劇場でしか観られないなんてもったいない! 私がテレビ局のエライ人だったら、テレビ番組にしたいです。もちろん、劇場で生でパフォーマンスを楽しむのが一番ですが、スタジオ番組にしても十分楽しめそう。
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