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2019.12.24

かけがえの無いものでありつづけます

今日は志村正彦さんの命日です。十回忌です。

今年ももうじき終わりますが、私にとって2019年は志村さんの年でした。

今年は結構ヘビィな1年でした。
2018年に好酸球性胃腸炎で入院して、退院したものの年末にぶり返し、今年の元旦は今までの人生で最も苦しい元旦となりました。
その後、定期的な注射と食事制限によって元気になってきたと思ったのですが、春には今度は胸部を傷め、1ヶ月近く動けない日々が続いたのです。

入院も辛かったけれど、自宅で動けないというのはそれはそれで辛かった。
入院中は先生や看護師さんがいるという安心感がありました。痛みはなかなかやわらがなかったけれど、皆さん親切でありがたかった……。
先生も看護師さんもいない自宅で苦しむのは、心細いです。
そして、肺の調子が悪かったとはいえ、持病の喘息の咳で肋骨近辺を傷めてしまったわけで、「こんな持病を抱えて、これから年を取る一方だし、もう元気になんてなれないかもしれない。働けないかもしれない」とすっかり滅入ってしまったのでした。
そんな時、支えになってくれたのは志村さんでした。

動けなくてやる事ない時に、フジファブリックの音楽をたくさん聴いて、ラジオ『ネトネト言わせて』を聴きまくりました。動けなかったおかげでじっくり聴けました。寝てもさめてもフジファブリックでした。
私は「自分に起こる事、全てに意味がある」と思うようにしていて、というかそうだと思っています。あの辛かった1ヶ月は、志村さんをより知るための1ヶ月だったのかも(笑)。

今日のタイトルはフジファブリックの『クロニクル』から取ったんですが、この歌には
「君は僕の事を 僕は君の事を どうせ忘れちゃうんだ そう悩むのであります」
という歌詞があります。
「どうせ忘れちゃう」だなんて、投げやりだなぁ。
そして、「君」が僕の事を忘れるだけではなくて、「僕」まで君の事を忘れちゃうのね。
でも確かに、良い思い出も悪い思い出も時が経てば忘れちゃう。
「忘れたくない!」って思っても忘れちゃう。虚しいよね……。

動けない間、「たとえ頑張ったって病気しちゃったら元も子もないし、死んじゃったらおしまいだ」なんてネガティブな事を考えたりしました。「諸行無常だなぁ」とか。
が、ネガティブだけで終わらないのが志村さん。
「キミに会えた事は キミのいない今日も 人生でかけがえの無いものでありつづけます」ですよ。もう、ステキなんだからぁ。
志村さんはこの世からいなくなっちゃったけれど、志村さんの音楽に会えた事は人生でかけがえの無いものでありつづけます!!

志村さんの生前最後に発表されたイエロー・モンキーのカバー曲には「死ねばそれで終わり」なんてフレーズもあったけれど、志村さんが命を削って作った楽曲達のおかげで、志村さんの事は忘れられない。忘れっぽい私だけれど、忘れるわけない。
おしまいどころか、亡くなった後にファンが生まれてる、つまり始まってるんです。凄い事だなぁ。

ぼろぼろだった私は、富士吉田の上映會で生き返った気がします。
「もう旅行なんて出来ないんじゃないか」なんて思い詰めた事もあったけれど、一日元気に富士吉田を歩き回って、「ああ、まだ大丈夫だ。また働ける」って思えました。上映會も楽しかったけれど、体力にいくらか自信が持てた事も大きかった。楽しい事や感動する事があると免疫力はアップするらしいけれど、あの1日で、私は随分回復したような気がします。
♪すりむいたまま そっと歩き出せました。(『若者のすべて』のチャイムには感動したよっ!)

苦しんでいる時、落ち込んでいる時に助けられると弱いよね……という感じで志村さんの事がさらに好きになっちゃったのでした。そんなこんなで、私にとって2019年は志村さんの年。

ところで、
GREAT3の片寄明人さん(フジファブリックのメジャーデビュー作のプロデューサーでもある)のツイッターで、志村さんがアビーロードを渡っている写真を見つけました。その写真が遠くから見るとまるで私でびっくり。

私もアビーロードに行った事があります。
横断歩道を渡っている所を写真に撮ってもらったのですが、出来上がった物はビートルズのように颯爽と歩いている格好じゃないんです。姿勢が悪いし、手は上がってないし、足も開いてない。
デジカメのない時代だったので、撮ってすぐには確認出来ませんでした。
帰宅後に「せっかくアビーロードまで行ってこのザマはなんだ」と自己嫌悪に陥りました。
「ビートルズみたいでしょ?」と見せびらかしたかったのに、恥ずかしくて誰にも見せられないような写真になってしまった。
が、それが志村さんの写真とそっくりなんです。まるで私はタイムスリップして志村さんのマネして写真を撮ったみたい。
「志村さん、もっと背筋伸ばして元気に歩こうよ」とツッコミたいような写真。
けれど、それが、私の恥ずかしい1枚を一気にお気に入りの1枚へと昇華してくれたのでした。
相変わらず人には見せられませんけどね。バンドマンだったらセーフですが、うら若き女性があのポーズはダメです(>_<)。

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